賛否両論 | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

今思えば、確かにそこには小さくではあったが、注意書きがあった。
「これらの口コミは、ユーザーがお食事された当時の内容に基づく主観的なご意見・ご感想です。あくまでも一つの参考としてご活用ください。」

俺は焦っていた。
お気に入りだった、東京痺れる会でもトップで、会長も一押しだったアレの店が、以前ほど美味しくなくなってしまった、手っとり早く言えば、まずくなったと耳にしたからだ。
東京痺れる会の一員としては、早急にあの店に変わる痺れるアレを出す店を探しあてる必要があった。
そんな俺の目に止まったのが、某グルメサイトだった。
多くのユーザーが、こぞって、その店のアレを絶讃していた。
もちろん酷評してるユーザーもいないわけではなかったが・・・
何人かはいるものだ。
どうしても人を誉めることが出来ない、相手を貶すことで自分を崇めた気になっている者が。
俺の経験上、たいていそういった意見は無視するに限る。
俺は、早速その店にアレを確認に行くことにした。

池袋の東口ってのはあまり縁がない。
例のグルメサイトで、店の場所は把握してきたつもりだったが、実際降り立ってみると、もうどちらが北でどちらが南かも分からなくなっていた。
そう俺は極度の恩地奉公※1なのだ。
そのくせ、見栄っぱりのエエ格好しいで、なかなか人に道を訊ねられない。
自分の勘を信じて、北上したつもりが、南下しているなんてことはしょっちゅうだ。そして結局二進も三進もいかなくなり、人に道を訊ねた時は目的地から、もう歩いて向かう気力はなくなるほど遠離っていたことを知るのである。

確か東口を背にして、右側の方角に店はあったはずだ。
「右側、右側・・・」
俺はそう呟きながら、手でペンをもつ仕種をする。
実の所、俺は自分の左右さえ時として危うくなる。
ペンを持つ手が、俺の右手だという認識が無くなってしまえば、俺はどちらが右かも分からなくなってしまうに違いない。
ペンを持つ側の手を確認し、そちらに向かおうと振り向いた時だった。
「ちょいと、オマイさん。こんなところでなにやってるのさ!」
そう声が、背後からかかった。
なんか、前にもこんな事なかったっけ?
既視感にも似た思いで振り返ると、そこには・・・・

続きは、御盆明けあたり。

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

結論から言えば、全然痺れなかったのでありました。
でも、けっして美味しくないわけではありません。
サビ濃いめの寿司を好きな人が、どんな美味しいネタでもサビ無しで出されると、あまり満足できないような、そんな感じ。

やっぱり、あそこしかない。

もしかしたら復活してるかもしれないし・・・
我々は西口へと向かったのであった。

つづく。

※1方向音痴の隠語です。