Come back again! | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

 

羽田空港では、ここのところ、さっさと搭乗手続きをしてしまい、搭乗までの時間をゲート内の立ち食い寿司屋で過ごすことにしている。しかし、同じようなことを考える人は多いのか、この日は生憎カウンターが満席で、仕方なく、いくつかの握りずしを先にまとめて注文し、それらを大皿に盛ってもらい、テイクアウトして、隣接しているテーブル席で食べるという次第になった。

テーブル席はその辺の飲食店共有のものだから、他の店で購入してきたお蕎麦やら、弁当屋やら、味噌汁やらを一緒に食べることも可能だ。もちろんお酒も寿司屋から購入したものでなくても飲むことができる。

そういう意味ではこっちのほうが安上がりってわけなのだが、しかし、お好みで、好き勝手頼めないっていうのは、テンションが下がる。

これでは、スーパーの出来合いの握り寿司セットを持ち込んで食ってるのと変わりないではないか。

やっぱり寿司はカウンターに限るな。

なんて思っていたら、いつの間にかカウンターに空きができていた。

俺はさっさと皿の寿司を平らげると、改めてカウンターに移った。

さっき注文をとって握ってくれた板前さんが、再び現れた俺を見て、やや驚いたように言った。

「お、また来たかい!」

「やっぱ、カウンターじゃないとね。」

俺はそういうと、仕切り直しに新たな日本酒を注文した。そして間をおかずに気になる寿司も注文した。

「あと、いくらと春子と赤貝ね!」

「あいよ、いくら、春子、赤貝!」

こっちも間をおかず、復唱の声が返ってきた。

 

しかし、覚悟はしていたことだが、カウンターは思った以上に高くついた。

なんだかんだテイクアウトの二倍以上の金を支払っていた。

日本酒はもとより、寿司以外の珍味やら煮物なども頼んでしまっていたのも値を跳ねあがらせた。

ま、たまにはいいじゃないか。

告げられたままの金額を支払い、去ろうとする俺の背中に板前さんの元気な声が追い掛けて来た。

「また来いや!」

 

という話は、店の名前から思いついた話ですので、話半分以下でお願いしますね。

 

ではまた。