全国最年少の町長誕生 幸福度ランク全国1位の町、新人の28歳が当選 不安視されていた地域事情、打開策で幅広い支持 5選を目指した現職を破る




任期満了に伴う埼玉県の鳩山町長選は7日投開票が行われ、いずれも無所属で、新人の自営業の小川知也氏(28)が、5選を目指した現職の小峰孝雄氏(66)、新人の元会社役員の安沢美佳氏(47)、前町議の大賀広史氏(52)を破り、初当選した。全国で最年少の町長となる。

 選挙戦で小川氏は子育て支援、最先端の公共交通システムの構築、質の高い行政サービスなどを公約に「若さと突破力」を強調、幅広い支持を得た。

小峰氏は4期16年にわたる実績を、安沢氏は「鳩山を元気に」と、大賀氏は町の財政再建を訴えたが及ばなかった。

 同町は1955年、亀井と今宿村が合併し「鳩山村」が誕生。74年に住宅団地「鳩山ニュータウン」の入居が始まり人口が増加、82年に町制施行となった。

 その後、95年の1万8011人をピークに町の人口は減少に転じ、6月1日現在は1万2891人。高齢化率は県内で2番目に高い46・89%で、児童生徒数も減少、現在は601人となっている。

 一方で、「街の幸福度ランキング2021」(大東建託)で全国1位となったり、「健康長寿のまち」(県65歳健康寿命1位、介護保険料県内1安いなど)としても知られる。

 町全体の人口の50・7%(6539人)を占める「鳩山ニュータウン」の大半が“第二のふるさと”を求めて都会から移り住んだ町民。鳩山ニュータウン町内会連合の高橋恵美子代表は「最近は、家をリフォームしたり、建て替えたりして、新しく住む若い世代が多くなっている」と話す。

 ニュータウンでは、夫婦や1人暮らしの世帯が多く、空き家も多いとされている。高齢世帯が増加する中で、運転免許返納後の買い物や病院通いなどに必要な交通手段に対する不安の声も上がっていた。

 当日有権者数は1万1549人(男5691人、女5858人)。投票者数は7010人(男3420人、女3590人)。投票率は60・70%(男60・09%、女61・28%)で、2016年の前々回(67・23%)より、6・53ポイント下がった。
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