あれは3年前 つい先日来たばかりだと思っていたが、もう3年も前のことだった。 時が経つのは早い。 帰り、 「近道して帰ろうぜ。」 と、把握していたはずの富ヶ谷の住宅街の近道を使って帰ったのだが、3年の月日がそれを忘れさせたのか、逆に迷ってしまい、家に着くのがすっかり遅くなってしまった。 「普通に井の頭通りから山手通り通って来た方が早かったんじゃね?」 マリイが、額の汗をぬぐいながらそう呟いた。