武田さんかな? | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

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店の名前から、武ではじまる苗字の方がオーナーなのかなと思っていたが、苗字ではなく名前が武で始まる方がオーナーだった。

これは9月15日のことなのだが、あまりにも美味しかったので、また昨日も行ってしまった。

その話はまた次回。

 

このお店は樽酒があるのが嬉しい。

というか、日本酒は樽酒しか置いていない。

最近、樽酒の旨さが分かるようになってきた。

昔は、酒場のカウンターで

「やっぱり樽酒は旨いなあ。うーん芳醇。」

なんて通ぶる客を、

「樽も瓶もパックもそう変わらねえだろう、どうせ、「樽酒です。」って言われて出されれば、それが実はパック酒であっても、気づかず旨い旨いと飲んでるんだよ。」

などと心の中で小馬鹿にしていたのだが、まったくもって、ごめんなさいだ。

馬鹿は俺のほうだった。

とりわけ、ここの樽酒は特に美味しい。

焼き鳥にも、とても合う。

おかげで、ずいぶんと、飲みすぎてしまった。

樽酒は徳利に注がれて出されるのだが、徳利の縁ぎりぎりまで注がれている。

最初、徳利からお猪口に次ぐとき、手が震え、何滴か樽酒をテーブルに零してしまった。

実にもったいない。

それであの方法を思い出した。

ストローだ。

幸い、俺のポケットには常に延長式の小さいストローが数本常備されている。

毎朝、ラブレという乳酸菌飲料を飲むことにしているのだが、それに付属しているものだ。

ラブレは、蓋を剥がし、ストローは使わず、直に口付けで飲む。

飲み終えると、容器からストローを外し、容器は捨て、残ったストローをポケットに入れる。

ストローは毎日使うわけではないから、溜まっていく一方だ。

だから、俺のポケットにはいつも何本かのストローが入っているのだ。

一本目が空き、二本目を頼んだ時は、ポケットからストローを取り出し、徳利の縁ぎりぎりまで注がれた樽酒をストローで啜った。こうして、お猪口の注ぎ口に空間を作れば、次にお猪口に注ぐときに零さずに済む。

一連の様子を見ていたのか、店の女将が、俺と目が合い、クスクス笑った。

「いやあ、零すのもったいなくてね。」

俺もつられて、照れ笑い。