【センバツ決定32校一覧】日本航空石川が避難生活の山梨で吉報 21世紀枠は“歴代最東端”別海と田辺








第96回選抜高校野球大会(3月18日開幕・阪神甲子園球場)の選考委員会が26日、大阪・梅田の毎日新聞大阪本社で行われ、出場32校が決定した。

 注目の21世紀枠には別海(北海道・初出場)、田辺(和歌山・76年ぶり3度目)の2校が選出された。また、関東・東京の6校目には中央学院(千葉)が選ばれた。昨春の選抜で山梨県勢初の甲子園優勝を果たした山梨学院は大会連覇を狙う。

 一度は夢をあきらめた。昨秋の北信越大会は4強で、同地区の一般選考枠は「2」。しかし、星稜(石川)が明治神宮大会を優勝したことで1枠が増えた。能登半島地震で学校が甚大な被害を受けた日本航空石川ナインは、集団で避難生活を送る山梨県内の系列校のキャンパスで4年ぶり3度目の選抜出場の知らせを受けた。宝田一慧主将(2年)は前日25日に「選ばれたら被災地の方に勇気と感動を与えたい」と誓っていた。

 今大会から21世紀枠は1枠減の2校選出に変更。別海は春夏通じて初の出場で、歴代最東端の甲子園出場校となる。学校所在地は北海道野付郡別海町。北海道の東に位置し、面積は東京ドーム2万8000個分余りの1317・17平方キロメートル。広大な面積に人口1万4000人余り、それに対して人口の約8倍の牛11万頭余りが飼われている。生乳生産日本一の牛乳だけでなく、ホタテなど漁業も盛んだ。

 選出された32校は以下の通り。( )内は出場回数

【北海道】

・北海 北海道 3年ぶり(14)

【東北3枠】

・青森山田 青森 8年ぶり(3)

・八戸学院光星 青森 5年ぶり(11)

・学法石川 福島 33年ぶり(4)

【関東・東京6枠】

・作新学院 栃木 2年連続(12)

・山梨学院 山梨 3年連続(7)

・高崎健康福祉大高崎 群馬 2年連続(7)

・常総学院 茨城 3年ぶり(11)

・中央学院 千葉 6年ぶり(2)

・関東第一 東京 8年ぶり(7)

【東海3枠】

・豊川 愛知 10年ぶり(2)

・愛工大名電 愛知 12年ぶり(10)

・宇治山田商 三重 16年ぶり(2)

【北信越2枠+神宮大会枠1枠】

・星稜 石川 2年ぶり(16)

・敦賀気比 福井 4年連続(11)

・日本航空石川 石川 4年ぶり(3)

【近畿6枠】

・大阪桐蔭 大阪 5年連続(15)

・京都外大西 京都 18年ぶり(7)

・京都国際 京都 3年ぶり(2)

・耐久 和歌山 初出場

・報徳学園 兵庫 2年連続(23)

・近江 滋賀 2年ぶり(7)

【中国2枠・四国2枠】

・広陵 広島 3年連続(27)

・創志学園 岡山 7年ぶり(4)

・高知 高知 3年連続(21)

・阿南光 徳島 32年ぶり(2)

【九州4枠】

熊本国府 熊本 初出場

・明豊 大分 3年ぶり(6)

・東海大福岡 福岡 7年ぶり(3)

・神村学園 鹿児島 9年ぶり(6)

【21世紀枠2枠】

・別海 北海道 初出場

・田辺 和歌山 76年ぶり(3)

 ▽21世紀枠 甲子園への出場機会を広げるために01年の第73回大会から導入。練習環境などのハンデ克服や地域貢献など戦力以外の要素も加味する。秋季都道府県大会16強(加盟129校以上の場合は32強)以上を条件に、全国9地区から1校ずつ候補校として推薦される。従来は東(北信越、東海以東)、西(近畿以西)から1校ずつ、残り7校から3校目を選出する方式だったが、今春から東西関係なく2校が選ばれた。最高成績は01年・宜野座(沖縄)と09年・利府(宮城)の4強。

 <大会展望> 明治神宮大会を制した星稜(石川)の他にも各地区に優勝を狙える有力校が分散している。東北大会準優勝の八戸学院光星(青森)は昨夏の甲子園で経験を積んだ洗平比呂(2年)、岡本琉奨(2年)のドラフト候補左腕2人が軸。東京王者の関東第一も右腕・坂井遼(2年)、左腕・畠中鉄心(2年)とタイプの異なる好投手2人をそろえた。大阪桐蔭は昨秋、守備力に課題を残したものの長距離砲・ラマル・ギービン・ラタナヤケ(2年)、最速154キロ右腕・平嶋桂知(2年)ら大会No.1の戦力を備える。また、今大会から低反発の新基準金属バットが導入となり本塁打数の減少が予想される。投手の攻め方、打撃スタイル、守備位置など各校の「新基準対策」に注目が集まる。

記事のみお借りしました。