プレジャーボート座礁事故を考察する | 近江人(オミット)しよう。

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グーグルに自動表示されるニュースに刮目させる内容が飛び込んで来た。

7月6日土曜日深夜3時40分、海上保安庁に、座礁事故で乗員3人が負傷と当事者から救助要請が来たらしい。


事故の概要は、同日深夜2時20分に東京都中央区から船長以下60代男性3人で出航、千葉県館山市洲崎沖に釣り目的で向かうが、3時30分に富津市沖の第一海堡に衝突座礁したというもの。第一海堡とは要塞として浅瀬に造成した人工島で3ヵ所ある。

海上保安庁の調べで船長は上半身強打で頭部出血、乗員2人は腰打撲、脛椎骨折で重症らしい。船長は居眠り運転だったと供述している。




写真は全て拝借

この事故は、今後の船舶免許や更新時に、事故事例として出てくるだろう。事故原因が問題として出題されそうだ。なので、私なりに考察してみたい。

まず、船は726センチ、24fだ。船尾を見ると船内外機なので、ボルボペンタ等のディーゼルエンジンだ。おそらく出力は120~150馬力だろう。最高速は23~25ノット程度か。Gマップで中央区を見て、おそらく月島辺りからの出航と仮定して、第一海堡まで最短44キロとなる。70分で到達しているので、速度は20ノット(37.7キロ)と計算される。最高速の80%、つまり巡航速度だったようだ。当日の海上は穏やか晴天なので快調だったろう。

40キロ近い速度で座礁となれば、衝撃は凄まじい。自動車の様な安全ベルトもエアバッグもない。船長は操舵輪で突っ張れるが、居眠り状態では、むしろ操舵輪に衝突しただろう。後部ドアのある大型操舵室なので、乗員2人は椅子に着座していたと推察されるが、衝撃で飛ばされただろう。現場写真を見ると陸上に船が揚がっているが、これは干潮の為で事故時は満潮だったろう。唯一、幸いなのが人工島の緩い傾斜だった事だ。これが自然の岩場なら船底破損で浸水沈没する。そうなれば死者も出ただろう。


さて、事故原因を探る。第一は船長の居眠りだ。これは、深夜2時20分出航という強行軍からだろう。つまり運航計画の不手際となる。他には、深夜の海上航行に際して見張りの不備があろう。乗員2人が見張りをすれば、島に気付いて船長を起こすか、操舵して回避出来たろう。また、操舵室の屋根にGPSアンテナが有るので、GPS内臓ソナーもしくはプロッターを装備するはずだ。当然、海図データが表示される。水深アラームを浅場にセットすれば座礁前に警報が鳴ったはずだ。眠気も覚めるだろう。せっかくの装備が無駄になっている。

深夜に東京湾内を航行するのは、慣れたベテランだと思うが、慣れは恐ろしい。慣れていれば浅瀬や小島の危険海域は熟知だと思うのだが?慣れからの油断で、釣りも出来ない身体になってしまう。

60代という事も自覚せず、無理をしたな、というのが感想だ。