出来っこない!の意識改革 | marimo's blog

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青年海外協力隊で、作業療法士としてヨルダンに派遣されています!

文化も習慣も全く違うこのイスラム社会で、
山あり谷あり奮闘しながら、2年間の活動を綴ります!

知的に障がいのある職業訓練の学生達を、就労につなげる環境作りをしている近日。
トップの人との考えはまとまってきているけれど、各部門の先生たちは、
自分たちの作品を作ることに一生懸命になっていて、
学生の作業を奪っている現状。
学生が就労できるようにしたというセンターのトップと、その下の先生達の足並みがずれているのです。

理由は、4月に大きなバザーがあって、そこで沢山の作品を売って、収益を得たいから。
先生たちの目標が、「学生をどう伸ばすか」の方ではなく、センター運営、そんなところにズレてしまっているのです。
いい作品作りをするために、先生達はよく働きます。

勿論、センターの経営をするためにお金が必要なのは分かります。

でも、そこに焦点を当てすぎていて、先生のためのセンターになっている気がします。
そしてセンターはJICAボランティアの私の後任に、なぜか「陶芸のスペシャリスト」(!!?)を要請してきました。
障がい児・者支援分野なのに、陶芸のスペシャリストを要請ってことは‥
これって、先生への支援ですよね。
センター経営の支援ですよね。
遠まわしに言ったら、まぁ生徒のためになるのかもしれないけど‥

なんか違うと思ってしまうのは私だけでしょうか。


籐細工なんかは、先生が編んだものに、ボンドを塗る作業だけが学生に与えられます。
籐細工セクションの意味な~い!
先生たちは、個人に合った作業選択などはなく、できそうな子だけを集めて、常にそのボンド塗り作業を提供します。

作品に関わったパーセンテージはざっくりと、90%先生、10%学生といったところ。
若しくはもっと差があるかも‥

木工なんかは、

危ない。
できない。


が理由で、学生は木材を切る系の電気の入る工具が使えません。
主に、やすりがけか先生が切ったものや組み立てたものを運ぶ様子しか見たことありません。

別の場面、私が籐細工セクションで暇そうにしている生徒に、
評価も兼ねてはさみを使う作業を提供したところ

まーりーそれ危ない。
はさみ、学生達には渡さないで。


そんな言葉をかけられました。
私が横で見ていたその学生は、不器用でもはさみが使える学生でした。

「どうせ無理」は、ラクしたいから 宇宙へ挑む男が語る、自信の育て方・奪い方

※なるほどと思った記事。よければクリックをどうぞ^^

作業って、その選択や提示の仕方で個人の可能性は無限に広がると思うのですが‥。

木工、陶芸、籐細工、(モザイク画)のセクションにおいて、なんでこの子このセクションなんだろう‥と思う子もたくさんいて、でも変更ができないという良くわからないルールがあり、悶々とすることも多々あるのです。

どうやってその選択をするのか聞くと、通所してから一日ごとに各セクションを回って、その子が好きそうな所にする。
そんな回答でした。
それも作業提供の選択をする一つの判断材料ですが、大事な事が抜けているんですよ。

本人の目標。

目標があって、それに近づくための手段としての作業であって、
作業をすることが目的ではない。


これが私の言いたいことです。

今のセンターを見ていると、
籐細工、木工、陶芸のそれをすること自体が目標になっています。

当然、アセスメント(評価)なんかないだろうなーと思っていたら、なんと「ある」んです。
でも見せてもらった所、大工、籐細工、陶芸ともにそのセクションにフォーカスを当てたもののみ!
「金具の名前が言えるか、作業服を着ているか、安全について言えるか。」
等々、その職業訓練部門と名のつくものの、各セクションでしか活きないようなアセスメントでした。


そもそも、本当に就労したい学生と、そうじゃない学生もごちゃまぜになっていて、先生達もその違いについて全く意識していないのです。
これって大きな問題ですよね。
早速、優秀な秘書の力を借りて家族面談用のアセスメントをアラビア語に翻訳してもらい、職業訓練部門のボスに使ってもらっています笑

職業訓練部門に来ている生徒の目的が、

就労につなげたいと思っている生徒・家族
家庭内の役割的な仕事を獲得したいと思っている生徒・家族
日本で言う、デイケアセンター的な場所として通っている生徒・家族

誰がどう思って在籍しているのか、まずはスタッフが把握しなければ良い支援なんてできないと思うのです。

各セクションにフォーカスを当てているアセスメントも、不十分。
誰がどんな能力を持っているか、どんなサポートをすればその能力の足りない部分をカバーできるか、といったアセスメントも作ってみました。


また、日本で知的障がいのある方々が就労している例を知ってほしくて、カラーで何枚かの写真を印刷していきました。

「うちの生徒達はできない」
と思い込んでしまっている先生達に見せて回るためです。

そこである先生から笑顔で言われた一言が

「この子達はきっと優秀だから働けるんだね。」

と‥!!\(゜ロ\)(/ロ゜)/
それって、裏を返すと「うちの生徒達は優秀じゃないから無理」ってことなのかな。
そんな風に感じてしまいました。

違うの~!工夫次第なの~!
システムや、サポート次第で、可能性はいくらでも広がるの~!
評価、かなり下回ってる~!


なんだか、ここまで生徒ができないと思い込まれていると、逆に奮い立ちます笑

でもその先生とも仲良しなので、
うま~く乗せらせないかなと思案中です。(プライドを傷つけないように、否定しない方法をチョイスします)
ポイントは、先生を褒め、助けを求めるような関わり方で一緒に考えてもらう、外部からの目(賞賛)の影響もちらつかせ‥あとなんだろう。笑

思考を変えることは大変です。
まずは、生徒がどこまでできるのか、私が見せなければと思うのです。

センターの人たちは、みんな優しくていい人ばかりです。
ただ、生徒の能力を下に見ないように、「できっこない」の意識改革が必要です。
どう頑張っても出来ないのなら、難易度を変える方法もありますよね。
全てできることを求めるのではなく、スモールステップを提示して、そのできそうな一部に焦点を当てる方法もありますよね。


幸い、日本に就労支援研修に行った先生(ナーディア)と私の考えが一緒で、権力もあり(これ結構重要)、いつも助けてくれるので、色々抱えながらも楽しくやっています笑
彼女は、先生たちの考えを少しでも学生目線に変えられないのかと、一緒に私と悩み、模索してくれます。
すごく心強い存在です。



今日はそのナーディアの日本での研修を踏まえた、院内研修のプレゼンでした!

開催目的は、センターの就労支援の今後の方針をスタッフに知ってもらうためです。
日本で学んだことを、ナーディアやトップの人たちだけが知っていても意味が無いので。


今日明日で、各セクションの先生の殆どが来てくれるのです。
私は、企画と資料作成、準備、伝えるべきポイントを共有したり、それだけ。
今日当日の進行は、全てナーディアと職業訓練部門のボス、学校部門のボスが主体となってくれて、本当に助かりました。
10時半開催予定だったのに、10時にはもうきちんと部屋もプロジェクターも全て揃っていて、先生も時間前行動で、アラブタイムだと思っていただけに、びっくり・感動です笑
何も言っていなかったのに、紙やペン、コーヒーまでもが準備されていて、本当に感謝です。

今回のトピックは、
「日本では、どうして知的障がいのある方が働く事ができるのか」
「センターの目指す、学生の就労に対する方針」

この2本立てでした。

ヨルダンには新しいことばかりで、できない・無理と言われるのかなと思いきや、

いい意味での反響がすごくって、びっくりです。
「今日の講義、すごくよかった。」
「うちも先生じゃなくて生徒が働けるようにすべきだ。」
「マーリーの考えは素晴らしい。」(私の考えと言うか、日本の就労支援の現状を伝えてもらっただけなのですが)
「ヨルダンの会社が広い考えを持つべきだ。交渉が必要。」
「ヨルダン内でそういう支援を進めている団体はあるのか?」
「交通手段を解決する方法はあるか?」
「日本の考えはすごく進んでいると思うし、賢いのに、なんで自殺者が多いの?」(笑)
「過保護な家族に、子供の自立を促すよう理解を求めるべき。」

などなど、ナーディアのプレゼン中も、終わった後も、始終意見や感想をいっぱい頂きました。
生徒の就労という視点に、興味を持ってもらえたという手ごたえを感じています。

日本とは違って、思ったことをなんでもすぐ発言するヨルダン人、すごいなぁと思いました。

すご~く嬉しい一日でした!
今日はナーディア来日のための日本の税金を、有効利用できたんじゃないかと思います笑


生徒達と先生の関わり方を見直すきっかけになればいいな。
明日は、JICAのスタッフが見に来てくれます!ドキドキ。
がんばろうー!