羽田に着いたものの、出航まではまだ時間があった。
「何か食べようよ、私、朝から何も食べてない。」
と妻が言う。
時間は午後1時を過ぎたばかり、出航は午後2時半過ぎだ。軽く食べて飲むぶんには申し分なかった。
「それじゃ、レストラン街へ行ってみるか。」
我々は、レストラン街へと続くエスカレーターを登って行った。
レストラン街には様々な飲食店が存在した。
しかし、店を十分に吟味している時間は生憎なかった。
我々は目に着いた寿司屋に入ることにした。
ちょうど店頭にランチメニューの一例が出ていて、それによると寿司握りセットが、1600円ほどでいただけるらしいのだ。
1600円で握り7貫に巻物6個、ちょいと高い気もするが、ここが空港と言うことを踏まえれば妥当な値段かもしれなかった。
悪くない。
俺が愛してやまない、回る寿司屋は、どうやら違うターミナルにあるのか、見当たらない。
我々は、そこに入ることにした。
日本酒を頼み、例の握りのセットをお願いする。
しかし、実際目の当たりにしてみると、そのセットというのは、あまりにもしょぼかった。
回る寿司屋で回っていても絶対に手を出さないようなネタばかりが揃ってた。
これはちょっといただけない。
結局我々は好きなネタをお願いしていた。
お酒も予想以上に進んでしまった。
最後、会計をお願いすると、1600円の10倍を超えていた。