自分の存在が、マルッと全肯定される。
そんな経験を久々にできて、とても嬉しかったです。
現実を生きる私は、いつも忍耐の連続です。
特に、生き死ににかかわる事では、いつだって忍耐ばっかりです。
ゴールは分かりきっている。
そのゴールに、いつたどり着くのかが、その時にならなければ分からない。
そして、可能な限り見事なゴールシーンを見たい。
そのために、いつだって忍耐です。
義母の時は、3年半を費やしました。
実父では2年。
ただただ、最高の最期だけを願い、支え抜きました。
もちろん、お互いに生きている「人間」なのですから、きれい事だけではない毎日でした。
今朝、9時半に男性宅を訪問。
声をかけても返事がないので、勝手に上がり込みましたよ。
布団の上で横になっている姿に、一瞬「まさか」と思いましたが、それにしては違和感がない。
よく見ると、かすかに胸が動いている。
本当に良かったですよ。
ホッとしました。
同時に「まだかよ」とも思っている自分もいます。
冷酷?
いやいや、それが人間ですよ。
(そこを否定したら偽善になっちゃう)
用意した車で、一緒に病院に向かうんですが、出発間際に「これが家を見る最後か」と、突然言い出す。
言うに任せて、私は反応しなかったんですが、思うに男性の心の中では、「いよいよ」が半分、「いやそれでも」がまだ半分なのでしょうか。
最期を前に、揺れ動く86才の翁心です。
向かったのは地元の拠点病院ですので、どっちを向いても、紹介状を片手にした患者さんばかり。
男性は、この病院では新患ですから、問診票を記載しなければなりません。
そのために血圧を測ったのですが、数値を見てビックリしました。
上が74で下が41なんですから。
よくこの数字で意識があるなと、私の方がビックリですよ。
(車から降りて病院内は車椅子)
問診票を看護師に渡す時に、「ここ見て」と数字を示すと、直ぐにストレッチャーが用意されました。
血圧計やら心電図やらのモニターセンサーを付けられ、診察室ではなく処置室内で、消化器科医師を待つことに。
その間に、上が104まで回復。
何か病院から処置があるかなぁ〜と期待したんですが、やって来るのが消化器科の先生ですから、そうした循環器系の数字にはノーリアクション。
検査予約とその後の診療日だけ決めて、ハイお終いです。
ア〜、そうだったぁ〜!
専門性の高い病院を受診すると、こういう目に遭うんですよね。
(心肺停止状態になっても、AEDで救急措置をして、直ぐにERに移動。外来診療部門ですから、AED以外に蘇生処置の手段をおいてないです)
この状態で帰るのかぁ〜とは思ったんですが、もう心配しても仕方がないんですね。
私としては、もう、やれることをやるだけなんです。
帰る途中、男性が「一緒に飯を食おう。ラーメンを食べたい」と誘って下さるので、喜んでお受けしました。
自宅で落ち着いたのを確認して、夕刻6時にまた来ることを告げて辞去。
夕方行くと、また死んだように寝てました。
夕食の食材を、男性に代わって、私が近所のコンビニで購入。
これで取り敢えず、明日の朝までの食糧は確保。
(男性には自宅から50メートルも離れてないコンビニまで移動する体力もありません)
明日通院の車両も手配しました。
時間も打ち合わせました。
そして男性には「一晩だけでもって言って帰って来たんだから、明日、先生が『入院』って言ったら、素直に入院しようね!」と、一応念押し。
入院するもしないも、男性自身が決める事なので、強いて入院させるわけにはいきませんが、今日の状態を見た限りでも、自宅での一人暮らしは絶対に無理です。
そして、たった二晩の自宅とは言え、体力の損耗は小さくないだろうと思っています。
体力減退による、意識集中の低下。
判断力の低下。
記憶力の低下。
心身両面に渡って、あらゆるものが低下しているのを、強く感じます。
(明日、病床が空いているか?それ以前に、朝、呼吸しているか?)
そして、これも一種の「共依存」ですから、私のストレスもハンパないようです。
お昼に自宅に戻り、しばし、寝ていなければなりませんでした。
夕刻の訪問後も。
それでも、無意識の緊張感から解放されることは、少しもありません。
おかげで、今夜は食欲もない。
男性に対するのと同様に、ご家族への連絡も、言葉と表現を選んでいます。
男性には、最期のことを笑いながら話せる余裕がありますので、そこが私としては、救いです。
しかし、現実を目の当たりにしていない、遠方に住むご家族はそうもいかない。
息子さんご夫婦は医療や介護のお仕事をなさっているので、様々なケースをご存じのハズですが、やはり身内となると、チョット受け止め方は違うようです。
少し「もうそんなことを言っていられる場合じゃない」と思う所もあるのですが、現実を直接見ることができないもどかしさも考えて、直截な表現に心理面のオブラードを被せるような連絡を送ってます。
直接、電話で話をできれば、もう少し、コチラの緊迫感、緊張感も伝わると思うのですが...
私がやることは、単純にして明瞭なので、迷うことは一切ないのですが、当人や周囲、そして今後の展開への気配りが、もの凄いことになっています。
もう絶対に投げ出すことはできないので、この気配り地獄、最後まで耐え抜きます。