朝10時前。
携帯の電話着信音で、目を覚ましました。
こんな時間から、私の携帯に電話なんて、普段ならあり得ない。
直ぐに発信元は、推察がつきます。
朝からイライラがひどくて...
お母さんにも電話を代わっていただき、事情をうかがいます。
10時半ぐらいに、お伺いします。
サッサと起きて、トーストときな粉牛乳を胃袋に流し込み、身支度を整えると、既に10時20分。
出なければなりません。
途中、お昼までいただいて、4時間近くお邪魔してたでしょうか。
彼女の中の不安が、自分で対処できる程度に落ち着くまで、向かい合っていました。
心の病とは関係のない、私の奇想天外な過去の経験を面白おかしく語り、腹から笑ってもらったりもしました。
バカ笑いする姿を見て、取り敢えずは大丈夫かなと。
昨日で、溜めていたガスは抜けてます。
溜まっていたものが抜けたこと。
一晩、グッスリ寝られたこと。
そのことで、心の抵抗力が高まったのでしょう。
元気になった彼女は、昨日とは違った毒を撒き散らしていました。
しかし、撒き散らした毒があまりに強烈で、自己制御不能になり、お母さんも完全お手上げ状態。
私に泣きつきたいのは、お母さんの方だったことでしょう。
おいとました後も、追いかけるように電話がかかってきたりとか、息つく暇のない時間を過ごしました。
少々荒っぽいですが、私のメンタルなリハビリだと思うことにいたしましょう。
心の病、特に彼女のような統合失調症は、時としてかかわる者に不毛感を覚えさせます。
(もちろん個人差はあります)
でも、そういうものなんです。
それが普通。
それでも、辛抱強く話を聞くしかない。
適切な言葉を添えつつ、少しずつ、前に進むメンタルな介助をするほかはない。
本当に少しずつです。
症状が落ち着いている時は、その役割を家族が果たすわけですが、今回は限度を超えてしまって、家族が疲弊し、ご両親のメンタルが崩壊の危機にありました。
家庭崩壊の危機だったと言ってもよいでしょう。
幸い、私は家族ではない。
心理的にも物理的にも、彼女とは安全距離をとれます。
加えて幸いなことに、ご家族の苦しみも、ご本人の辛さも、ある程度察することができます。
そして、病気療養の身で、プー太郎でありますので、時間的な自由もある。
そうやってかかわる人間がいることが、当人にとって希望となる。
病と向き合う活力となる。
私の主治医が聞いたら「止めろ!」というような行動なのですが、苦しんでいる現場を思うと、我が身を顧みることができません。
人が見たら、笑うことでしょう。
自分の頭の上のハエも追っ払えない奴が、何をやっているんだ、と。
好んでそういう人生を歩むと決めたんです。
だから、いいんです。
ご自分の力では対処できないと思ったら、躊躇わず連絡をください。
ご安心ください、後ろには私が控えております。
そのようにお母さまにお願いをしていました。
とても安堵したこともあります。
昨晩、お父さんが本当に喜び、私に感謝されていたとうかがいました。
色んな思いがおありだろうに、若輩者の私に感謝までされるとは、本当にイッパイイッパイだったんだなぁと改めて実感すると共に、取り敢えずは良かったと思えたのでした。