肉体的には、開催時間の長さや、同じ姿勢を取りつづけることによる疲労をおぼえるが、この日の精神的疲労の原因は…
【男子・FS】
1 Evan LYSACEK USA 159.60 75.60 84.00 8.40 8.10 8.50 8.55 8.45 0.00
2 Jeremy ABBOTT USA 158.73 82.13 77.60 7.75 7.60 7.75 7.65 8.05 1.00
3 Nobunari ODA JPN 155.71 77.71 78.00 8.05 7.30 8.00 7.85 7.80 0.00
4 Johnny WEIR USA 152.75 77.25 75.50 7.70 7.20 7.70 7.45 7.70 0.00
5 Daisuke TAKAHASHI JPN 134.65 53.25 82.40 8.45 7.90 8.05 8.30 8.50 1.00
6 Tomas VERNER CZE 122.15 52.15 71.00 7.25 6.85 6.95 7.35 7.10 1.00
【男子・最終結果】
1 Evan LYSACEK USA
249.45 2 1
2 Nobunari ODA JPN
243.36 3 3
3 Johnny WEIR USA
237.35 4 4
4 Jeremy ABBOTT USA
235.38 5 2
5 Daisuke TAKAHASHI JPN
224.60 1 5
6 Tomas VERNER CZE
192.32 6 6
Tベルネル選手、最初の4Tは失敗したが、もう1度リベンジして、見事決まり波に乗るかと思ったのだが、後半ジャンプがことごとく抜けてしまった。
Jアボット選手、同じくファーストジャンプは転倒したが、4回転は認められた。その後は動きも滑らかで、フリー2位の素晴らしい演技だった。佐藤有香コーチの満足そうな微笑が、印象的だった。
Jウィアー選手、破綻なくまとまった綺麗な演技だった。強烈な個性で、確固たる路線を歩んでいるようにも思えた。ただ1つ、やっぱりコンビネーションジャンプが、1つ足りなかったのが残念だった。
織田信成選手、4回転は今回も回避したが、冒頭2つのジャンプはきれいだった。途中アクセルが2つパンクしたが、ステップのレベルも取れて、2位。目標だった五輪代表の内定を勝ち取った。
Eライサチェク選手、間近で見ると、その姿と演技の大きさに迫力を感じる。アクセルが1つパンクしたのが残念だったが、それ以外は安定感抜群で、納得のいく優勝だった。
高橋大輔選手、最初の4Tが回転不足で転倒した。それはしょうがないと思ったが…単独の3Aが抜けてしまい、ルッツのコンビネーションが2本とも、セカンドジャンプが予定通りには付けられなかった。そして、何より痛かったのが、スピンのミス。1つ目のミスが響いて、あとの2つがノーカウントになるという痛恨のミスで、得点の多くを失った。たまたま2つ目のスピンを間近なところで見たのだが、戸惑ったような様子で回っていたのが、心に残っている。
11月のNHK杯からの3連戦、疲れてないわけがないと思う。全日本までの3週間、身体も精神も整えて、会心の演技をSP・FSともに揃えるところを、ぜひこの目で目撃したい。
「道」は、まだ続いている―――
追記
届いたばかりの読売新聞朝刊より――
■高橋「織田君おめでとう」
五輪内定争いを演じた織田とも僅差のSP1位発進。高橋は「ファイナルは守る試合ではない。五輪でメダルを取るには当たり前」と、4回転ジャンプに挑んだ。結果は回転不足のうえに転倒。その後もジャンプやスピンでミスが続き5位に沈んだ。それでも、「織田君にはおめでとうと言いたい」と加えることも忘れなかった。
コラム『荒川静香の目』抜粋
「ファイナルではなく五輪での闘いを見据え、あえて4回転を入れてきた高橋選手。ミスは多発したが、収穫は、その影響を表現部分や演技の流れに引きずっていなかったこと。滑れない苦しさを知り、リンクに立つことへの強い思いを味わって、良い意味のハングリーさが生まれたと思う。」