順天堂大学医学部・病理・腫瘍学教授、がん哲学外来理事長の樋野興夫先生のお話しに耳を傾ける機会に恵まれました。
面談する機会にも恵まれ、言葉の処方箋による心のポカポカがずっと持続しています。
患者になるまで気付かなかったのですが、
医療従事者の方々は本当に大切で重要な存在で、
かけられる言葉や態度一つで一喜一憂したりする患者としての弱い自分がいます。
患者へかけられる言葉、表情、向き合って下さる姿で、一気に免疫があがりますよね。
もちろん、逆もあるとは思うのですが。。
昨日は樋野興夫先生の言葉の処方箋で、多くのことを学びました。
来年から生き方を改めてたくなるほど…心がポカポカしています。
免疫、上がりました。
言葉の処方箋…すごいです。大事です。
樋野先生のお話しに耳を傾けながら、走り書きしたメモの一部を綴ります。
・人は最後に「死ぬ」という大切な仕事が残っている。
・人生から期待されている。
・+(プラス)の人は+(プラス)の人のもとへ行きたがる。
+(プラス)の人は−(マイナス)の人のもとへは行きたくない。
自分にとってマイナスになるから。
だけど、−(マイナス)×−(マイナス)は+(プラス)になる。
自分よりも困った人を探しに行きなさい。
・嫌な人間も一緒に集める。
仲良しグループはがん化する。
「糸」という歌があるけど、縦の門と横の門で+(十字・プラス)にすると、頑丈になる。
相異なるものが緊張感のもとに共存する、ということが大切。
・心の通じ合う人と出会うのが、人間の一番の楽しみである。
・順境も逆境もない。自分のことで悩むな。
存在自体に価値があるから、存在に悩んではならない。
自分のことで悩んだら「ほっとけ」だね。
「ほっとけ、ほっとけ」トイレに貼ってるといいね。
・気にすることなく、やり遂げない。
・全力を尽くして、あとのことは心でソッと心配する。
・小さなことに大きな愛を込めて。
・医者は患者の境遇を問うてはならない。
弱い者いじめをしてはいけない。
犯罪者でも治す。
・がんも身内。がんも個性。
がんが単なる個性である社会になること。
・病気であっても病人ではない。
・八方塞がりでも天が開いている。
自分で一歩踏み出す。
・真実というのはゴミの中に輝く。
それは自分で探しに行かないと。
一歩踏み出せば、何かが与えられる。
・島根県の田舎で生まれ育ち、私の小中学校は廃校になって無い。
無医村の様なそんな場所にもメディカルビレッジを…
・30m先から、自分のことにいつも関心をもってくれている人がいるか?
・がん細胞で起こることは、人間社会でも起こること。
・病気になったから出来ること。
・支援者が困っていたら、元気ながん患者が手伝う。
・医学部は対話学に慣れていない。
・あなたはどこにいるのか?
私はここにいる。
・曖昧なことには「分かりません」と答える。
グレーゾーンを確信を持って語る。愛をもって。
「あなたのことを想っている」と相手に伝わる。
・愛知で、がん患者と親ががんであるクラスメートが、中学生の時に3人で、がんカフェを開いたね。誰にでも出来る。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASL3W4PQYL3WOIPE013.html?ref=amp_login
・医療維新とは、患者の全ての必要に備えること。
日本の医療維新はまだ道半ば。
だから、この様なカフェが医療維新の為に何かやった方が良い。
・喋ろうが沈黙であろうが、同じテーブルでお茶を飲んで苦痛にならない人間になる。
「あの人が一人で喋っていたから苦痛になった」とあるが、叫びたくても、黙っていても、苦痛にならない人間になる。
それは習慣だから3日続けたらなれる。
・小学校へ行くと必ず小学生に「先生の夢は?」と聞かれる。
「(先人たちと)天国でカフェを開くこと」と答えている。
・歯を食いしばって人を褒める。
嫌な人間が一杯いても、歯を食いしばって人を褒める。
・正論より配慮。
相手が間違っていても認める。
・人の競争とか人のことで悩むと疲れるよ。
人が文句を言ってきた時にそれを一気に受けると疲れるよ。
人間の悩みは殆ど人との比較・競争で悩んでいる。
譲るだけ人に譲ると暇になる。
「暇=日間」というのは、お日様の「日」、太陽の光が間に差し込む。
だから、譲るだけ譲ると暇になる=太陽の光が差し込む。
尊厳に触れるとはそういうこと。
・扉を開くと別世界がある、これががん哲学外来。
みなさんも扉を開く出会いが大切。
まだまだ沢山お話しを聞いたのですが、書ききれていません。
言葉の処方箋。
患者を始め、人の命の為に日々労苦されている医療従事者の方や皆様一人一人に
一言でも、沢山でも、降り注がれますように。
言葉の処方箋…大切だし、効果ばつぐんです。
一言でも心を貫くほどの力を持っています。
癌告知も崩れ落ちるほど心を貫くのですが、
心を助けたり、気付かせたり、支えたりする言葉も沢山あります。
お友達のがん患者さんが、長く苦しい抗がん剤治療が終わりに差し掛かった頃、
主治医の先生に、
「がんばったね。」
と言葉をかけてもらったことが、本当に嬉しかった…と感極まり、涙を流されていました。
主治医の先生の一言が心を貫く(染み渡る)ほど、抗がん剤治療期間は辛かったのだと思いますが、
言葉の処方箋…一言でも治療の支えになります。
力になります。
病気や身体は辛くても、
「がんばったね」
を励みに、次の検査・診察日まで心にあたたかさが灯り続けます。
同じ主治医の先生の友への一言…有り難かったです。
そして、患者さんの医療従事者の方々への一言も大きいですよね。
患者も医療者の為に祈る必要があると思います。
患者や患者御家族からの「ありがとう」の一言がどれほど大きいか…。
ブログ「患者さんの死、辛くないですか?」でも少し綴りました。
言葉の処方箋…週末、そして、来週一週間、
私たち患者と共に、医療従事者の方、皆さま、お一人お一人のもとへ…。
大切です。
どうか日常を支えて下さい。
[追記]
12月、M病院で半年に一度のPETと診察があります。
M病院での検査や診察と同時期に、
患者として会員になっている日本肉腫学会の総会が開かれます。
今日、日本肉腫学会のプログラムを見たら、
樋野興夫先生が「患者・家族のシンポジウム」の中でお話をされるのですね。
M病院の診察の日の夜に開かれる樋野先生の新刊「楕円形のこころ」出版記念講演会には参加する予定でしたが、
東京滞在中、二度、樋野興夫先生のお話に耳を傾けることが出来そうです。
今年6月のM病院受診の時に指定された12月のPETの日に、偶然、良い時が持てることを感謝します。
先ずは、PETで再発や転移がないことを祈り、
再来週の東京での検査に備えたいと思います🙏
検査ドキドキ…もう緊張して深呼吸を繰り返しています💦
●2018年12月12日(水) 13日(木)
日本肉腫学会・日本臨床肉腫学会 合同年次総会 プログラム
http://jsa-jscs.or.jp/sk2018/images/PDF/program2018.pdf
●一般社団法人「がん哲学外来」
http://www.gantetsugaku.org/
HPより
『多くの人は、自分自身または家族など身近な人ががんにかかったときに初めて死というものを意識し、
それと同時に、自分がこれまでいかに生きてきたか、これからどう生きるべきか、死ぬまでに何をなすべきかを真剣に考えます。
一方、医療現場は患者の治療をすることに手いっぱいで、患者やその家族の精神的苦痛まで軽減させることはできないのが現状です。
…
「がんであっても尊厳をもって人生を生き切ることのできる社会」の実現を目指し、
より多くのがん患者が、垣根を越えた様々な方との対話により、「病気であっても、病人ではない」という、安心した人生を送れるように、
私たちは寄り添っていきたいと思っています。』
●樋野興夫先生の書籍
http://www.gantetsugaku.org/books.php
●文春オンライン「樋野興夫医師・インタビュー」
①http://bunshun.jp/articles/-/5100
②http://bunshun.jp/articles/-/5101
③http://bunshun.jp/articles/-/5102