手元に、2つの新聞記事がある。
1つは、2008年11月27日(木曜日)読売新聞朝刊―――
スポーツ欄の1番下の欄、紙面メインの記事よりも一回り小さな活字で…
〔フィギュアスケート〕
◆高橋が手術 右ひざの故障で今季全試合の出場を断念したフィギュアスケートの高橋大輔(関大大学院)が26日、京都府内の病院で手術を受けた。手術は成功で、しばらく入院するという。
たったこれだけの小さな記事だったが、最後の1節が嬉しくて、成功という言葉が心から嬉しくて、滲む目で何度も読み直したのをおぼえている。
あれから1年が過ぎた朝、新聞を買いに、コンビニに走る…
手元にあるもう1つは、2009年11月27日(金曜日)日本経済新聞朝刊、
『バンクーバー 夢の舞台へ Step!Step!Step! 髙橋大輔 』
最初に目に飛び込んできたのは、やはり強い瞳で、前2回とは異なり、
真っ直ぐレンズを見据えている。
左手で顔半分を覆い、右側しか見えない瞳は、片方しか見えないゆえに、より一層強い光を宿しているようにも思われる。
〔理想のダンス 楽しむ〕の大見出しと、「情熱的なのが僕」の文字。
記事の前半は、フィンランディア杯、NHK杯、スケートカナダと、シーズン序盤の3戦を終え、その結果を踏まえての、状態や心の動き、体力面での浮き彫りになった課題、焦りと緊張と集中の中で見えてきたものを、3つの試合の後、あるいはインタビュー映像で、またあるいは記者の目を通じた記事で、少しづつ伝えられてきたことが、高橋大輔選手自身の言葉を追うことで、新たに鮮やかに読む者の心に響いてくる。ブレはない、1歩づつ前に進んでいる。
そして、最後の章がとても印象的だ。
NHK杯後、振付師パスカーレ・カメレンゴ氏の「前はもっと踊っていたよ。もっとダンスして」、という言葉に、
―――「エモーショナルで情熱的なのが、僕だったなって。踊っていれば、単なる技術以上のものが出てくる」。
自由な気持ちで臨みたい。そう思ったスケートカナダでは、フリーの演技前に名前をコールされると、高揚した気持ちがストンと腹底に落ち、いい緊張に変わったという。
「見とけよ」。ただカナダの観客に挑む気持ちだけがわいてきた。―――
数日前、報道ステーションのサイト のインタビューでも、スケートカナダへの課題としてあげていた 「踊り心」。曲を聴いて、それを感じて踊れるようにしたい。そう口にして、自ら掲げた課題を着実に克服していく。本当にブレがない。
そして、1番の課題に「踊り心」をあげる、それでこそ、私たちが応援してやまない、高橋大輔君だ。
記事は、スケートカナダのエキシビションの練習風景のレポで終わっている。
その朝の練習はやけにテンションが高く、身体も軽く、遊び半分で始めたジャンプ練習。
日経の記事からは離れるが、そのエキシビションの日に受けたインタビュー動画を見たので、大輔君の言葉を書き起こしてみようと思う。
「お遊び程度に動いていたら(身体が)動き出したので、ジャンプいっぱい跳んでみて、いろんな跳び方で跳んでみたりとか、お遊びの感じで練習しました」
「今回、遊びの中で跳び方を変えて(4回転を)跳んでみたら、すごく感触が良かったので、ファイナルまでこの跳び方でやってみようかなと思います。たぶん本当に良くなっていくんじゃないかなとは、今日すごく感じました」
「ファイナルでは久しぶりに戦う選手もいますし、本当にトップが揃っているので、そのトップと戦えるという風に楽しんで滑りたいなあと思います。で、まあ結果として、メダルであったり優勝であったりっていうのが付いてくればいいなあと思います」
来週は、代々木で、大輔君の「踊り心」の発露を、この目で見て、
更に進化した演技を楽しみたいと思う![]()
編物教室![]()
27日:柳瀬川教室 基本に立ち返って、かぎ針編みのはぎ・とじの復習。
なぜその糸操作をするのか、編地の構成を観察すれば、
操作の意味も、自ずとわかるはず