5890 | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

家を出たのは昼前であったが、甲府の駅に降り立ったときにはすでに午後の一時を過ぎていた。
「オマイさん、お腹すいたよ。」
隣でマリイがそういって俺の袖を引く。
なんだか、こんな光景どっかで見た気がするな、と軽い既視感を覚えたが、前回甲府を訪れたときも同じ事をやっていた。
電車の中、俺はビールのみつつ来たっていうのに、マリイは、甲府に着いたら美味しいもの食べるから、と、なにも飲まず食わずに来たっていう状況まで前回と同じだった。
「また、あの甲州牛の店行こうか?」
そういう俺を彼女は否定しなかった。
去年の9月に甲府を訪れたとき、偶然見つけて入ったお店が、幸運にも当たりで美味しかったのだ。
しかし、早速、記憶を頼りに店へ向かった我々を待ち構えていたものは、扉を閉ざした人影のない店だった。
そして俺は今日が日曜であったことを思い出した。
改めてあたりを見渡すと、その店に限らず、多くの飲食店が暖簾をしまっていた。
困った、また振り出しに戻ってしまった。
「どうすんのさ?」
隣で、マリイがまるで店が休みなのは俺のせいだといわんばかりの非難めいた目で俺を睨む。
「そうさのう・・・」
俺は過去の記憶をひっぱりだす。
一本向こうの裏通りに、たしか飲み屋街があったはずだが、でも店が開くのは夜になってからだろう。
駅前のほうとう屋ってのも、悪くは無いが、あそこは帰りに立ち寄りたい。
かといって牛丼やらハンバーガーっていうのも、なにしに甲府くんだりまで来たんだって話だ。
久留米とんこつラーメンの幟が見えるが、例え美味しいにしても、なんか違う気がする。
他、なにか甲府っぽいもの・・・・
というところで、俺は「!」となった。
(関係ないが「!」の正確な読み方、exclamation markっていうって知ってた?)
そうだった、たしか駅前の裏通り、気になった店があったじゃないか!
よし、あそこだ。
まだ一時半前。
大丈夫まだ営業しているはずだ。
俺は、マリイの手をひくと店へと足を急がせた。

で、どこに向かったかって言うと・・・





















なぎうーでした。
この店名物の、鰻の吉田味噌焼きってのがあって、千切りの胡瓜と一緒に食べるのだけど、コレが意外な美味しさだったのでした。
もちろん普通の鰻も美味しい!
この店で鰻食べるためだけに甲府に来るのもアリ!って思わせるお店でした。

それから5890ってなに?
っていう質問の答えだけど、写真のどこかに隠れているので、どうぞご自身で見つけてくださいね。
ヒント:鰻重の蓋だよん。

ではまた。