人形の家では季節柄、ひな人形展「ひな人形比べてみれば」を開催中でした。時代による人形の変化や飾り方など、博物館ならではの歴史を感じさせるお人形たちでした。
御殿飾りというのが立派で目を引きました。江戸時代からこのスタイルが始まったようで、だんだん豪華な造りになってきたとか。屋根付きは明治大正のころからで、一時すたれたものの戦後は豪華なものも作られたそうです。
飾り方の違い、顔の作りの違いなど奥の深いひな人形の歴史がわかります。
これはお道具がすごい。
関西を中心に御殿飾りが発展したようですが、収納が大変そう。御殿は組み立て式だそうですが、だんだん関東の段飾りが全国的になったそうです。
こちらは枠飾りというものだそうです。
これは山川徳斎さんという作家さんのもの。明治22年とありました。今のよくある段飾りに一番近いかな。お顔も素敵でしたよ。緋毛氈(ひもうせん)にしわがあるのは、たぶんライティングとカメラのせい。
二郎佐衛門雛という江戸時代のお人形。年代物もシブくてどれも素敵でしたが、子供が怖がるかも。
もともとお人形は人に代って災難を引き受けてもらうために、考えられたものだそうで、昔は紙で作り、川などに流したこともあったそうです。
今では女の子の健やかで幸せな成長を祈るために、3月3日に桃の節句があるわけですが、昔と違って「結婚が女子の幸せ」とかいう考えはだんだん少なくなってきたので、長い歴史でまたひな人形の役割も変わるかもしれませんね。
段飾りは子供心身分制度の凝縮みたいに感じていたし身分の高い人との結婚=幸福という思想もアレだなと考えていたにもかかわらず、娘には三人官女までの段飾りを買ってもらってしまって、収納が思いのほか巨大だったのでちょっと困りました。
無事に成長したので役目も終わりかなと思うので、今後どうしましょうね。
近い将来、買う予定のある方は早めに検討されることをお薦めします。女子がいなくても季節のお飾りにあると和みますよね。