一時廃れた潜水艦映画を再び世の中に戻したエポックメイキングな作品。新鮮なアイデアはまるでないがその分質実剛健な作りで安定感がある。潜水艦映画のすたれた理由の一つに外が見えないのでどうなっているかがレーダーでしかわからず伝わりにくいという点があるが、この映画では見えないことを逆に武器にして静けさを緊張感の憑代にしている。きしむ艦内の音響効果も抜群でスリリングな時間を楽しめるだろう。ぜひとも部屋の明かりを消してご鑑賞いただきたい。

一押しのドイツ映画「DAS BOOT」と比べても見劣りしない館内の描写。そして臨場感。

 

 

『U-571』は、2000年のアメリカ合衆国の戦争映画。監督はジョナサン・モストウ、出演はマシュー・マコノヒー、ビル・パクストン、ハーヴェイ・カイテル、ジョン・ボン・ジョヴィなど。第二次世界大戦中、暗号解読機を奪取するためにドイツ海軍のUボートへ潜入した米海軍兵たちの敵地脱出作戦を描いている[3]。第73回アカデミー賞で2部門にノミネートされ、音響編集賞を受賞している。

 

 

監督    ジョナサン・モストウ

脚本    ジョナサン・モストウ

サム・モンゴメリー

デヴィッド・エアー

原案    ジョナサン・モストウ

製作    ディノ・デ・ラウレンティス

マーサ・デ・ラウレンティス(英語版)

製作総指揮    ハル・リーバーマン(英語版)

出演者    マシュー・マコノヒー

ビル・パクストン

ハーヴェイ・カイテル

ジョン・ボン・ジョヴィ

音楽    リチャード・マーヴィン(英語版)

撮影    オリヴァー・ウッド

編集    ウェイン・ワーマン(英語版)

製作会社    ディノ・デ・ラウレンティス・カンパニー

Canal+ Image

配給   ユニバーサル・ピクチャーズ  ギャガ 

カプコン (UMD Video バージョン)

公開    米 2000年4月21日

日 2000年9月9日

上映時間    116分

製作国    アメリカ合衆国

言語    英語

製作費    $62,000,000

興行収入    世界 $127,666,415

日本 18億円

 

アンドリュー・タイラー大尉    マシュー・マコノヒー

マイク・ダルグレン少佐[注 1]    ビル・パクストン

ヘンリー・クロフ曹長    ハーヴェイ・カイテル

マシュー・クーナン少佐    デヴィッド・キース

ハーシュ大尉    ジェイク・ウェバー

ピート・エメット大尉    ジョン・ボン・ジョヴィ

ギュンター・バスナー艦長    トーマス・クレッチマン

ビル・ウェンツ無線技師    ジャック・ノーズワージー(英語版)

テッド・"トリガー"・フィッツジェラルド無線技師    トム・グイリー(英語版)    

ロナルド・"ラビット"・パーカー魚雷担当    ウィル・エステス

アンソニー・マゾラ    エリック・パラディーノ

エディー・カーソン    テレンス・"T・C"・カーソン(英語版)    

チャールズ・"タンク"・クレメンス機関士    デイブ・パワー    

ハーブ・グリッグス操舵手    ダーク・チートウッド(英語版)            

キース・ラーソン少尉    マシュー・セトル(英語版)    

 

 

ストーリー

 

1942年春、ナチスドイツのUボートによって、連合軍は不利な戦いを強いられていた。Uボート571号は、敵艦を撃沈するが、イギリス軍の駆逐艦に発見される。爆雷攻撃を受け、水中を逃げ回り、何とか駆逐艦から逃れ急速浮上する。そして、U-571の艦長はベルリンへ救援要請を打電するのだった。

アメリカ海軍のタイラー大尉は、パーティーに参加していた。艦長になれなかったタイラーは、古参兵のヘンリー・クロフ曹長に愚痴をこぼしていた。パーティーは突然中止になり、タイラーたちは出航を命じられる。タイラーは、ドイツ系白人の無線技士と共に司令室に呼び出される。しかし、そこでは作戦内容は伝えられず、ただ無線技士のドイツ語を試され、合格だと言われる。司令部から海兵隊も乗艦し、潜水艦S-33は出航する。出航後、艦内で作戦概要の説明がおこなわれる。救難信号を出した漂流中のUボートに、ドイツ軍の補給艦に偽装したS-33を近づけ、エニグマ暗号機を奪う作戦だった。

漂流中のUボートではエンジン修理が続いていた。そこへ、イギリス兵たちが救命ボートに乗り漂流してくる。彼らは、捕虜になることを望んでいた。しかし、ドイツ兵たちは、彼らを撃ち殺すのだった。

米軍潜水艦S-33は目標地点へ向かっていた。レーダーに反応があり、漂流中のUボートを発見する。タイラーたちは、ドイツ兵に変装し、U-571に乗り込む準備をする。嵐の中、ゴムボートに乗り、U-571へ向かい、奇襲をかける。艦内に侵入し、激しい銃撃戦の末に、エニグマ暗号機を発見、確保するタイラーたち。しかし、ドイツ兵乗組員たちを捕虜にし、エニグマ暗号機を積み出し、Uボートから離脱しようとした時、S-33は魚雷攻撃を受け、撃沈されてしまう。

間に合った敵のUボートに攻撃され。。。

U571を奪うしか道がなくなり。。

 

そして、タイラーたち数名を残し、S-33の乗組員はほとんど戦死してしまうのだった。母艦を失ったタイラーたちは、U-571に戻り、敵の追撃から逃れるため潜航を開始する。機器のドイツ語が解らないながらも、何とかU-ボートを操る。敵の魚雷をかわし、敵船を撃沈する。

U-571は、生存者救助のため再浮上し、ドイツ兵を一人救出する。そしてS-33の艦長の死体も発見するのだった。タイラーたちは、U-571を操艦しながらフランスへ向かう脱出作戦をたてる。

艦長が戦死したため、タイラーが作戦の指揮を執ることになる。タイラーは、クロフ曹長に艦長としての心意気を授けてもらう。海上に浮上したU-571は、上空を飛ぶドイツ空軍機に発見される。旋回する戦闘機に対し、甲板に出ていたタイラーは手を降るように指示をする。しかし、兵の中には、このまま撃ち落とす方が得策だと主張するものもいる。砲撃手は機銃を握ったまま、動けずにいた。戦闘機は、体制を整え、攻撃してくるかのような高度で、U-571に迫ってくる。砲撃手は、タイラーの命令に従い、機銃を握ったまま戦闘機をやり過ごす。戦闘機も、そのまま飛び去っていくのだった。

タイラーたちは、戦闘機が飛び去った方角に、ドイツ軍の駆逐艦を発見する。救難信号を受け、救助に来た駆逐艦だった。駆逐艦のドイツ兵たちは、ボートに乗ってU-571に向かってくる。タイラーは、機関室に潜航の準備を、砲撃手に攻撃の準備をさせ、ボートでやってきたドイツ兵に銃を向け、駆逐艦の通信室を砲撃し、一発で破壊する。そして、急速潜航をしながら駆逐艦の船底をくぐり抜け、脱出を図るのだった。しかし、U-571は爆雷攻撃を受ける。

激しい爆雷が。。

 

 

U-571には、後たった一発の魚雷しか残っていなかった。この一発で駆逐艦を沈める作戦を立てるタイラー。エニグマ暗号機を奪取したタイラーたちは、もし駆逐艦を鎮めることができなかったとしても、捕虜になることはできないのだった。

駆逐艦からの爆雷を避けるため、限界深度200メートルまで潜航するU-571。水圧のため潜水艦のあちこちが軋み出すが、Uボートは想像以上に頑丈にできていた。爆雷は、U-571が潜航している深度までは到達しないのだった。しかし、突然艦内各所から激しい浸水が始まる。U-571は浸水により、さらに深い海に落ちていく。このままでは、水圧に耐えられなくなるため、クロフはU-571を緊急浮上させる。緊急浮上は制御が効かず、そのまま海面まで上昇していくU-571。タイラーは、艦尾の魚雷発車装置の修理を急がせ、そして最後の一発で駆逐艦を撃破するのだった。

駆逐艦の撃沈

 

U-571は、これ以上航行することはできない状態になっていた。タイラーたちは、エニグマ暗号解読機を救命ボートに載せ、U-571から脱出をする。海面を漂う救命ボート。その救命ボートを、友軍機が見つけるのだった。

 

ジョナサン・モストウ

 

ジョナサン・モストウ(Jonathan Mostow, 1961年11月28日 - )は、アメリカ合衆国の映画監督、脚本家、映画プロデューサーである。

主な作品

ブレーキ・ダウン Breakdown (1997年) - 監督・脚本・原案

ゲーム The Game (1997年) - 製作総指揮

U-571 (2000年) - 監督・脚本・原案

ターミネーター3 Terminator 3: Rise of the Machines (2003年) - 監督

ハンコック Hancock (2008年) - 製作総指揮

サロゲート Surrogates (2009年) - 監督

ボディ・ハント House at the End of the Street (2012年) - 原案

スマイル、アゲイン Playing for Keeps (2012年) - 製作

ザ・ボディガード The Hunter's Prayer (2017年) - 監督・製作総指揮

 

無名と思いきやUT3の監督である。

「Uボート」に見飽きたらぜひ見ていただきたい作品である。