『エクソシスト』(The Exorcist)は、1973年のアメリカのホラー映画。

少女に憑依した悪魔と神父の戦いを描いたオカルト映画の代表作であり、その後さまざまな派生作品が制作された。本国において1973年の興業収入1位を記録した。第46回アカデミー賞の脚色賞と音響賞を受賞。

題名となっているエクソシストとは、英語で"悪魔払い(カトリック教会のエクソシスム)の祈祷師"という意味である。

監督    ウィリアム・フリードキン

脚本    ウィリアム・ピーター・ブラッティ

原作    ウィリアム・ピーター・ブラッディ

製作    ウィリアム・ピーター・ブラッティ

製作総指揮    ノエル・マーシャル

出演者    リンダ・ブレア 他

音楽    マイク・オールドフィールド  ジャック・ニッチェ

撮影    オーウェン・ロイズマン

編集    ノーマン・ガイ エヴァン・A・ロットマン バド・S・スミス

製作会社    ホヤ・プロダクションズ

配給    ワーナー・ブラザース

公開    1973年12月26日

上映時間    122分

製作国    アメリカ合衆国

言語    英語

製作費    $12,000,000

興行収入 $441,071,011[2]

アメリカ合衆国 $232,671,011[2]

日本 17億円

配給収入  日本 27億3000万円

 

リーガン・マクニール    リンダ・ブレア

クリス・マクニール    エレン・バースティン

デミアン・カラス神父    ジェイソン・ミラー

ランカスター・メリン神父    マックス・フォン・シドー

キンダーマン警部    リー・J・コッブ

ジョセフ・“ジョー”・ダイアー神父    ウィリアム・オマリー

シャロン・スペンサー    キティ・ウィン

バーク・デニングズ    ジャック・マッゴーラン

サミュエル・クライン医師    バートン・ヘイマン

カール    ルドルフ・シュンドラー

ウィリー    ジーナ・ペトルーシュカ

タニー医師    ロバート・シモンズ

チャック    ロン・フェーバー

メアリー・カラス    バシリキ・マリアロス

悪魔の声    マーセデス・マッケンブリッジ

 

以上、ウィキペディアより

 

以下、『シアター・jp』より抜粋、加筆。

 

1972年に製作され、その後の悪魔系ホラー映画に多大な影響を与えた傑作ホラー『エクソシスト』。公開から何年経ってもその恐怖は色褪せず、悪魔に取り憑かれた少女のビジュアルや音楽がセンセーショナルでした。

 

物語の冒頭ではイラクの遺跡調査中、メリン神父が悪霊パズズの像を見つけ、近いうちに悪霊と対峙することを悟る。そして舞台はワシントンのジョージタウンへ。女優として活躍するクリスは、娘のリーガンと共に一時的に借りた家に住んでいた。

しかし、リーガンがウィジャボード(日本で言うコックリさん)で遊び始めた頃から徐々に彼女の様子に異変が。病院に連れていき、脳検査をしても異常は見つけられなかった。日に日に彼女の風貌が変化し、ついに悪魔的なものが原因だと悟った母は引退を考えていたカラス神父に悪魔祓いを依頼。彼は、ベテランとされているメリン神父を彼につかせ、二人はリーガンのエクソシズム(悪魔祓い)に挑むだった。

 

映画『エクソシスト』はなんとアカデミー賞で10部門にノミネートされた。

主にノミネートされたのはクリス・マクニールを演じたエレン・バースティンが主演女優賞、ウィリアム・ピーター・ブラッティが作品賞、そしてウィリアム・フリードキンが監督賞に。しかし、10部門ノミネートされたうち、受賞したのは脚色賞と音響賞の2部門だけ。

ホラー映画でアカデミー作品賞にノミネートされたのは史上初の快挙。さらに、悪魔を扱ったオカルトホラーものでいえば、その後も作品賞にノミネートされた作品はない。

 

 

本作はウィリアム・ピーター・ブラッディの小説『エクソシスト』を元に製作されている。ちなみにブラッディは映画製作にも関わっていました。そして彼の小説は、何と実際に起きた「メリーランド悪魔憑依事件」をもとに執筆されていた。

実際の事件が起きたのは1948年。アメリカ合衆国メリーランド州コッテージシティで、13歳の少年ロビーの身に悪霊が憑りついた。きっかけは、叔母がよく使って遊んでいたウィジャ・ボードに興味を示したことから。小説では少年が少女になっていますが、ウィジャ・ボードから憑依が始まる点は映画のリーガンと同じである。

本作のタイトルにもなっている「エクソシスト(The Exorcist)」とは、カトリック教会による悪魔祓いの祈祷師という意味。また、悪魔祓いのことを「エクソシズム」と言います。実際、この悪魔祓いは古代から現代まで、世界中で行われている。主なやり方として、聖書を朗読しながら聖水をかけて取り憑いている悪魔を外に出す。特に重要なのは、悪魔(悪霊)の名前を知ること。

 

今回リーガンに取り憑いていた悪魔は、映画の冒頭でメリン神父が対峙した像パズズ。神父がベテランエクソシストとして推薦された背景に「昔数か月にも及ぶ悪魔祓いの経験もある」と言われている点。そして、リーガンの声を録音したテープを逆再生した時にメリン神父を呼んでいたことから、メリンは長きにわたってこのパズズと戦ってきたことが伺える。

このパズズとは、二次創作で作られたものではなくアッカドに伝わる風と熱風の悪霊として知られている。また、彫像が悪霊を統御する力を有していたとも言われており、冒頭の遺跡のシーンがこれに繋がってくる。

 

本作の冒頭のメリン神父が悪霊パズズの像を発見する発掘シーンをイラクで行うとウィリアム・フリードキン監督は主張し、キャスト・スタッフは1か月間イラクに滞在することになった。

しかし50℃近い灼熱の気温、撮影クルーに広まった病気、イラク国内で起きたクーデター、間違えてオーストラリアに送られた悪霊パズズの像など滞在中に起きたハプニングは数知れなかったそう。

 

 

本当に呪われている映画と言われるわけ。

 

例えば原因不明の火事が起こりリーガンのベッドルーム以外のインテリアセットが全部燃えた、ジェイソン・ミラーの赤ん坊がバイクに轢かれて入院することになった、マックス・フォン・シドーの兄弟が亡くなったなど。

また、監督は言及してないが、映画内で死ぬことになるメアリー・カラスとバーク・デニングズを演じたバシリキ・マリアロスとジャック・マッゴーランが、映画公開前に亡くなったことなど本作は様々な不幸がつきまとった映画だった。

 

ディレクターズカット版でよりリアルに。

 

『エクソシスト』の中で、最もアイコニックなシーンの一つがリーガンがブリッジをしながら階段をおりてくる(スパイダーウォーク)シーン。しかし、映画公開当時はこのシーンはカットされており、存在しないもの。

本作は「劇場公開版」と「ディレクターズ・カット版」の2つが存在するのだが、このスパイダーウォークは「ディレクターズ・カット版」に収録されている。さらに、元々は階段からおりて蛇のように長くなった舌をペロペロ出しながら秘書のシャロンを追い回すというシーン。しかし、「ディレクターズ・カット版」製作時に、口から血を吐く映像がCGで加えられた。

リンダを支える紐が見えているために公開版ではカットされ、「ディレクターズ・カット版」でこの紐もCGで削除された。

 

リンダ・ブレアは主人公で悪霊に憑りつかれる少女リーガン・マクニールを演じた。映画制作陣はリーガン役を演じる少女を求めて何千人という少女のオーディションを行った。ウィリアム・フリードキン監督はオーディションで12歳になる前のリンダを発見。

監督は彼女には役者としての素晴らしい才能があるだけではなく、トラウマ的な体験をするであろう映画撮影に耐えることができると確信したので、彼女にリーガン役を与えることに。

 

 

リーガンのメイクに3時間

メイクアップアーティストのディック・スミスと彼の弟子リック・バーカーが悪魔に憑りつかれたリーガンのメイクアップのためにかけていた時間は1日に何と3時間。この努力のおかげで人々を恐怖で震え上がらせる少女リーガンが完成した。

カトリックの信仰を失いかけているデミアン・カラス神父のモデルとなった人物は、なんと原作の作家であり映画の脚本を担当したウィリアム・ピーター・ブラッディ。

映画でカラス神父を演じたのはジェイソン・ミラー 。彼は1973年ブロードウェイで上映された戯曲『栄光の季節』でトニー賞、ピュリッツアー賞を受賞している。

 

 

 

ジェイソン・ミラーの人生も、カラス神父そのものだった!?

 

前述した通り、カラス神父はカトリックの信仰を失いつつある人物。当初映画製作者たちはカラス神父役を、ドラマシリーズ『マイク・ハマー』で知られるステイシー・キーチにこの役をオファーし、サインまで交わしていたそう。

しかし、その後製作者たちはジェイソン・ミラーと出会うことになる。

なんと彼は俳優・脚本家になる前、カトリック神学校に通っていました。その自身の経験とカラス神父の経験を重ね合わせ、製作陣に自分こそ神父を演じるにふさわしいと熱弁。その結果、ジェイソンが役を勝ち取った。

ランカスター・メリン神父は遺跡の発掘調査をしていた際に、悪霊パズズの像を発見した人物。彼のモデルとなった人物は、同じように神父であり考古学者でもあった実在の人物ジェラルド・ランカスター・ハーディングです。彼は死海文書発見に関わった人物。

 

オードリー・ヘプバーンも出演オファーを。

 

実はオードリー・ヘプバーンは、リーガンの母親クリス・マクニール役のオファーを受けていた。

しかし彼女はアメリカで行われた撮影のために、自宅のあったローマを離れたくないという理由で辞退した。

結局は1971年公開の映画『ラスト・ショー』で注目されていたエレン・バースティンがウィリアム・フリードキン監督に直談判したため、役を勝ち取ることに。

 

 

リーガンに憑りついた悪霊パズズの声優を務めたのは、マーセデス・マッケンブリッジ。彼女は1949年の映画『オール・ザ・キングスメン』でアカデミー助演女優賞を受賞したベテラン女優。

彼女の魅力はハスキーボイス。映画撮影が行われる前に、彼女はそのハスキーボイスを取り戻すために長年止めていたタバコとお酒の習慣を再開していたそう。

またリーガンがベッドに縛りつけられたシーンでの演技を行う際に、彼女は自身を椅子に縛りつけ生卵を飲み干しました。そうすることでリーガンの気持ちを最大限表現することができた。

 

 

あの不気味な音の誕生秘話

 

映画で音楽プロデューサーを務めたのはジャック・ニッチェ。彼は本作における様々な音を作り上げた張本人です。まず、オープニングクレジットで流れるあの不気味な音は、ワイングラスの飲み口をこすって制作されたもの。

 

また彼はうつぶせになってソファで眠っている彼の彼女の背中に向かってジャンプ。その時の彼女の驚いた叫び声が、リーガンが嘔吐するシーンのサウンドとして使われていたとか。

 

「エクソシスト」は近年のどんなオカルト映画も「越せない」と言われるほどの大作。この大作を、「恐怖の報酬」の鬼才、ウィリアム・フリードキンが完成させた。