この日私は、

めちゃめちゃ凹んだ。

放課後児童クラブの仕事。


やっと自分の生涯の天職に

行き着くことが出来たと、

もう⤴️⤴️⤴️🎵🎶  の時に

それは起こった。


この仕事、甘くはないよ。


と教えられたような出来事

だった。



小5のF君。

これがなかなか難しい…


Nちゃんは、F君に

嫌なことを言われたらしい。


泣いている。

何と言われたのか、本人は

決して言おうとしない。


なので私は、

F君に事情を聞きに行く。


彼の興奮した激しい言葉から

わかったのは、


自分は何もしていないのに、

Nちゃんが、

睨んできたのだと。


それで、

『Nちゃんが嫌がる言葉』と

『クソババァ!』の罵声を

浴びせかけたらしい。


Nちゃんが睨まなければ、

そんなことはしなかった。

ということのようだ。


ま、そりゃそうだろう。


しかしね〜


この子は、もう普段から、

睨まれるような事を、

積み重ねてきてるわけで、


睨みたくなる気持ちは、

わかる。


でも、睨まれた方の不快感も

そりゃ、当然のこと。



この時、

『Nちゃんが嫌がる言葉』

というのが…

その意味が、初めて、

わかった…


今までも、Nちゃんが、

この言葉を言われて泣いたり


真っ赤になって、

言った子を追いかけてるのを

私は見たことがあった。


その時の私には、

それくらいの言葉で何故に?

と不思議に思えてた…


だけど、この時初めて、

その意味がわかった。


「あの顔は、どう見ても

◯◯◯じゃないか!!

キモいんだよ!!

あのクソババァが!!」


激しい言葉。


ハァ?って感じ。


あんなに可愛い子に対して、

何ちゅう感覚や!!


言葉を失う私。


こんなケモノ状態の彼に、

今、何を言ってもムダだ。


私はNちゃんの所に戻り、


「何もしていないのに、

先に睨んだって言ってるけど

本当?」


Nちゃんは、頷く。


アララ…


「何もしてないのに睨んだら

そりゃあ、誰でも、気持ちが

良くないよね。

『Nちゃんが睨まなかったら

言わなかった』って。


たとえ、普段から、心の中で

腹立たしいと思っていても、

その時に何の理由もないのに

睨んだりしたら、ダメよ。


どんなに心の中で腹が立って

いても、向こうが今、

何もしていないのなら、

我慢して、

無視しておきなさい。


でも、今酷い事をされた時は

言ってもいいんだよ!!

その時は、先生にも

言いなさいね!!」



興奮しやすい逞しい男の子に

下級生の細い小さな子が

正面から噛みつくのは、

やめといた方がいい。


これは、生きる知恵だ。


闇雲に正義を振りかざしても

ダメな時がある。

グッと堪えるべき時も

あるのだよ。


ということを漂わせながら、

諭した。


そんなことがあった数時間後


終わりの会の後で、

小2の小さな子たちが、

紙芝居をした。


自分たちが、やりたい!!

と言って来たから、

許可していたのだ。


その日、私は、その日の

スケジュールを調整し

進行する役目だった。


彼女たちは、教室の隅で、

一生懸命練習していた。


私は、紙芝居をする時間が

空くように、その日の

スケジュールを調整した。


そして、いよいよその発表!

と言う時、


その女の子たちが、直前に、

私に不安を漏らした。


「F君たちが、もし、静かに

してくれなかったら…」


私は、一週間前の紙芝居時に

悪ガキらを静かにさせた事が

ある。


他の先生が担当した時、

子どもたちが、

うるさかった。


私は、

うるさい者は後ろに行け!と

喝を入れ、

子どもたちの間に入って睨むと

悪ガキどもは、コソコソと

逃げ出した。


そして、


物陰に隠れて私を伺い、

私が睨みつけると隠れ、

そ〜っと姿を現して、

私が睨むとまた隠れ…


という静かな『遊び』?

を繰り返す中、

紙芝居は進行し、

無事終わったのだった。


そのように何とかなったので

不安がる女の子たちに、


「静かにさせるから!」

と言って、

紙芝居が始まった。


だが、その日は、

前の時とは違った。


私は、一番前のF君の

すぐ横に張り付き、

静かにさせようとした。


ところが…


私が睨むと黙る。

そして、ワッと声を出す。

私が睨むと黙る。

そして、ワッと声を出す…


の繰り返し…


それを一番前でやるので、

紙芝居の声は聞こえないし、


そのうち、

他の悪ガキたちも喋り出し…


F君に張り付いている私が

立ち上がってそっちに行って

怒鳴ろうものなら、

またそこでもやり合わないと

いけなくなる…



紙芝居の雰囲気も

ブチ壊れてしまうだろう。


選択…


紙芝居のすぐ前にいるF君が

目立ち過ぎるので、

それを何とかしなければ

ならない。


後ろは放っとくしかない…


イライラが高まる私…


場の雰囲気を壊さない事が

大切なのか、


ブチ壊してでも

一回怒りを爆発させて、

紙芝居を止めてまでも

叱りつけるのがいいのか…


悩んだ。


その間にも、

聞く方はどんどん

荒れていく…


聞いてる子が、


「もう!💢何言ってるのか、

全然聞こえん…」


と怒っているし…


ごめんな…


もう、全部私のせいだ…

場を収拾できない私のせいだ…


どうすることもできない自分

が情けない…



その時、教室のスタッフは

なぜか出払っていて、

主任は、

離れた所で仕事をしていた…


孤立無援な状態…


女の子たちは、時折、

こっちを気にしながらも

健気に読み続けているが…


もう一体何をしてる時間かも

わからなくなってる…


紙芝居崩壊…


読んでる子たちに悪い…

ごめんね…


黙らないF君は、

私の怒りのボルテージが

上がるのを喜んで、

一向に黙ろうとしない。


💢💢


私はブチキレた。


💢💢


パシコーン!!


F君の頭を叩いた。


その途端、

主任の言葉が私に飛んだ


「先生、叩くのはダメ!」


すると離れた所にいる

悪ガキどもが喜んだ。


「や〜い!や〜い!

先生が先生に怒られた〜!」


クッソ〜!!💢💢


私は、主任の見てない?隙に、

F君の髪の毛を鷲掴みにし、

ガッと引っ張り上げた。


平気なF君。


彼の目の前に、

怒りで震える拳を突きつけた。


そばにいる悪ガキが、

「プルプル震えよる〜🤣」

と爆笑する。


F君はそんなこと、

屁とも思っていない。


私は、グッと睨みつけながら

机の下で、

F君の手をガシッと捕まえ、

グッと挟みつけながら、

ドスを効かせて囁く。


「アンタなぁ…

アンタには、私の怒りが

わからんのか!!!💢💢」


もう、何がなんだか

わからない状態の中、


女の子たちの弱々しい声の

紙芝居は、続いている…


やがて、彼の下校時間が来て

彼はいなくなった。


そして、


小さな女の子たちの

紙芝居の時間は、終わった…


ガックッ…

半端ない落ち込み…


黙らせることができなかった

自分の不甲斐なさ…


叩いたことを悪いとは、

これっぽっちも

思っていない。


ただ、ただ…


自分の甘さを噛み締めていた。


何とかなると思っていた

自分の甘さ…


誰も助けてくれなかった…


叩いた私が悪いということに

なるよね…


私は、紙芝居を読む楽しさを

知っている。だから、

紙芝居をしたい!

という子たちの気持ちが

よく分かる。


その気持ちを大事にしたい

という私の思いが、仇となり


結果、


読んだ子たちも、

聞いてた子たちも、

みんなが不満を抱えることに

なった…


紙芝居が終わった後、

私は再び主任に言われた。


「どんな時にも、

絶対、叩くのはダメだから」



今のご時世、

よく分からないけど…

難しい時代だ…


私をクビにする、だけじゃ

済まないような話に

なるかもしれないよね…


この児童クラブ全体の問題

になるかもしれない。

スタッフみんなに

迷惑をかけることに

なるかもしれない…



「すみません…」


ひたすら申し訳ない気持ちで

私は、深く深く落ち込んだ。


自分が、カッとする浅はかな

つまらぬ人間に思えた…


私の天職にやっと出合えた!

という喜びで一杯になり、

その決意、思いをブログに

書いたばかりなのに…


気持ちが萎えた…


この仕事、私には、

合っていないのかも…


フと浮かぶ


辞めようかな…

という思い…


私にはやっていける自信が

ないよ…


甘い物をたくさん買って

食べまくった。


今日だけは特別だ。


頑張った自分にご褒美だ。


元気出さなきゃ…

と思いつつ、


その夜、求人募集のサイトを

見たりした…


そして、改めて、

自分の書いた最近のブログを

読んだ…


こんなに思ってたんだよな…


ここまで思ってたんだよな…


ここで辞めたら、

絶対、バカだよな…


絶対に、後悔するよな…


子どもたちから解放された

自分を思い浮かべた…


1年前、児童クラブの仕事を

辞めた時の気持ちを

思い出した。


あの時、

あんなに、子どもたちを

裏切ってしまった…

と思ったじゃないか…


子どもたちと接した日々を、

あんなに、

恋しがったじゃないか…


あの苦しみを、

また繰り返すのか?


あの悪ガキ一人のために

辞めるのか?

私を必要としている子たちが

たくさんいるというのに?


みんなが悲しむよ。

絶対悲しむよ。

私を大好きな子たちが

一杯いるのに、

たった一人のせいで辞める?

バカ過ぎやしないか?



以前に、検索していて、

たまたま、

児童クラブの指導員の悩みを

見たことがある。


他の人たちは、こういう時

どのようにして乗り越える

のかな…


見てみようと思った。



そしたら…


言うことを聞かない悪ガキに

悩んでいる人は、

たくさんいた。


たくさんの相談と回答を

読んだ。


ああ、分かるなぁ…


たくさん共感し、

たくさん、なるほど…

と思い…


読んでいるうちに、

次第に落ち着いてきた。


私は、独りじゃない。


自分だけが怒られて、

自分だけがバカで、

自分だけが悩んでいると

思えてたけど…


たくさんの仲間が

そこにはいた…


その中で、

少しずつ、見えてきた。


それは…


児童クラブの指導員に

採用された時点で

児童クラブの指導員になった

のでは無い!!


ということ。


採用されたという今は、


児童クラブの指導員への道の

始まりにすぎないのだ!!


いろんな壁を乗り越えながら

少しずつ、少しずつ、


児童クラブの指導員に

これから、           なっていくのよ!!



これから、本当の、プロの

児童クラブの指導員に

なっていくのよ。


始まったばかり。


今はまだ、

知らないことばかり。


これから、謙虚に、

1から学んでいこう。



私は立ち上がり、

また、この道を

歩み続けることにした。