ゆかたでやかた | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

花火に誘った俺にゆたかは言った。
「花火もいいけど、アタシ人ごみは嫌いなの。それよりどう?夏の夕暮れ、船に揺られてのんびりもんじゃとか?」
なんでも、もんじゃ食べ放題、ドリンク(アルコール類含む)呑み放題の屋形船が新木場あたりから出てるらしい。
「別にがつがつ飲み食いする必要はないの。ただ船に揺られて、海風を感じながら、暮れていく外の景色眺めて、時々ビール飲んでもんじゃつついて・・・気分いいわよ。」
そういわれると、人掻き分けて、我先にといい場所確保して、蒸し暑い中、打ちあがる花火に欣喜雀躍している場合じゃなく思えた。
そして極めつけの言葉がこれだった。
「アタシの浴衣姿も見れるわよ。」
「屋形にする!」
俺は即答していた。

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

ゆたかが言うには、「のんびり船に揺られて、海風を感じながら、暮れていく外の景色眺めて、時々ビール飲んでもんじゃつついて・・・」とのことだったが、実際は、やや狭い船内、乗客皆寄り添って狭いテーブル囲み、爽やかな海風はおろか、照り付ける西日、ひたすら内輪を煽ぎつつ、各自個人で作成のもんじゃ作りに熱中し、外の風景眺めてる場合じゃなく、呑み放題といっても缶ビール缶チューハイだけ、がつがつしなくていい話が、もんじゃ飽き足らず、焼きそば、お好み焼き、果てはクレープ、粉物三昧・・・なんとも想像とは違ったが、それでもやっぱり、ゆたかの浴衣姿は可憐でよかった。それからやっぱり夕日は綺麗だった。

「ゆたかと浴衣で屋形来て良かた!」

蒼く暮れ行く海を眺めそう言って笑う俺に彼女も笑顔になると言った。
「来年もまた来る?」
そうだなあ・・・とちょいともったいぶって躊躇して見せる俺に拳をぐっと突き出し見据えると彼女は言った。

さてと、今夜はどこ行く?

「ユガタチャンス!・・・だよ。」
それからにっこりとした満面の笑みをみせた。

遠くで花火がパーンと上がった。




って話は、ゆたかとゆかたとやかたとよかたとゆがたを使ってみたかっただけの俺のまったくの作り話です。あしからず。