今日は、男性にとって3回目の外来受診日。
そして、先週の検査結果を聞いて、今後の治療方針を決める日になるはずでした。
エェ、でした、です。
今や過去形です。
待合室で呼ばれるのを待っていると、男性は私にこう言います。
40年近く前、病院で肝臓に血管腫があると言われた事がある、と。
なぜ、その情報を、前回受診時に言わなかった?
と、頭では思いましたが、口には出しませんでした。
これが、この男性の癖なのです。
敢えて口には出さず、専門家なら正しく見抜いてみせろと、試してみる方なのです。
今回は念の入ったことに、私にも事前に教えてはくれませんでした。
まったくもう...
先週のエコー検査で、何ら腫瘍らしい影は見えないようだなと思っていました。
私は画像診断ができるほど精通しているわけではありませんが、自分も肝臓のエコー検査を幾度も受けています。
別れた妻の、肝臓内が腫瘍だらけの画像も見ています。
そんな経験があるからか、どの部位が、どんな風に見えるか、なんとなぁ〜く分かっている部分もあるのでしょう。
しかし、血液検査の結果も併せ見ないことには、確定的なことは何も言えませんし、素人の立場で言うべきでもありません。
なので、ただただ「5月22日の診断を待ちましょう」とだけ、男性には言い続けていました。
胃ガン治療に向け、一番の懸案事項が除かれました。
今度は、男性が意志決定する番です。
内視鏡手術を受けるぐらいなら、いっそ開腹手術をした方がいいのではないかと、私は考えていました。
開腹手術を受けた場合の入院期間も、この病院では2週間だそうです。
その後は、回復状態によっては、かかりつけ医の病院に転院となるかもしれませんが。
男性は、治療方針決定を一ヶ月、先延ばしする決定をしました。
6月26日に再び診察予約を取って、帰ってきました。
男性を送り届けた後、私は悩みました。
正確には、診察室にいる時から、ずっと考え込んでいました。
今こそ、私が入院する決断をすべき時ではないか。
男性が手術を受ける決断をするのなら、手術を無事に受け終えたのを確認してから、私も入院しようと考えていました。
治療を受けない決断をした時のことは、考えていませんでした。
まぁ、その時はその時で、考えなきゃしかたがないのかな、ぐらいにしか思っていませんでした。
決断を保留するとは、それら以上に、全く考えていませんでした。
男性は言います。
一ヶ月の間に、周囲に意見を聞いてみてから決めたい。
ならば、その一ヶ月を、私は自分の完全静養と治療に充てるべきではないか。
しかし、自分の状態を把握できないのが、精神疾患の難しいところです。
部屋に帰る道すがら、私と、私がやってきたことを、一番身近で見聞きしてきた方のもとを訪ねました。
そして訊ねました。
あなたの目から見て、私は入院すべきだという風に見えますか、と。
入院すべきだ!と、即答されました。
部屋に戻り、すぐに病院に電話。
主治医には既に了解を取っている旨を伝え、入院手続きをお願いしました。
折り返し電話をいただき、5月26日に入院することになりました。
また閉鎖病棟に入るでしょう。
24時間、生活の大部分が制約され、監視下に置かれる病棟に。
2年前は6月の頭でした。
この度も、ほぼ同時期の入院です。
前回は救急車で運ばれました。
今回は、確固たる自分の意志と自分の足で入ります。
2年間奮闘し続けてきた結果として、入ります。
主治医から既に、2週間は静養に努め、後の2週間でリハビリをと、一ヶ月の入院が適切と言い渡されています。
私も、相応の期間が絶対に必要と、感じています。
この頭の奥底、芯の方でジンジンとするコリのようなものを除去するには、徹底して外からの刺激を避け、行動量も生存に必要な最低限に抑え、全力で頭を休める事に努めなければならないと、ずっと考えていましたから。
つまり、全力でだらけなければいけない!
なので最初の内は、一日の大半をベッドの上で過ごそうと、つとめてそうしようと考えています。
そのために、ポータブルでも最高の音質で音楽を再生してくれるプレイヤーを、自作までして準備したのですから(結果としてだけど。持ち込ませてくれるかなぁ)。
その前に、無事に入院できるかどうか、ですね。
私がいなくなっても、男性の生活を支えることができるように、周囲の皆さんにくれぐれもお願いしました。
男性の身内にも、私が入院することを伝えました。
そして、男性にも。
1ヶ月後、男性がどのようになっているかは分かりませんが、この数ヶ月間のことを、よくよく思い返し、考えて欲しいなとは思っています。
多少、認知力が落ちていますので、記憶から抜け落ちていることも多いとは思いますが。
そして私も、そのことをよくよく思い返し、考えなければいけない。
捉え直さなければいけない。
その前に、先ずは静養です。
さらにその前に、入院にたどり着くことです。
ぶっちゃけた話、男性が決断を一ヶ月先送りにしたいと言い出した時に、私の中で何かが「パキィ〜ン」と音をたてたんですよね。
何かの符牒が合ったような感じ、ですかね。
と同時に、私の中で「これは入院すべきだろう」との思いが一気に大きくなっちゃった。
これは、そういう事だろう、ってね。