椙山女学園大付属小(名古屋市千種区)の教諭が昨年9月、いじめを訴えた女子児童の日記に「花マル」をつけて返却した問題で、女児と女児の父親が、学校法人や当時の担任、いじめをしたとされる児童の両親らに対し、精神的苦痛を受けたとして計660万円の損害賠償を求めて名古屋地裁に提訴した。

訴状などによると、当時小学5年だった女児は、同級生から体をたたかれたり蹴られたりし、「汚い」「あっち行け」などと言われた。夏休みの日記に「しね。しんでくださいといわれました」「歴史が好きなだけのただのバカとも言われました」などと書いて学校に提出。その日記に担任は花マルをつけて返却した。


女児はいじめに抵抗するために相手を蹴るなどしたが、学校側は女児や両親に理由を聞き取ることなく、女児に問題があったとして5年生の10月から女児を別室学習とした。女児は不登校となり、現在も児童精神科に通院しているという。

9日記者会見した女児の父親によると、今年4月に6年生に進級し、トラブルがあった児童とは別のクラスになったものの、女児の別室授業の扱いは続いているという。また、学校側は女児を学校行事や集合写真などにも参加させず、勉強の内容に関する質問にも応じていないという。

父親は「勉強を教えず、通知表も持ってこない。最低限、放置はしないでほしい。6年生になって、(相手児童と)クラスも別々になったのに、授業や行事に参加させないのはやり過ぎではないか」と主張した。

学校側は女児がいじめと訴えた問題について、いじめ防止対策推進法の「重大事態」と認定し、第三者委員会を設置している。これに対し、父親は「第三者委で調べているところで、なぜ(娘を)加害者と決めつけるのか」と訴えた。

学校法人椙山女学園は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【道下寛子】

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