4年前の今日、びーちゃんはお星様になりました。
 
 
 
びーちゃん。
 
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実は、姐さんちには 3年前まで びーちゃんというワンコがいました。
 
びーちゃんは、生まれつき、目は見えません。
 
にもかかわらず、劣悪なブリーダーの元で 繁殖犬をさせられていました。
 
劣悪なブリーダーが崩壊し、ボランテイアさんの手により
 
たくさんのシェルティがレスキューされた時、
 
まず、この子なら すぐに里親さんが現れるだろう という子達から始まり
 
びーちゃんが レスキューされたのは、一番最後だったそうです。
 
多くの子がフィラリアに感染していた中、びーちゃんは感染していませんでした。
 
なぜかって。。。
 
身体中を覆っていた、漆喰のようにガビガビになったウンコのせいで
 
蚊すら 敬遠していたのです。
 
預かりさんのお家に行き 初めてびーちゃんと会った時、
 
びーちゃんは、おとなしかった。
 
人間の赤ちゃんのように 仰向けにして抱っこしても
 
じーっと 固まりのようになって いつまでも いつまでも そのままだった。
 
静かな子だと思った。
 
 
預かりさんと里親のお話しを進めている間に
 
もう一つ 新たな問題が発覚した。
 
それは、びーちゃんが てんかんを持っていたこと。
 
どの動物病院の先生に相談しても
 
「大変だから、絶対に里親になるのは やめた方がいい。」と 言われた。
 
その頃 びーちゃんの推定年齢は8歳くらい。
 
下の歯は全部抜けていたから ベロもずっと出てた。
 
すごく考えた。
 
びーちゃんを迎えることによって 他の子達に接する時間も少なくなってしまうかもしれない。
 
でも 劣悪なブリーダーの元で 地獄のような日々を送ってきたびーちゃんを
 
最後は、私の手の中で
 
「ああ。人間も、悪くはなかったな。」と思って お星様になってもらいたい。
 
それが せめてもの 罪ほろぼしだと思った。
 
 
 
周囲の反対を押し切り、私は びーちゃんの里親になりました。
 
多分、体の状態からして 半年〜1年くらいかな。と思っていたのに
 
それから びーちゃんは。なんと。
 
5年近くも 生きてくれたのです。
 
 
でも、それは、簡単なことではなくて。
 
最初は、おとなしかった びーちゃんが 我が家に来て 半年くらい経った頃
 
突然、ブラッシングをしていた私の手を噛んだのです。
 
抱っこをすると 鏡獅子のように頭を振り暴れるようになり。
 
びーちゃんに やっと 感情が戻ってきたのです。
 
それは、今まで耐えてきた 押し殺してきた感情を この人なら
 
受け止めてくれる とでも思ったかのような。
 
人間を試しているかのような。
 
赤ちゃん返りのような。
 
 
 
亡くなる3ヶ月前の びーちゃん。
 
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ある時、突然 立てなくなったびーちゃんを病院に連れて行った。
 
レントゲンを撮ったら どうやら脱臼のようだったのだけれど、それ以前に
 
びーちゃんの足の骨には、膝のお盆やら何やら
 
おびただしい粉砕骨折の跡があった。
 
無理に 関節を引っ張ったりはできないからダメ元で
 
そっと 足を引っ張ったら、また 歩けるようになったけれど。
 
。。。 
 
 
一体、劣悪なブリーダーのところで 何をされていたのだろう。
 
目が見えない上に、足の痛みも あたり前のように抱えて生きていたのか。。
 
 
 
 
 
でもね。
 
少しずつ  少しずつ
 
人間はこわくない。人間は愛してくれる。と 解ってきてくれたみたいで。
 
目が見えないのに、いろいろ考えてくれたらしくw シートでトイレもできるようになったし。
 
私の声がすると 「ウヲ ウヲ」って言いながら
 
ぴょんぴょん 飛び跳ねてくれた。
 
 
そして。
 
今日みたいな、お天気のいい 爽やかな朝。
 
びーちゃんは、そっと一人で 天に昇っていた。
 
大きな てんかんを起こした跡があった。
 
体はまだ 暖かくて柔らかくて 
 
びーちゃんは、最後の時を 私が目覚める寸前に選んでいたみたいだった。
 
 
てんかんを見るのは辛い。
 
「起こしている当人は、意識がないので辛くないのだ。」と、お医者さんに言われても
 
どうしてあげることも出来ない時間は辛かった。
 
 
 
 
そして。。。
 
最後に びーちゃんが 私にくれたもの。
 
 
 
 
 
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生きている時、こんなに 穏やかで 安らかな表情は
 
一度も見ることがなかった。
 
この表情を見た時。
 
すべてが報われた気持ちがした。
 
 
 
いつか。
 
姐さんも天国に行った時。
 
目が見えて元気に走り回っている かっこいいびーちゃんに会えることを
 
実は、すごく楽しみにしているのです。犬ニコ