山本屋本店@名古屋 | さてと、今夜はどこ行く?

さてと、今夜はどこ行く?

酒場であったあんなこと、こんなこと。そんなことを書いてます。ほとんど、妄想、作話ですが。

一夜明けて翌朝。



しかし、食欲もなけりゃ、呑欲だって無い。



熱いシャワーとか浴びてみたものの、たいして意味はない。



うーん、これが所謂二日酔いってやつね!



なんて笑っている場合じゃない。



だけど困った。


呑み歩き続ける元気がない。



とりあえず薬局で肝機能促進剤を謳うドリンク剤なんて飲んでみたものの・・・



あれ?





あれれれ?





病は気からとはよく言ったもんで、外の寒さも身を引き締めたのか、ドリンク飲んで歩きまわっているうちに、ずいぶんと楽になってきたような。



なんだかお腹も減ってきた。



「そういう時は、うどんよ!」



へえ、そうかい。



理屈が今一つだったが、まあ妻がそういうのだから間違いあるめえ。



と、連れてこられたのが・・・




本店のほうは来たこと無かったでしょ?



そういや、前に名古屋に来た時に伺ったのは総本家のほうだった。



ちなみに本店と総本家何の繋がりもありません。



偶然同じ苗字の方がはじめた別々のうどん屋さん。



ところで、名古屋って「山本さん」多くないっすか?



気のせいか?



いずれにせよ、今回は山本屋本店。






妻曰く、本店の方がお得♪



つまり、






御新香はおかわり自由。


頼まなくてもお店の方から、大きな器に入った御新香をもって各席をまわり


「おかわりいかがですか?」


と、訊ねて回るサービスのよさ。






ついつい魔法の泡にも手が出てしまうってモノ。



さらにっ!






たまごもオプションではなく、最初から搭載されている気前の良さ♪



今回は期間限定の牡蠣とコーチン入りの味噌煮込みうどんを選択したが、サンプルの写真だと牡蠣が満載。



でも、実際はたいしたことないんだろうと高をくくっていたのだが・・・






ごめん。



信じないで悪かった。



大きな牡蠣がゴロゴロ。



もう無くなっただろうと底を漁れば、まだいたの!状態。



味噌煮込みうどんのくせに3000円近く取るなんて、どういうことよ!と思わないでもなかったのだが、




再び、ごめん。



その御値段、納得です。



だって、牡蠣だけじゃないんです。






こんな身の絞まったジューシーなコーチン肉まで、わんさか!







もちろん硬めのうどんも旨い。









そして、さり気なくのせられたコイツが、俺を狂わせる。




だめぇ、まだぁ、だめぇ。慌てないで。もうちょっと後で・・・



当初は素直にそんなはぐらかしの文句を聞いていた彼であったが、とうとうその我慢も限界に達した。



タマゴ、俺、もう我慢できないよ。



そう叫ぶや否や、



いやっ、なにするの、まだ駄目だったら!



と、嫌よ嫌よをするタマゴを無理矢理抑え付け、彼はその尖った先端をタマゴの大切な膜に押し当てた。






プスッという音を彼が感じるのと、タマゴの諦めの中にもどこか恍惚さをしのばせる熱いため息を聞いたのは同時だった。



さっきまでとはうってかわってねっとりと生々しい妖艶さをたたえたタマゴが、熱いうどんの上に横たわる。自らの内部から溢れでる黄金の拡がりを隠すことも厭わずに。



もういいわ、どうにでもして。



欲望に駆られるまま、彼はトロリと艶めかしさを増したその黄金の液体をうどんにからめつつ、無我夢中で貪った。







タマゴよ、あの時俺がキミを奪ったのはけっして間違いじゃなかった。あれ以上キミを放っておいたら、たぶんにキミはカチカチのババアになっていたに違いない。いい時期に弾けたんだよ、キミは!



ふふふっ、馬鹿ね。慌てん坊さん!




な、なに???




まだ早いって言ったじゃない。


出来ればこちらの上にあなたにそっと運ばれたかったわ。


それからじっくりと私だけを味わって欲しかった。


でも、もういいの。


あなたがアレで満足だったのなら・・・





こちら?



の上?





な、なにーーーーーーーぃ!!!






ああーーーーその手があったかぁぁぁーーー



そういえば「あの御方
」もやられていた!!!



ううううっ俺のバカー




口惜しがる彼が出来ることといったら、こうすることだけだった。









まあ、これも旨い。






こうして山本屋本店の初体験は、ぎこちなく、やや不完全燃焼的に終わったのであった。



ま、初めはこんなもん。