昨日は春節でしたね
おめでとうございます。
我が家の玄関には、とっても可愛い年賀状が
飾ってあります。
ひなセンセイそっくりの三毛猫の隣にいる兎さん。
何かを見つけたように立ち上がって きょとんとしている表情がかわいくて
玄関へ行く度に笑みが溢れます。
この絵は、松本白鸚さんが、お描きになったものです。
いつも干支の動物を、透明感ある可愛い姿に描いて
送ってくださいます。
本当に嬉しく、ありがたいです。
白鸚さんとは、幸四郎さんの時代に
2本の舞台でご一緒させて頂きとてもお世話になりました。
私は、宝塚歌劇団を退団した翌日から
新しい演劇人生がスタートしました。
ミュージカル「ラ マンチャの男」です。
初めての稽古場では、いきなり衣装付き通し稽古が始まり
もう何が何やらで。
(男性もいっぱいいるし 宝塚では稽古場には
女性70人に対して男性3人くらいの感じだったので)
そして、そこでお会いしたのが
「ラ マンチャの男」のセルヴァンテス、当時の幸四郎さんでした。(ここからは、白鸚さんの事を幸四郎さんと書かせて頂きます。)
幸四郎さんは、この絵のような、とっても可愛いところもお持ちで、
小さな子供のように、イタズラなんかもなさるんですが
舞台の上での他者を圧倒する存在感、見せ方、
そして何よりも演劇に対するピュアな考えと真摯な姿勢を
私は自分の演劇人生の最初に学ばせていただきました。
本当に感謝しています。
そしてこの写真はミュージカル「ZEAMI」です。
世阿弥を翻弄する葛野の前という大きな役を
やらせて頂きました。
大きな虎の前の子ネズミのようにしか見えない私は
もう毎日が、いっぱいいっぱいで
それでも本当に忍耐強く、私の相手をして下さいました。
写真を見ると改めて感謝の気持ちでいっぱいです。
。。。
少しプライベートな、このハガキを載せていいものか
迷ったのですが。
載せる事にしました!
38年前に幸四郎さんから頂き、ずっと額に入れて飾っていたものです。
38年前。
中日劇場、帝国劇場と、3ヵ月続いた「ラ マンチャの男」の千秋楽の終演後、
私はこの舞台が終わって全てが消えて行く事が悲しくて悲しくて
舞台セットが壊されて行くのも悲しくて悲しくて
皆と別れる事も悲しくて悲しくて
スタッフが片付けをしている舞台の隅に1人座り込み
嗚咽しながら泣き続けていました。
(すごい邪魔。今思うと。スミマセンでした)
そうしたら、幸四郎さんが心配して来てくださり慰めてくださり(ありえない優しさ)
私は「ずっと持っていたいから、何か記念になる言葉を書いてください」みたいな事をお願いしたのです。(すごい図々しい。)
そして 数日後に この言葉が送られて来ました。
今、改めてこの言葉を見て
深く深く心が揺さぶられます。
私も まだまだ 遠い星を目指して
見果てぬ夢を追いかけなければと
心が奮いたちます。
ファイナルの「ラ マンチャの男」が無事に。
どうか無事に!
千秋楽まで駆け抜けて行きますように。
今から手を合わせて祈っています。