今夕、男性が退院す。
(胃ガンの摘出術で、胃の上半分を切除した)

 

当初の予定通り、手術から2週間での退院。

迎えのために、午後の2時にナースステーションに出向く。

そこで、主治医から追加の検査を行う判断が下されたとうかがう。

聞けば、今朝の回診で、男性が「食べ物を少しずつしか飲み込めない」と訴えたことを受けて、胃と食道の吻合部の状態を確認することにしたらしい。

そんなことは、普通食になった3日前から訴えていたことなんだが...

 

しかし、主事員は午後3時まで手術の予定。

検査は術後に行われるという。

待っていても、検査と診断がいつになるか分からないので、車を出してくださった方と共に、一旦、帰宅する。

 

時間も午後5時半となり「もうこの時間から退院はないだろう」と思っていた。

確認のために、病院に電話しようと思っているその時だった。

病院から着信がある。

 

「主治医の退院許可が出ましたので、これから迎えに来てください」

 

内心で、盛大に「ハァ?」と驚愕の声をあげた。

瞬間、憤懣やるかたない思いになった。

 

しかし、その病院は地域の拠点病院であり、手術を終え、外科的には治癒した状態であるかぎり、患者はベルトコンベアに乗せられているが如く、退院させられる。

高齢の一人暮らしという状況は、そこではまったく考慮の外にある。

 

そうした組織で働いている一看護師に向けて、私が一人息巻いて、どれほど文句をつけようと、今度は上級職にある看護師が出てきて、同じことを言われるだけである。

同じ胸くそ悪い思いをするならば、ここは一言の文句も発せず、淡々と退院のお手伝いをするほかはない。

 

一人、バスに揺られて病院におもむく。

おっつけるように、協力して下さる方が車で駆けつける。

 

内心で「理不尽な」と思いながら、退院手続きの説明を病室で受ける。

男性に代わって、私が荷造りをする。

男性を車椅子に座らせ、荷物を一つ抱えながら、会計まで降りる。

男性と荷物を車に乗せ、帰宅途上にあるスーパーで、食料の買い出しに随伴する。

 

帰宅後は、車を出してくださった方には深くお礼を言いつつ、早々に引き上げていただく。

(この方もまた高齢者。夜間の運転は避けたかった)

 

男性宅内で簡単に荷物をひもとき、すぐに必要になるもの、重要なもの、明日以降でも間に合うものに分ける。

そして私も、早々に引き上げさせていただく。

私が居座っている限り、男性は食事の準備を始められない。

一息つくこともしないだろう。

何事かあれば、どんな些細なことでも、いかような時間であれ、電話をくださいと念押しをして、辞去する。

 

午後7時半。

胸苦しさを感じつつ、帰途につく。

まったく食欲を感じない。

やる気も出ない。

全てを吸い取られたような一日だった。

 

 

3日前から、左耳後ろの、おそらくはリンパ節の辺りだと思うが、少しずつ痛みを覚えている。

今朝は、枕の上に頭を置いているだけで痛い。

指先で押さえると、痛みがさらに増してきているのが分かる。

周囲に炎症などないのだが。