出演 大貫勇輔
久保紘一、大森康正、田澤祥子、
峰岸千晶、三船元 維、古澤良、
皆川知宏、泊陽平、浅井杏里、
関口由美、竹内碧 、高橋真之、ほか
原作： ブラム・ストーカー
演出・振付： マイケル・ピンク
芸術監督・演出： 久保紘一
ロミジュリの大貫
死を見逃している私は反省の意を込めて また ゴージャスなバレエ演出を期待して参りました。創立20周年を迎えられるNBAバレエ団を観るのは二年前コッペリア以来、２度目。まだまだ
でござい。通し物は今後も観たいと思ってる。曲も通して聴きたいし。『DRUCULA 』のお話、バレエではなく、ミュージカルで二年前観ておりました。
【出演】 和央ようか/花總まり/安倍なつみ/小西遼生/上山竜司 （RUN&GUN）/矢崎広/小野田龍之介/松原剛志/鈴木綜馬 他
【東京公演】 東京国際フォーラム・ホールＣ ２ ０１１年８月２０日（土）～９月１１日（日）
あら！パクチーマン
（ミリヒス）@上山竜司くん いた
花ちゃんの復帰舞台で変わらぬ美しさに感動したのを覚えてます。ドラキュラ伯爵のたかこさんがマジシャンのように摩訶不思議を舞台に盛り込んでラストは宝塚時代のように二人ひしと抱き合い愛を誓う…という舞台でした。精神病者（伯爵の手下）の小野田くんの歌声（旨っ）にびっくりしました。（井の中の蛙～でした 当時）
今回の大貫DRUCULA キャストのなかにNBAバレエ団ソリストの１人として高橋真之さんの名前が。
去年 西島さんのソロコンサート、ダンスシンフォニーにバレエ界から出演。風海さんと共に踊ってましたが 今はバレエ界で活躍のようですね。ベルボーイ（役はウエイターも兼）で２幕ダンスナンバーのなかで甲斐甲斐しく動いたり、ソロもありました。きっちり飛んで回って。3幕ではUNDEADという役名のゾンビも。バレエの舞台でゾンビとはびっくり。スリラー♬です皆様。
私の今後の観劇予定は悪魔（ファウストオデッセイア）、吸血鬼（アルカード）、黒執事アニメ映画と妖しくも大好きな世界
。開幕にはふさわしい舞台でした。１幕
客電が一気に消え、いきなりの真っ暗に客席少々ビクつく。
…予想通り普通のバレエの舞台じゃなさそう
夢魔に襲われるミーナの夫 ジョナサン・ハーカー。自分の結婚式に連行される精神病者が横切り、ミーナまでどこかへ連れ去られる。予知夢のようだ。
ドラキュラ伯爵の城に伯爵からの依頼で訪れるハーカー。屋敷の奥から登場するドラキュラ伯爵。滑るように階段を降りてくる様はすでに人外ぽい。たっぷりとした真っ赤なローブをはおり、薄くなった長い白髪の髪を後ろへ流す老人の様相。ハーカーをもてなしながら、開けた荷物の中のミーナの写真を見てしまう。もてなすというよりはもてあそぶような伯爵とハーカーのパ・ドゥ・ドゥ。大きな大貫くんは小柄な大森さんに絡みついたり、リフトしたり。ドラキュラが獲物を得た喜びを表しているかのよう。三人の美しい女性が部屋の隅から現れる。最後の１人はベッドの中から！ハーカーを取り囲み、着ている衣服を脱がし、馬乗りになり 首を噛みつこうとして… 三人の美女はバンパイアだった。伯爵が三人のバンパイアを蹴散らし、血が染み出た袋に入ったご馳走を与える。
その様子をみて驚愕するハーカー。
２幕
ホテルの広間ではティーダンスが始まっている。
ミーナの友人のルーシーは恋人のアーサーと共にダンスに興じている。病み上がりのハーカー ミーナ夫妻、医者のヘルシング、クインシーも一緒。ダンスが進むにつれ、嵐が強くなり ホテルのテラスにはドラキュラ伯爵の姿が映る。その姿はルーシーにしか見えず 他の客は動きが止まったまま。ルーシーは引き寄せられるようにテラスに駆け上り 伯爵に首筋から血を吸われてしまう。広間は元に戻り ルーシーは正気を失いベッドに倒れ込む。
ヘルシングの機転によりベッドをにんにくで囲んだが、伯爵はルーシーの部屋に闇から這い出るように宙吊りになりながら（ロミジュリの死っぽいぞ
）忍び込む。夢遊病者のようなルーシーと甘いパ・ドゥ・ドゥを踊る。ここでの様々なリフトが圧巻
大貫くんが流れるように持ち上げ、ルーシー役の田澤さんも吸い寄せられるように乗る。手首から血を飲むしぐさをしながら 腕をひきよせ横たわっている身体を持ち上げる 重力を感じさせないお二人の動きに釘付けになりました。伯爵はまた部屋の隅にスモークとともに消え、ベッドの上のルーシーはついに息切れる。友人達が囲んで嘆くさなか ベッドの上のルーシーが雄叫びを上げながら伯爵のごとく部屋の隅へスモークと共に消える。ルーシーはバンパイアになってしまったのだ。3幕
ヘルシング、ハーカー、アーサー、クインシーは伯爵を退治するため ミーナを残し出かける。ミーナのもとへ暴れて騒ぐ精神病者のレンフィールドが連れてこられる。ミーナはレンフィールドを理解しようとするが レンフィールドはおさまらず垂れた血を舐めて暴れる。
その夜 ミーナの寝室に伯爵が現れる。逃げるミーナに対して 執拗に追い回す伯爵。自らの胸を掻き切り 流れ出た血をミーナに吸わせる。（ミーナと伯爵のパ・ドゥ・ドゥは伯爵のミーナへの強い愛が感じられる。ルーシーとのはルーシーが伯爵に強く惹かれていくのを当たり前のように楽しんでいるようだった。なぜミーナは伯爵の血を抗わず吸ったのか…たかこドラキュラの時 二人は既に絆があった設定だったような）
伯爵とミーナの結婚式。UNDEAD達も祝うために集まってくる。同じように集まったレンフィールドが伯爵に喉を切られ、UNDEAD達の餌となる。意識のないミーナ。
パーーン
爆発音（かなり大音量 客席がまたしても
）紳士達によって扉が開いた。伯爵は棺桶の中に封じ込められる（棺桶のまわりに壮大なるスモーク。たった二回しか使わないなんてもったいない）
助けられたミーナだが、記憶がなく なぜか首筋が気になり手で押さえてしまうのだった。………終わり。
（えっ？それで終わるの？たかこ版とは結末違い。宝塚仕様だったかもしれない）
大貫ドラキュラのミーナへの愛が報われず、若干寂しい思いが残りましたが、
伯爵→ハーカー
ルーシー→伯爵
伯爵→ミーナ
と 三種の愛のベクトルがはっきりしたパ・ドゥ・ドゥが見られ、また超絶リフト（
観たこと無いリフトばっかり）で興奮しました。また劇団員の群舞（ハーカーの夢の中の街の人々や、伯爵城前の祭り、ホテルのティーダンス、UNDEAD）もたっぷり、衣装も色鮮やか 舞台効果は客席を震え上がらせるほどにばっちりと。何度も観たかったです。是非再演を。
カーテンコール
ふんぞり返った姿でしずしずとローブを引きずる大貫くんにニヤッとしながらも大きな拍手をおくりました。この方のトピックスな舞台は見逃してはいけないと心に念じて。ブラボー！