ううう・・・・・。
このままじゃおかしくなりそうだ・・・。

仕事やーめた!

時は2019年9月。

その日散歩マンは、仕事で溜まりに溜まったストレスを抜くために、

開(ひら)けた場所へ旅立ちました。
さっさと行こう!
そして思いつきで出かけたこの旅で、なんと散歩マンは100万分の1かっつー確率の再開ある物と果たすことになります。

そのある物とは何か?

それは出会ってからのお楽しみ。

 

つーことで、本日は仕事を放り出し逃避の旅へ出た時の様子をお届け。


出発は都営縛りの「浜町駅」からです。

本日は休日です。

人手はありますが、街はどことなくまったりしてます。

ここからひたすら東へ向かいます。
さっさと行こう!

おっ?!

いきなりの相撲部屋ですよ。
相撲部屋って両国近辺にしかないイメージでしたが、ここまでのぶらり旅を通し、

結構いろんな街に存在していることがわかっております。

散歩マンの旅では、ざっと5分の1ぐらいの確率で遭遇する感じ。

ちょうどお相撲さんが出てきたんだけど、まかり間違ってもケンカを売ってはいけない身体サイズにビックリして固まってたら撮り損ねました。
それにしてもモダンな部屋ですな。

出かけていくお相撲さんを見送った後、いつもよりまったりとした街を歩いていると、

これまた3分の1で遭遇する格闘技系の道場を発見。

のぞいているのはダーリンです。
相撲部屋には凡人程度の感心しか見せないダーリンですが、

武道系には飢えたハイエナのごとく食いつきます。
パクッ!

散歩マン:「うまかったか?」
ダーリン:「よく見えなかった」

そりゃそうだろーよと思いながら先を急ごうとすると、またも別の道場現る。

パクッ!

散歩マン:「めんどくせーな!」
ダーリン:「よく見えないなー」

なぜか次々現れる、大して珍しくもない平均的な道場トラップにいちいち引っかかりながら南よりに行くと、道場名にもあったように安産祈願で有名な「水天宮」に到着。

相撲部屋もモダンだけどこちらはもっとモダン。

こーゆーのを見学してなんぼでしょうーよ。

さすが、都会のモダン神社の鳥居は金属です。

間違っても錆びてんじゃない、はず。

手水場の横で厳粛なる雰囲気に似つかわしくない、

ゆるーい親子のカッパちゃんが出迎えてくれます。

完全にゆるキャラですが、お水をかけるとご利益があるみたいっす。

そして、モダンな喧騒の中に佇むいたってフツーの本堂。

大きくも小さくもない手頃なサイズの神社をザッと見渡して、

ここから本格的に真東(まひがし)の方角へ進んでまいります。

その前に隅田川を越える手前で昼食をば。
散歩マンは仕事のストレスのせいで胃の調子がよろしくないので、軽食を頂くことに。

消化にいいのは米よりパンだという噂を聞いたので、ハニーなトーストをチョイス。
頼んでから、バターとかたっぷり塗ってんだろーなーということに気づき危惧したのですが、いーい具合にカリッと焼けたトーストがうますぎてあっという間に完食。
ごちそうさま、また来るから、ここ。

よし、今度こそ本当に本格的に東へと進んでまいります。

昼食を取ったカフェから東へしばらく行くと「隅田川大橋」へと差し掛かります。

そしてまさにこの場所で、散歩マンは奇跡の再開を果たすこととなりました。

高速の下を渡す隅田川を渡るだけの大きな橋だ!と思い踏み入った途端、

あっと驚くためごろー(哀愁漂う流行り言葉)な光景が突如散歩マンの目に飛び込んでくるではあーりませんか!

はいこれ!

かわいい手袋です。
橋の欄干の端(はしのらんかんのはし、という早口言葉ではない)に、

すぽっと納められていました。
そう、どうみても落とし物です。

問題はここからです。
何が問題なのかというと、散歩マンはこの手袋がどこで売られているのかを知っています。
ダイエーです。
その年の春、散歩マンは安売りされていたこれと同じ手袋を購入しました。
そして、散歩に出掛けました。
そして、落としました。

あったーーーーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!!!
きっとこれに違いない!
落ちてた割に、真新しさムンムンだし!
春に落とした場所は定かではないけど、この辺だった気がするし!!
どっちにしてもこんなの交番に届けても、お巡りさんも迷惑なだけだし!
ということで、散歩マンはこの旅で

100万分の1かっつー確率で失った手袋を約半年ぶりに取り戻すことに成功したのです!
拍手ー!!

(パチパチパチパチパチパチ!)

そうとわかったら早速回収開始!

が、
綺麗に見えてもどんな虫が涌いてるかわからない手袋を

素手で回収する勇気はありません。
約半年間野外に放置されていたドッキドキの手袋を厳重にビニール袋で包み、回収完了。
不意に訪れたミラクルに感謝しつつ、ますます元気に行こう!

パクっ!!
て、おいっ、またか!!

散歩マン:「何回引っかかるんだ?!」

ダーリン:「へへ」

このように、武術ボーイのダーリンはいちいち出鼻をくじいてくれます。

意味もなくぐずぐずしてると、ほら、

お化けのように成長した「巨人兵ツル」に襲われちゃうわよ。

てか、このツルヤバくない?

隅田川大橋から20分ほど歩くと「門前仲町駅」近辺に到着します。
都営線が走っているのでちょこちょこ訪れる駅ですが、こざっぱりとした下町だとばかり思っていたら、気合いの入ったノスタルジーエリアを発見。

まあね、門前仲町っつーくらいだもんね、下町なのよねここ。

今は昼間なのでおとなしいですが、夜になれば泥酔サラリーマンで賑わうんだろーね。

泥酔酒場に溶け込むコウガイさん、わかるかな?

しかも、ここが今や世界に冠たる観光地となった「新宿ゴールデン街」に負けず劣らない年季の入ったのれん街である証拠を発見しました。

注意書きの通り、これは公衆トイレではありません。
どうやら中にはトイレがない店もあるようで「客以外は使うな」と張り紙がしてあります。

お客は公衆トイレにしか見えないこの外付けのトイレを利用する仕組みのようです。
うーん、想像以上のノスタルジー。

魅惑ののれん街を堪能し、さらに5分ほど。
あっという間に「深川公園」に到着です。

ご覧の通り、公園という名のグランドです。 

ここで少し休憩しますか。
いい感じの溝があるので仲良く並んで休憩。


ふー。

今度は横に並んで休憩。

ふへー。

お次は逆向きで。

ふほーん。

最後はバックヤードを暴かれながら休憩。

きゃー、裏側は恥ずかしい!

遊んだので先へ急ぎましょう。

深川公園のお隣りは「深川不動堂」です。

門前屋台のポン引きじいさんの攻撃をかわしザッとお参りだけして次へ行こうと思っていたところ、多重構造になっているお堂の中にはいろんな展示物が陳列されているらしく、無料なのをいいことにうっかりじっくりと見て回ってしまいました。
堂内は撮影できないので写真はありませんが、いろんな神様があちこちで神秘的な光を放っておりました。
じっと佇む穏やかな表情の菩薩さまやら観音様と、ほの暗い堂内で対峙していると眠く・・・な・・・・
次行こう。

「深川不動堂」のお隣りは「富岡八幡宮」です。

むむむ・・・。
ついにここを訪れる時が来てしまいましたか・・・・。
ここからは心して進みます。
何故ならば・・・・。

みなさん憶えていますでしょうか?
ある機を境にあやしいパワースポットになってしまったかもしれないこの「富岡八幡宮」とは、一定年齢以上の日本国民なら知っているであろう横溝正史まがいの騒動がほんの数年前に勃発した神社です。
いいや、善良な散歩マンはみなまで言いたくありません。

(わかんない人は"富岡八幡宮、骨肉"とでも打ち込んでググってね)
では、勇気を出して踏み入ります。

け、境内は綺麗です・・・。(ビクビク、ドキドキ・・・)

あ、当たり前か・・・。(ビックビック、ドッキドッキ・・・)
うーむわかってはいたけれど、

なぜに心穏やかになる神聖な場所でこんなにドキドキしなけりゃならんのでしょうか?
てか、祈っていいの?よくないの?
はぁー・・・形だけお参りしてもう行こう・・・。

して、みなさん安心してください、普通の神社でしたよ。
仕切り直し。

さて、「富岡八幡宮」からすぐの場所にひっそりと緑道が現れたのですが、

なんと国の重要文化財(以下:重文)があるというのでさっそく見物することに。

何てことないごくフツーの緑道にほんとうに重文があるのかと思うでしょうが、

既に見えてます。


はいこれ。

( ゚д゚)ポカーン。
・・・・・橋だね。

何も知らずに通りかかった人には、この古びた橋がそんな貴重なものとは到底気づけないかと思いますが、その名も「八幡橋」と申しまして都内最古の鉄橋なのだそうです。
架けられたのは明治時代だけど、地元の人が普通に歩いてます。

はっ?!
明治時代の橋をまだ使ってんの?!!
そりゃ凄いぞ!!


ぜひ散歩マンも歩きたい!という衝動に駆られたのですが、緑道からの進入口はなくしよーがないので下から凝視しておきました。

こうしてみると、なかなかのひっそり感、
風情あるじゃん?

にしても江東区の皆さん、区が誇る貴重な重文です。
もう少し緑道をきれいにしてみませんか?

思わぬ宝を見物し、今度は綺麗に整備してあるしがない川を越え


いきなり現れた廃車車両に驚き(ご覧の通りレストランね)


はい、都会のオアシスに到着いたしました。

ここは江東区民を癒す緑の園「木場公園」でございます。
見ての通り大きな公園です。

どんだけでかいかというと、

「このー木なんの木、気になる木ー♪」的な大きな樹木が

横方向に余裕をかますほどの広さです。

ちょうどいい気温に、景色、いつ休憩するの?
今でしょ!

つーことで、散歩マンどころか男のダーリンの足さえも宙に浮く高さのあるベンチで一休み。

メリメリ・・・ふ、太ももがうっ血するっ・・・・。


ゆえに、ベンチの上でお下品ながらあぐらをかきつつゆっくり休み、

疲れが癒えたところで散歩再開。

公園広場のど真ん中を堂々とつき抜け公園を出て15分ほど進むと、朝じゃないけど朝市のように恐ろしく賑わう商店がこつぜんと現れ、突然の激流下りを開始するはめに。

怒濤のように流れる「おばさん流」に負けないよう力強く進み無事「朝市のような川」を越えてさらに進むこと20分ほど。

これまた散策にはもってこいの閑静な緑道に出ました。

これはええー。

明らかに歩き安そうなので、ちょっと大回りだけどしばらくこの道を行くことに。

が、この緑道はただの緑道ではありませんでした。
なんと歩行者と自転車が進むべき道はそれぞれ決められていて、あろうことか両者の道が相対的にくねくね曲がっており、要所要所で互いに交差するのでボーッと歩いていると歩行者は専用路をすっとばしてる自転車にうっかりはね飛ばされそうになるという、それはそれは奇想天外な構造になっているのです。

あぶねーっつーの!
何考えてんだ、江東区は!


まったくもー(ブツブツブツブツ)。
そんなこんなでまったり歩くつもりの緑道を戦々恐々と進みながら端まで歩ききり、

さらに東へ進み大きめの公園を通過。


そこからさらに20分ほど行くと、あたりは徐々に開けてきました。

さー、いよいよ本日の目的地に近づいてきましたよー。

仕事で疲れきった散歩マンが癒されようと求めてしまう場所は決まっています。
そう、見晴らしのいーい場所です。
江東区はまさに、そのようなふさわしい景観を有する街。
重要文化財もいいけどさ、今の散歩マンにはこの景色の方が必要なのよね、うん。

はい、到着!

ご存知、散歩マンの旅になくてはならない一級河川「荒川くん」です。
やっぱり荒川くんは素晴らしい!
荒川くん、会いたかったよー!
かっこいい荒川くんの勇姿にテンションはすでにMAXですが、

実は本日の目的地とは厳密にはここではありません。

目指しているゴールは、ここから1キロほど歩いたこの一本道のドンツキにあります。

では、元気に行きましょう!
さあて、この一本道の先に何があるのかな?


とりあえず、猫はいます。


タヌキもいます。

うがっ?!
た、タヌキですと?!!

あわわわわっ、ヤバいっ、早くっ、写真っ、しゃっ、しっ、


ぬっ・・・!


のっっ・・・・!


にゃっ・・・・!

不用意に近づけば逃げてしまうかと思いダーリンと連携して、遠くからのグジとのツーショットを狙った結果グジがひたすらボケまくったわけですが、このあと衝撃の真実がわかります。
こいつら普通に人に寄ってきます。
なんてこったい。

ダーリン:「ふ~、疲れたね、あのベンチでちょっと休もうか」

散歩マン:「そんなやついる?」

果てしない道に見えましたが、猫あり、タヌキあり、草に埋もれたベンチあり、と様々な出会いのおかげでダーリンもぐすることなくあっという間に目的地に到着いたしました。

ここが本日のゴールです。

ここは「新砂リバーステーション」と言い、災害時に利用される船着き場のようでして、自転車ヤローや近所住人が散歩でちらほら訪れてる程度のひっそり感満載の隠れた絶景スポットです。
はっきり言ってなーんにもありません。


道はここまで、おじさんが一人いるのみ。

我々も夕暮れを眺めながら、ベンチすらないので

「あの草に埋もれた無意味なベンチをここへ持ってこい」

という気持ちを抑えつつ、立ちんぼで買っておいたおやつを堪能しました。
 

気温も程よく風もなく、景色も素晴らしく、立ちんぼだけど

えーぇ気持ちやー。
仕事の疲れも癒されたよ、うん。
ということで、これにて本日の旅は終了です。

帰り際ふと振り向くと

いわゆる「工場萌え」のスポットにもなりえる光景が広がっておりました。
ここ、夜に来るといいかもよ。

帰りは都バスのバス停まで1.5キロほど歩き、都営新宿線でお馴染み「神保町」で人気店の餃子定食をディナーに頂きました。

奇跡の再開もあったし、道場ワールドも堪能できたし、楽しかったねダーリン。
ダーリン:「うん」
というダーリンの顔が「うん」以上にニヤついてます。

なぜならば。

神保町には例の書店があるから。

そしてダーリンは閉店間際の書店に駆け込んで行きました。

 

ダーリンを待つあいだ、蚊と戦いながら、散歩マンは今日最大の収穫であった赤い手袋との奇跡の再開をかみしめておりました。