トクに御注意あれ。 | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

トッピングの野菜は大盛り、特盛り、山盛りとあって、どれを選んでも値段は一緒だという。
「一番量が多いのは?」
と訊ねた俺に、注文を取りに来てくれた店の若い女の子は「山盛り」と告げた。
勝手に、山盛り、大盛り、特盛りの順で量が多くなっていくのだろうと思い込んでいた俺にはそれは意外なことに思えた。
しかし、良くあることではあった。
電車なんかでも、特 快、急 普とみたら、なんとなく特が一番早いんじゃないかと思いがちだが、実際は快が一番早かったりする。
しかし、それがわかるのは、折角ホームで目の前にいた快を乗り過ごし、わざわざ次にやってくる特を待ち、漸く特に乗り込み、「よし、これで後はスイスイ、ノンストップ♪」とほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、車内のスピーカーから、
「次の駅で、快速特急の通過待ちをいたします。」
というアナウンスが流れてきてはじめて、なのだ。
「ええ?特が一番早いんじゃねえのかよ?快って快速特急のこと?!聞いてねえよ。」
たしかに特急と、快速特急となら、それは快速特急のほうが早そうだ。
だったら、最初から略さずそう書けよ!とあらためて見た天井近くに張られた路線図には、それまでは気付かなかったが快だけではなく快のあとに特の字が記され、つまり「快特」と書かれていたりするのだ。
快特を快速と見誤っていたのは確かにこちらに非があるが、しかし、特急>快速が常識のKO線(仮)に慣れ親しんだ者にとっては、紛らわしいったらありゃしない。
「快は快速特急のことで、一番早いのが快特です。」って大きく目立つように、それこそ、猿でも解るように書いとくってのが親切、礼儀ってものじゃないか!って洒落にもならねえ・・・
話が逸れたが、兎に角、それを知ったときにはすでに後の祭り。
次の駅で停車した特の車内に立ち尽くしながら、窓ガラスの向こうを勢いよく通り過ぎていく快を見つめ、「ああ、最初に、ホームで駅員にどれが一番早いのか聞いておくべきだった。」と後悔しながら、無駄な時間を過ごすことになるのだ。
そういう意味では、今回の俺は正しかった。
店員に訊かずに勝手な判断で選択していたら、もしかしたら一番少量の野菜盛りがトッピングされていたかも知れなかったのだ。
俺は、迷わずに女の子に告げた。
「山盛りで!」

しかし、知らなかったな・・・
山盛り、ここまで量が多いとは。
すっかり店を侮っており、麺も100円増しで大盛りにしてしまったのも災いした。
すり鉢か!というくらい大きな器に入ったラーメンと、その上には乗せ切れないからと、別の器(これも普通サイズのラーメン丼くらいある。)にたっぷりと入れられた野菜の山を目の当たりにした時には、俺は食べる前から、すでに腹がいっぱいになったように感じた。
言い方を変えると、すっかり怖気づいた。
「食えるのか、俺?!」







え、結果?

ご想像にお任せします。





p.s.残して、ごめん。