あの角は・・・ | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

想像していた角のお蕎麦屋さんは、屋号こそ同じではあれ、違ったものだった。

「交叉点の角にお蕎麦屋さんがあって、お店の名前は存じてはいるのだけれど勝手ながら「角のお蕎麦屋さん」と呼ばせて貰っている。」
そんな風に彼女は綴っていた。
一杯のお蕎麦でも出前してくれる、優しいお店で、だけど、食べ終わったその器は、犬の散歩の際、お店に直接届けることにしている、と文章は続いていた。

明け方早い時間、彼女は犬と一緒に、散歩に出向く。片手にはお蕎麦の器。
交叉点の角に差し掛かると、もう辺りは鰹節の良い香りに包まれている。
「おはようございます。」
戸口の隙間から、そう顔を覗かせると、いつもの店の御主人が、真剣な趣で大きな鍋に向かっている。
ふと、戸口から顔を覗かせた彼女に気付くとにっこりとした笑顔になり、
「あらら、気付きませんで・・・おはようございます。」
と、顔をほころばせる。
「これ、ご馳走様でした。」
そういって、袋から器を差しだす彼女に、
「わざわざ宜しいのに。ウチのモンに取りに行かせましたのに・・・」
そう言いながらも、御主人は嬉しそうな笑みを見せる。
足下で、犬がクゥーンと鳴く。

俺は彼女の文章を読んで、そんな朝の一場面が目に浮かんだ。
それから、どこのお蕎麦屋さんなのかな、と近所の蕎麦屋を思い浮かべる。
駒場野公園の辺りも散歩していると以前に書かれていたから、そうなると、あそこの角のお蕎麦屋さんかな?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

そんな彼女のお薦めの中華料理屋さんで、美味しい料理を頂け、「あの角」がどこかもわかって、とても嬉しく感謝している。
思い浮かべていた角とは、ちょいと違っていたかもしれないけれど。