『ファイヤーフォックス』(Firefox)は、クレイグ・トーマスの小説および、それを元に1982年に製作されたアメリカ合衆国の映画。作中に同名の戦闘機が登場する。クレイグ・トーマスは、1976年のベレンコ中尉亡命事件にヒントを得て、この小説を一気に書き上げた。映画の製作に当たっては、アメリカ空軍・アメリカ海軍も協力しており、東西冷戦時代という背景の濃い作品のひとつである。

なお、小説の邦題は『ファイアフォックス』である(広瀬順弘訳 早川書房 ISBN 4150404283)。

 

まず、ウィキペディアの説明は誤り。邦題は「ファイアフォックス・ダウン」。

亡き父が生前、どこから買ってきたのか原作を見せて「こいつは面白いぞ」と言ったことからこの映画を知る。

「レッドオクトーバーを追え!」と共にソ連の軍事機密を奪取するストーリー。

格納庫でガントが戦闘機を盗むシーンは、そちらに無理矢理持っていく感が残る。

それでもガントと追手の同型機との空中戦は見もの。

ラストシーンでガントが思い出す「ロシア語で」のシーンが面白い。

と言うわけでおすすめ。

 

監督    クリント・イーストウッド

脚本    アレックス・ラスカー

ウェンデル・ウェルマン

原作    クレイグ・トーマス

製作    クリント・イーストウッド

フレディ・ジョーンズ

ウォーレン・クラーク

製作総指揮    フリッツ・メインズ

出演者    クリント・イーストウッド

音楽    モーリス・ジャール

撮影    ブルース・サーティース

編集    ロン・スパン

フェリス・ウェブスター

配給    ワーナー・ブラザース

公開    アメリカ 1982年6月18日

日本 1982年7月17日

上映時間    136分

製作国    アメリカ合衆国

言語    英語  ロシア語

製作費    $21,000,000

興行収入    $46,708,276

 

 

ソビエト連邦が、それまでの戦闘機を凌駕する高性能な新型戦闘機「MiG-31 ファイヤーフォックス」を開発したとの情報がNATOにもたらされる。これに衝撃を受け、軍事バランスが崩れることを恐れたNATO各国は対抗すべく戦闘機の開発を検討するが、間に合いそうもない。そのため、その技術を機体もろとも盗み出すことを決定し、ロシア語をネイティブで話し、考えることができる元米空軍パイロット、ミッチェル・ガントに白羽の矢を立てたのであった。ベトナム戦争で心に傷を負ったガントは隠遁生活を送っていたが、世界最高の戦闘機を奪取するという要請を繰り返し受けるうち、遂に計画へ加わることを決める。

ガントは、商用を隠れ蓑にヘロインを密輸しているアメリカ人ビジネスマンに変装してモスクワに入り、治安当局の監視・尾行を受けつつ、協力者のウペンスコイと接触する。ウペンスコイはガントが成りすましていた本物の密売人を殺害してKGBを撹乱する。彼等は最寄りの駅で地下鉄に乗るが、下車駅では駅利用者に対する検問が始まっていた。ガントはいったんトイレに身を隠すが、職務質問をかけてきたKGB職員を早まって殺害してしまい、二人は騒ぎが起きる前に駅を脱出する。

 

 

ガントはウペンスコイの相棒に成りすましてMiG-31の開発者バラノヴィッチ博士がいる基地に向かうが、既にウペンスコイの相棒本人はコンタルスキー大佐の部下に逮捕されており、大佐はガントの正体を探るべく二人を尾行するよう部下に命令する。ウペンスコイは途中でガントを車から降ろしてKGBの目を引き付け、ガントは基地に潜入してバラノヴィッチ夫妻と接触する。バラノヴィッチから明日MiG-31の飛行訓練が実施されることを聞かされ、彼がMiG-31の二号機を爆破する間に一号機を奪取するよう伝え、またミグを思考制御で操縦する際にはロシア語で考えることなどを助言される。

ガントはソ連空軍将校に扮してハンガーへ潜入し、MiG-31パイロットのヴォスコフ中佐を昏倒させて、彼のパイロット・スーツを身に着けて奪取の準備を進めていたが、ガントの正体がアメリカのパイロットで、その目的がMiG-31の情報収集ないし強奪だと気付いたコンタルスキーは基地内の捜索を開始する。しかし、直前になって書記長が飛行訓練の視察に来ることが判明して、基地内は対応に追われる。バラノヴィッチは予定通りに二号機を爆破しようとするが、事前にKGBに悟られて爆破は不充分なものにとどまって1時間足らずで復旧できる程度にしかならず、直後に夫妻と部下の技術者は射殺される。その混乱の中、ガントは一号機に乗り込んで、コンタルスキーや書記長の目前で離陸に成功する。追っ手から逃れていたウペンスコイは飛び去るMiG-31を見届けると、拳銃で自決を遂げる。

MiG-31を奪われた書記長は空軍のウラジミロフ将軍に追跡を命じ、復旧した二号機に乗り込んだヴォスコフが出撃する。ガントは手筈通りに飛行経路を偽装して追跡の目をくらまして北極海に向かい、公海上の氷原を滑走路代わりに着陸し、そこへ合流した味方の原子力潜水艦から給油を受ける。

 

 

一方、ウラジミロフはガントの作戦に翻弄される書記長を説得して、ヴォスコフはガントを追い北部に向かう。給油を終えたガントはソ連国外への脱出を図るが、ヴォスコフが追い付きドッグファイトを展開する。激しい空中戦の最中ガントの乗った一号機の火器管制装置(FCS)が動作しなくなるが、バラノヴィッチの操縦する際にはロシア語で考えること、という助言を思い出し、このためガント機のFCSが復旧し、ヴォスコフの二号機を撃墜することに成功し、無事に国外へと脱出する。

 

 

 

ミッチェル・ガント    クリント・イーストウッド    

ケネス・オーブリー    フレディ・ジョーンズ    

バックホルツ    デイヴィッド・ハフマン    

パヴェル・ウペンスコイ    ウォーレン・クラーク    

セメロフスキー    ロナルド・レイシー        

コンタルスキー大佐    ケネス・コリー    

ウラジミロフ将軍    クラウス・ロウシュ    

ピョートル・バラノヴィッチ博士    ナイジェル・ホーソーン        

書記長   ステファン・シュナーベル    

ユーリ・アンドロポフKGB議長    ヴォルフ・カーラー        

ブラウン将軍    トーマス・ヒル    

ラニエフ少佐    クライヴ・メリソン        

ヴォスコフ中佐    カイ・ウルフ        

ナタリア・バラノヴィッチ博士    ディミトラ・アーリス        

ウォルターズ    オースティン・ウィリス        

シーアバッカー艦長    マイケル・カリー        

フライシャー海軍少佐    ジェームス・ステイリー        

ロジャース将軍    ウォード・コステロ        

クトゥゾフ空軍元帥    アラン・ティルヴァーン