誘いのメールには「つう風」と書かれていた。
「今夜、つう風料理を食べに行くのだけれどよかったらどう?」
京風やら、大阪風やら、広島風やらはよく聞くが、つう風とはこれ如何なるものなのか?
大体、一体、つうってどこだ?
ネットで「つう」を検索すると、まっ先に出てきたのが「つうと言えばかあ」の「つう」だった。
互いに気心が知れていて、ほんのわずかな言葉からでもその内容を理解できることを、「つう」、と言うらしい。
なるほど、確かに、例えば、一口飲んだだけで、「お、これはエルビーのジャスミン茶だね。」と当ててしまうような人に対して「つうだねえ。」と言うような話はよく耳にする話だ。
あの「つう」はそう言った意味合いだったのか。
てっきり俺は物事に精通している人をそう呼ぶものだとばかり思っていた。
ということは、つう風料理、店主と客とがに互いに気心が知れていて、なにもリクエストしなくてもアイコンタクトだけで、望みの料理をドンピシャで作ってくれる店の料理の事なのだろう。いや、そうに違いない。
楽しそうだ。
俺は、返信メールに、「OKです!」と打ち込むと、それをすかさず送信した。
翌日、足の親指の付け根に「げきつう」が走った。
意味わかった方
僕と「つうかあ」の仲になれそうです。
ではまた。