昨晩は、ベッドに入る前に、体を冷やしすぎてしまった。
共有スペースでテレビを見ている間に、空調機からの冷風で、すっかり体温を奪われた。
その上、昨夜は熱帯夜。
一晩中、病室の空調機も冷風を吹き出した。
加えて、私がまだベッドの掛け布団に冬用を使っていることもあって、寒いからと布団にくるまると、かえって体温で布団の中が暑くなりすぎる。
結果、せっかくの掛け布団をはね飛ばし、さらに体を冷やすことになった。
おかげで今朝は、ちょっと風邪気味かなと疑うような体調。
今日がシーツ交換の日だったので、掛け布団も夏用に交換してもらった。
これで安心して、肩まで布団でくるまることができる。
それでも眠りの質は、そんなに悪くはなかった。
先週までのことを思うと、寒い思いをしたとはいえ、まだ今朝の方が良かった。
午前中、作業療法の一時間で、字の練習帳に向かう。
コピー用紙で四枚分、ひらがなを五十音順に四回通り書くのが精一杯。
一文字一文字をかなり大きめに書くのだが、ひらがなのような、曲線主体で構成されている文字を、丁寧に大きく書くのは、基本だけども、やるのは大変。
しかし基本だからこそ、大きな文字でもチャンと書けるようになれば、スケールを小さくした文字でもきれいに書けるようになるだろうと思う。
そしてこの練習は、ペンの持ち方、筆運びを固めるためにも、とても有効な方法なのではないかと感じる。
午後には本とノートにも向かうのだが、ノートに文字を書き込んでいく作業にも、確実に練習の影響は表れている。
大きな文字で書くひらがなの書取練習は、私の中の不要物を削り落とすような作業になっている気がする。
例えて言えば、地層の中に隠れていた太古の生物の化石を、コツコツと丁寧に、岩の中から掘り出しているようなイメージ。
まだまだ始めたばかりの取り組みなので、評価を加えるのは時期尚早。
とはいえ、感じる手応えが、日一日と少しずつだけども強まっている気がする。
それと同時に、私の中の小さな歯車が、少しずつ数を増しながら噛み合っていっているような小気味よさも感じる。
そんな「やり甲斐」を感じる。
やっていることは、とても基本的なことで、幼稚なこと。
だからこそ、入院していて良かったと思える。
自宅に一人で静養していては、こんな試みをしてみようという発想さえ起こらなかっただろう。
もっと安直にできることばかりに走って、病を治すキッカケをつかめないでいたと思う。
想定される入院期間の中盤で、このようなキッカケに気づけたのは、とても幸いだ。