でんちゅう | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

それは12月の或る日曜日の夕方で、俺はある会に参加するため新橋に行く必要があった。

新橋、随分と久しぶりだった。

今の職場に変わる前は、仕事帰りに時々寄り道していたものだった。

そこそこに俺好みの店が存在した。

「日曜だけど、あの店やってるのかな?」

しかし、インターネットで調べた限り、俺が知っている好みの店はどこも日曜、祝日はお休みとのことだった。

だが、まあ、そこはオヤジ天国の新橋だし、日曜も営業している居酒屋は、何軒か存在するだろう。

夕方になると、未だ、会には早い時間であったが、俺は家をでると新橋に向かった。

新橋に到着したものの、開会の時間まではまだ1時間以上あった。

会が始まるまで、新橋で一人飲むことを前提に家を出てきているのだから当たり前だ。

さて、どうしようか?

会の会場は新橋とはいっても、俺がかつて飲み歩いていた虎ノ門側とは反対の汐留側にあった。

生憎、俺は汐留側には明るくない。

しかし、だからといって、比較的慣れた、線路の向こう側を彷徨い店探しをするのは、時間的空間的に危険に思えた。

今までの経験上、こういう状況において、俺は計画的に事が運んだ試しが無いのだ。

10分もあれば余裕で間に合うはずが、会場に辿り着くのに30分も迷うことになったりする。

そうなのだ、俺は極度の、輪をかけた方向音痴なのだ。

俺は、新橋駅をでると、未開の地、汐留方面へと向かっていった。

そして、それからすぐに、その店に出くわしたのだった。

東京都内いたるところに、まるで電柱のごとくに目にするチェーン店ではあったが、俺はその店を嫌いではなかった。

安くて、旨くて、結構早い。

お一人様用のカウンターも用意されている。

酒もそこそこ揃っている。

チンチロリンで、勝てば一杯ハイボール無料と、ギャンブル魂も擽られる。

「よし、ここにきまりだ。」

俺は頷くと店の中へと入っていった。

 

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一寸のつもりが、がっつりやってしまった。

しかし、安心してほしい。

会にはしっかり間に合った。

方向間違えて、はじめ電通ビルに行ってしまったことはここだけの話でお願いしたい。