医療コンサルタントの高野聖義(昌則)です。
前回の考える習慣ということについて、具体的な事例を用いて少しお話を進めたいと思います。
コンサルタントでクライアントと話をするという場面を例にして話をしたいと思います。
よく聞かれる言葉として、最近の若者は考えないという話があります。
これは最近という訳ではなく、若年層ということだと思います。
ある程度優秀というレベルでは、考える習慣を持っていません。
本当に優秀というレベルは、考える習慣を語る必要もありません。天才は、考えなくても答えが出ます。
しかし、凡人レベルでは、意識的に考える習慣が必要なのです。
コンサルタントの若手も突き詰めて考えるという習慣を持っていません。
どうしても、表面的に分かった気になってしまいます。
先輩と同行しているような場合、自分の目の前で打合せが進んでいく中で、打合せのスピードについてきてはいないのに、一緒に経験していることで分かった気になり、どうしても本当に必要な本質を理解できないケースが多く見られます。
先方:「これは、このように進めて欲しいのですが・・・。」
コンサル:「分かりました。このような感じですね。」
というような会話がなされた時は、クライアントとメインのコンサルタントの中では考え方の同調が図れています。
メインのコンサルタントは、会話の中で、「このような感じ」を確認するために、質問をしたり、先方の言葉から感じ、同じイメージを共有できていることを確認しています。
しかし、経験が少ないと、「このような感じ」が分からないのです。
当然の話です。
一対一の話を、第三者が聞いているわけですから、クライアントとコンサルタントの両方の考え方を理解しなくてはいけないわけです。
分かるためには二重の手間がかかるのです。
しかし、目の前で、「このような感じ」というやり取りを見ています。
その時、若手は「このような感じ」をイメージします。
そのイメージを自分の中でとどめてしまい、分かった気になります。
同じ場にいるということで、自分も話し合いに参加している気になります。
しかし、自分の感じて分かったと思っていることを、クライアントにも、先輩のコンサルタントともすり合わせをしないがために、どうしても自分の中だけで完結してしまうのです。
これが分かった気になるということです。
自分の考えた事には限界があります。
その考えている領域と、周囲の人の領域が本当に重なっているかという事は確認が必要です。
同じ人間で、同じ考え方、同じ脳細胞、同じ生い立ちを持っている人は、この世には誰も存在しないのです。
どうしても、人との違いが出るのです。
この違いを見つけるのが、「なぜ」というキーワードではないでしょうか?
違いが分かれば、自分が理解できていない領域が分かります。
違いが分かれば、他人を理解するための方法を見つけることができます。
この違いを常に考え続けることが、考える習慣を身に付ける方法なのだと思います。
あなたは、自分と他人の違いをしっかり把握できていますか?
あいつのいう事は、良く分からないで止まっていませんか?