ずっとこめかみ辺りに痛みを覚える一日でした。
昨日はほとんど寝ないで動いていたような一日でしたので、今日は午後4時まで起き上がることができませんでした。
本当はその時間でも起きたくはなかったのですが、男性の希望に応え、明日の朝食用材料を買っておかなければなりません。
そうした準備を諸々揃えた上で、病院に迎えに行かなければなりません。
協力して下さる方にも、事前に伝えておかなければならないこともあります。
いよいよの時が近づいている緊張感が、ずっと続いています。

 


男性の顔色は白く、見るからに体調はすぐれない事が分かります。
昨日の血液検査の結果を見た主治医が、「大量の飲酒でもしたか?」と、入院中の患者に向けて、あり得ない質問をするほど、数値は悪かったようです。
通常ならば、退院などあり得ない状態なのでしょう。

 


それでも「一晩だけでも自宅に戻りたい」という意向を汲み、本日の退院となりました。
明日は地元拠点病院の受診。
明後日は、退院したばかりのかかりつけ医の病院を受診。
必ず来るようにと釘を刺されたと言いますから、そのように言われるだけの状態なのでしょう。
話を聞くほどに、平然と退院できているこの状態こそが、本当は奇跡的なんだろうなぁと思いました。

 

 

自宅に戻られた時の喜び様は、大きかった。
まだ住まい初めて1年にも満たないご自宅ですが、それでも帰りたかった自宅であるようです。
そう言えば、以前から「ここがワシの終の棲家になる」と、ことあるごとに仰ってました。

 


明日は、受診の前に金融機関を回り、諸々の支払いも行います。
男性は、何一つやり残しがないようにという思いが強いようです。
そうした事一つ一つを、全て片付けておきたいという執念にも似た想いが伝わってきます。
そのための身体的な負担は、小さくないはずです。
(窓口には私が走り、男性には車の中にいてもらいますが、それでも)
それでも、そうした些細なことから、全て、男性の思いにはお応えしようと決意しています。

 


また、明日の受診後、一緒に昼食をとろうと、私を誘って下さいました。
実現は厳しいと思いますが、そのお心は、大切にいただきました。

 

止めてある新聞の配達開始依頼は、もう少し様子をみてからにしましょうねと、提案しました。
日々の生活に欠かせなかった新聞を、当面は手にできないことを嘆かれるのではと、私は思っていました。
しかし、案に相違して、男性は「新聞はもう要らない」と言われます。

 


男性の意識の中で、どのような展開が行われているのかは、知るよしもありません。
しかし、発せられる一言一言、見せる表情に、その時を迎える自覚を持たれていることがうかがえます。

 

 

これほど明瞭な意識を持ちつつ、うろたえることのなく最期を迎えられるとは。
私は男性から、大切なことをご教授いただいている。
そのような、厳粛な思いが致します。