勉強王 | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

終業時刻より15分ほど早めに職場を脱出したのが祟ったのか、マンションに戻ると、あろうことか立体駐車場が故障していた。
家に着いたというのに、車を車庫にしまえない。
駐車場の操作板に貼られた貼り紙は、修理業者が夜の7時を過ぎないと到着しないことを示していた。
俺は腕時計を見る。
夜の7時まで、あと30分近くあった。

なぜ俺が今日に限って早めに職場から逃げだして帰宅したか?
それは、先日はじめて伺った酒場に、今夜、妻も連れて行ってみようと計画していたからだ。
予約の出来ない酒場で、早めに訪れないと、店に入れない可能性があった。
たった一度の経験で全てを知ったつもりになり、判断してしまうのはどうかと思うが、少なくともこの前伺った時は、夜の7時に伺った我々は店に入れたが、夜の8時に「一人だけど入れます?」と店を覗いた客は、「ごめんね、もういっぱいなの。」と店を切り盛りするお姉さんの一人に断られていた。
7時迄に行けば、大丈夫だろう。
俺はそう判断した。
家から店まで電車ならば30分。タクシーを使えば15分くらいだろう。
電車にするかタクシーにするかは、その時の状況で判断するにして、店に7時までに到着となると6時半には家に到着しておきたかった。
俺は終業時刻になるよりも早く、職場をそっと抜けだすと、車に乗って、帰途へ着いた。
渋滞に一時は巻きこまれたものの、それは想定内、俺はほぼ予定通りに帰宅し、マンションの地下駐車場に車を入れたのだ。
それが、自分の立体駐車場の操作パネルの前に行くと、故障中。
すべては計画通りに進んでいたというのに、こんな仕打ちが待っていたとは!
仮に7時まで修理業者が来るのを待っていたとして、彼等が到着したからといって、すぐに車を車庫に入れられるとは思えなかった。
修理にかかる時間もあるし、今の所、俺一人だが、その内、続々と他の住人の車達も戻って来て、立体駐車場前の狭い共同スペースを埋めつくすことになるだろう。
修理が終わったところで、車庫入れの順番待ちも考えなくてはならない。
必ずしも早くから待っていた者が最初になるとは限らないのが立体駐車場だ。
そんなの待っていたら8時、9時になってしまう。
仕方ない・・・
俺は意を決した。
再び車に乗ると、近所のコインパーキングに向かった。
幸い、コインパーキングは空いていた。
15分100円、深夜10時から早朝6時までは1時間100円。
酒を呑むから翌朝までは駐めっぱなしだ。
俺はカチカチ頭の中の電卓を叩きはじめる。
せいぜい2000円。
早朝6時前に取りに戻れば、それくらいの出費で済む。
自分が悪いわけでもないのに、そんな不必要な出費をさせられるのも腹が立つが背に腹はかえられない。
車をコインパーキングに駐めると、俺はマンションに駆け戻り、妻を連れてマンションを出て、タクシーを停めると、行き先を告げた。

そして向かったのは・・・・

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食事代より、往復のタクシー代+コインパーキング代のほうが高かったという・・・
後で知ったが、業者は7時前について、修理はものの5分で終わったという・・・
この日、店では8時過ぎに訪れたお客さんも、全然余裕で入れたという・・・

イラチは損やで!

と言われても文句はいえぬが、俺は、まったく後悔なんてしてないさ。
そこまでしても行きたかったお店。
妻も満足してくれて、終わりよければすべてよし。
なにより、次の日、職場に一番乗り。

ああ、日々是好日。