『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』
@帝国劇場
2023年7月8日(土)18:00 サティーン:望海風斗・クリスチャン:甲斐翔真
2023年7月22日(土)18:00 サティーン:平原綾香・クリスチャン:甲斐翔真
2023年8月16日(水)13:00 サティーン:望海風斗・クリスチャン:甲斐翔真
ハロルド・シドラー :橋本 さとし・松村雄基
トゥールーズ :上野哲也・上川一哉
デューク :伊礼彼方・K
サンティアゴ :中井智彦・中河内雅貴
ニニ :藤森蓮華・加賀楓
詳細が発表になった時、
「だいもん(望海)かー!」「おお!甲斐くんかー!」「え?ヨシオ??なんで?」だった。
だってクリスチャンは、世間知らずで無鉄砲な若手作曲家だよ~。
やっぱ20代(しかも前半)じゃないと~。
でも、芳雄様はチケット売れるんだよね。蓋を開けたら芳雄クリスはチケット難だった。
もうひとつ驚いたのは、
チケット代
「B席で10000円も取るんかいっ」
S席17500円なんて、ZUKAの倍じゃん。
もう”通う”なんて到底無理。(って思いながらも3回行ってしまった)
でも初見の舞台は2回は観たいし、複数キャストだと更に何度も観たくなる。
コロナで演劇業界が大打撃を受けたことはわかるけど、さすがに高過ぎじゃないか?
でも公演観て、「これは仕方がないな」って思った。
豪華絢爛な舞台装置も高値の要因の一つだとは思うけど、とにかく楽曲が凄い。洋楽を聴きなれていない私でもどこかで耳にしたことがある曲ばかり。
新旧約70曲ものアメリカンポップスや映画音楽がぎゅーっと目いっぱい詰まっていた。
これだけの楽曲の著作権使用料を考えたら、そりゃあチケット代も高くなるだろう。
つまりこのチケットは著作権使用料の塊なんだな~。
世界的に超有名な、アメリカンポップスばかりだというのに、1回目の観劇ではさほど気づかず、(2幕最初のレディガガの『Bad Romance』すらわからなかった)周りに歓声が上がってるのを見て、日本の舞台では珍しいな~と呑気に思った。
でも2回目の観劇では「あ、これはa-haだ!マドンナだ!」「あ、愛と青春の旅立ち!」って、洋楽不慣れな私でも知ってる曲が山ほど散りばめられていることに気付き、初めて、「そりゃ、盛り上がるだろうさ、ライブ感覚だもん」って思った。本場ブロードウェイではさぞかし盛り上がったんだろうな~。
その後、Apple Musicでブロードウェイ版CDをダウンロードして聴きまくり、3回目の観劇では一緒に歌いたい気分になって勝手に手や足がリズムとっちゃったりした。
最初、サティーンは絶対だいもんで観たい!って思った。
でも一枚間違えて平原綾香ちゃんを取ってた。
ま、いっか、って観に行ったら、これ、平原綾香の方が絶対当たり役じゃん!って思った。
ZUKAトップ男役だっただいもんでは、ムーラン・ルージュのトップショーダンサーのダイナマイトボディは無理だよね。平原綾香でも足りないと思うくらい。
昔、『ムーラン・ルージュ』と並んでパリの2大キャバレーのもう一方、シャンゼリゼ通りの『リド』のディナーショーに2回ほど行ったことがある。
トップレスのショーガール達は胸は大きく、腰は細い。女から見てもその理想のボディに見惚れてしまった。正に動く彫刻のような芸術作品。
だから、TOPのサティーンは歌が上手いだけじゃダメなんだ。
でもまあ、結核だから結果的にはガリガリに細い方が説得力あるかも。
最初っから咳してる場面をスポットライトあててクローズアップしてるからすぐわかる。
芳雄クリスを一度も観ていない私は、甲斐くんと芳雄くんを比較はできない。
44歳の芳雄くんだって、彼ほどの人になれば年齢の壁も役として超えられるのかもしれない。
ただ、甲斐くん3回観て思ったのは、「彼には伸びしろしかないっ!」って事。
観るたびにぐんぐん成長してるのがわかった。
最初は、お姉さんに一目惚れしちゃった身の程知らずなアメリカンボーイだった。
高音がちょっと苦しそうで、歌もまだ身の丈に合っていないような、いっぱいいっぱいって感じを受けた。
3回目、開幕からもう1ヶ月半以上が経った。
背が高いだけじゃなく胸板も厚いがたいの大きさは、いかにもアメリカ青年らしい。
アメリカの田舎にうんざりして花のパリにやってくる夢溢れた青年。
ボヘミアンの芸術家たちに出会い、歌とダンスで物語を紡ぐミュージカルを作る壮大な計画の仲間になる。甲斐くんの歌うFUN.の『We Are Young』は、まるで文化祭にやる催し物を決めて無邪気に盛り上がる若者たちのように感じさせた。
クリスとサティーンは愛し合うけど、表向きはサティーンは『ムーラン・ルージュ』存続のためにデュークの愛人になる。
仕方ないのはわかっている、しかもデュークは自分たちの作るミュージカルのスポンサー。
でもクリスはサティーンがあまりにも好き過ぎて苦しくなる。
甲斐クリスの、高音でほんのちょっとかすれて、ちょっぴり苦しそうに歌うのは、サティーンへの想いの強さ、デュークへの深い嫉妬のせい。サティーンとデュークが一緒にいる、同じベッドにいるのを想像するだけで押しつぶされそうになる彼の気持ちが感じられ、聴いていて私の胸も痛くなってきた。
最初の頃の単に高音が苦しそうなのとは明らかに違う。
この人、まだまだ伸びるんじゃないかと思うと、もう一回、いや更にもっと観たくなった。
劇場支配人のハロルド、さとしさん、さすが場を盛り上げるのが上手。あまり育ちの良くない場末のキャバレーの支配人っぽいけど、情に厚い。松村雄基さんは、さとしさんより品がある。彼もかつては舞台人だったんじゃないかな、と想像する。
トゥールーズは、サティーンと出会った子供のころから彼女の事を好きだったのだけど、ひっそりと「僕のミューズ」と言って気持ちは心の奥にしまって、友達として彼女を支えてきた。それは自分が貧乏なこと、片足が不自由なことで自分を卑下しているんだろうけど、そんな必要はないのにな。そして、将来のある若者クリスを応援する。
上野くんって、ミスサイでもそうだけど、”友達”って感じを出すのが上手。
ダンサーガウチ(中河内)にサンティアゴは当たり役!
元々、顔が濃いから、ラテン男に作り上げるのは簡単。
昔よりちょっと肉付きが良くなったせいか、色気ムンムンのタンゴダンサー。
歌はレディガガの『Bad Romance』をムーランルージュバージョンで『Backstage Romance』。
歌は中井さんの方がちょっと迫力あったかな。
ゆっくりしたテンポで二人で怪しげに踊り始め、だんだん人が増え、アップテンポになる。
このシーンだけもっと観たい。
伊礼くんデュークは本当~~~~に嫌な奴だった。
友達にそれを話したら、「それ、伊礼君が聞いたらガッツポーズだろうな。」って。
金が全て、金さえあれば何でも買えると思っている反吐が出るほど嫌な奴。
ずっとしかめっ面してるし。
Kって、ミュージカルでは初めて観た。
関根麻里ちゃんと結婚してからはすっかり見なかったけど、昔は声も顔も結構好きだった。
そんな素敵なKも、ずっとしかめっ面で、嫌な奴だった。
ラテン顔の伊礼くんとは違い、アジア人顔だからかな~、貴族の出には見えない。
暴力団の若手リーダーっぽいというか…。
2人ともカテコで現れた時は満面の笑みで、伊礼くんなんて、しゃべりたくて仕方ないって感じだった。
フィナーレで大盛り上がりの観客を前に、甲斐くんが挨拶をしてたら、伊礼くんが話しかけてきて、声が届かないので「ちょっとマイク!俺のマイク入れてよ!」って音声さんにアピール。
そして伊礼くんが「あれやろうぜ、ライブみたいなやつ、『1階~!』ってやつ」と言うと、さとしさんが、「甲斐くん!甲斐くん!」って甲斐くんを呼んだ。甲斐くんが「え、僕がやっていいんですか?」って言ったらみんなが「やれ!やれ!」と。
甲斐くん「いっか~い!!」
観客👏👏👏
甲斐くん「にか~い!!」
観客👏👏👏
そしたら伊礼くん出てきて
伊礼くん「ぜんた~いっ!!」
観客👏👏👏👏👏👏
めっちゃ大歓声で盛り上がったけど、さとしさんたちみんなに「なんでお前が出てくるんだよ!」ってフルボッコにされてた。
じゃあ、甲斐くんでやり直し!って、甲斐くんがもう一度
甲斐くん「いっか~い!!」
観客👏👏👏
甲斐くん「にか~い!!」
観客👏👏👏
甲斐くん「ぜんた~い!!」
観客👏👏👏👏👏👏
やっと終わりました。www