車乗るなら口車 | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

この日はマリイ(妻)の誕生日でもあり、俺としては随分と奮発して、スッポンを食べに行った。

スッポン料理屋、都内にいくつもあるとは思うが、俺は代々木上原にあるすっぽん料理屋が一番気に入っている。

というか、一度谷中のすっぽん料理屋に伺ったことを除けば、そこしか訪れたことがないというのが実際だ。

代々木八幡に住んでいたころからだから、もう付き合いは30年に及ぶ。

スッポン料理以外も扱っていて、最初の頃は鮟鱇鍋やら河豚鍋やらを注文していたのだが、店のオヤジさんから、

「河豚や鮟鱇もいいけど、うちはやっぱりスッポンだから!次回はスッポン食べてみて!」

と、帰り際に、威勢のいい声で教えられて以来、ここではずっとスッポンで通している。

しかし、思えば伺うのは一年ぶりくらいだった。

その間マリイは女子会と称して、友達となんどか利用していたらしいが・・・

「オマイさんの顔、アタシが繋いでおいてやったよ!」

ということらしい。

ま、いっか。

というわけで、この日は久々のスッポン料理を食べに行った。

生き血にはじまり、スッポン刺身、スッポン鍋、おじやにお新香で終わるすっぽん一匹コースだ。

 

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通常は、スッポン料理のコースしか頼まないのだが、この日は妻の誕生日という事もあって、鱧刺しに鱧天も追加した。

もしかしたら、それにオヤジさん、気を良くされたのか?

 

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食事を終えて、帰ろうとする我々をオヤジさんはわざわざ玄関まで出てきて見送ってくれながら言ったのだ。

「いっつもスッポン頼まれるけどさ、ウチ、鱧も始めたから!鱧、いいよぉ!今度は鱧鍋食べてみて。」

 

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店の前には、鱧と大きく書かれた看板が、すっぽんの看板に並んで立っていた。

鱧の看板、俺の記憶が正しければ、以前は存在しなかった。

どうやら、オヤジさん、本気で鱧に取り組みはじめたらしい。

 

よし、次回は、鱧鍋頼んでみるか!

いつになるかわからないけど。

 

自分で言うのもなんだけど、ホント、俺は口車に乗りやすい。