『蜷川さんの葬儀で 弔辞を読まれた平さんを思い出す。

「蜷川さん。あなたは一度も僕を褒めてくれた事がなかった。だから僕は、あなたに褒められたくて 肺を壊すまで 大きな声を出し続けました。」

「お。来たか。」蜷川さんと 早くも天国で  新しい芝居を作っているだろう。

そう思います。』

 

 

 

俳優の平幹二朗さんの詳報を知った朝、

 

ぐるぐると 頭の中が混乱する中、twitterに書いた

 

私のツイートです。

 

偉大な先輩でした。

 

昨年、蜷川さんが演出された ロンドン公演「ハムレット」の稽古場へ行った日の

 

ブログに、私は、こんなことを書いていました。

 

『父親の亡霊が、お能のスタイルで。
その、あまりにいい亡霊の声に、お能の役者さんが出ているのかと思ったら、
これも平さんが、演じておりまして。
脱帽です。』

 

本当に圧巻だった。忘れない。

 

あの 天まで突き抜けて届くようだった 魂の歌。

 

そしてほんの半年前、蜷川さんの葬儀の控え室でお会いした平さんに

 

私は、このことを話したばかりだった。

 

静かに、でも 私なんかの感想を とても嬉しそうに聞いてくださり

 

微笑んでいらした。

 

 

 

 

もうずっと前。。。20年くらい前。

 

私は、平さんと2作品 共演させて頂いたことがあります。ラブ

 

演出・ロベール・ルパージュ。

 

シェイクスピアの『マクベス』と、『テンペスト』

 

グローブ座で2本立てだった。

 

毎日、目紛しく変化して行く2本の稽古は、すっごい大変だった!

 

 

 

 

『テンペスト』より。  

 

プロスペローの平さんと、娘 ミランダの姐さん。

 

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弟の謀略で国を追われた国王が娘に、そのいきさつを語る

 

長ーーーーい シーンが冒頭にあってね。

 

一つ一つの言葉を、丁寧に丁寧に語る 平さんを思い出す。

 

超かっこよくて、こうやって後ろに隠れたら、なんだって守ってくれそうな

 

大きな父だった。

 

 

 

もう一つは、『マクベス』

 

マクベスの平さんと、マクベス夫人の姐さん。(写真、ピンボケですみません)

 

 

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こちらは、夫婦。

 

森鴎外の翻訳は、格調高い独特の台詞回しで、覚えるだけでも

 

至難の技で。

 

プロスペローとマクベス という とんでもない膨大な台詞に

 

平さんはビクともせず、立ち向かっておられた。

 

地位や名誉に溺れていくマクベスの狂気を

 

毎日 私に体当たりでぶつけ、教えてくださった。

 

ケツの青い マクベス夫人(・_・;)を いつも支えて下さった。

 

 

生涯現役で、役者を貫かれた平さん。

 

私は、死の淵でなお

 

。。死ぬという表現は  この様な心境で演じればいいのだな。よし 今度の舞台で活かそう。。

 

などと思っておられたのではないか  そんな事を感じています。

 

最後の夜、お孫さんを抱き ミルクをあげ、大好きなワインを沢山飲まれた

 

ということを知り、『よかった。』って思いました。

 

平さん。一番最高の打ち上げでしたね。

 

 

 

本当に お疲れ様でした。

 

とは言っても、もう天国で 最高の仲間たちと演劇をやっていらっしゃることでしょう。恋の矢

 

 

 

本当に 本当に  ありがとうございました。