らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】 -236ページ目

第122話 写真撮影

それから

直樹には内緒の行動をする事が増えていった。


私は直樹に

知り合いが開業した料亭で

お昼たまにバイトをしているという嘘をついていた。


中山さんに

私は親しみを込めて『ジイヤ』という愛称をつけ

業界の事は右も左も分からないジイヤと私の二人三脚で

芸能活動を始めていた。


はじめてのグラビア撮影では

セーラー服や体操着を着て

ルーズソックスを履かされ

バスケットーボールを持たされたり

髪の毛を編みこまれたりした。


用意されていた純白の控えめな下着は

私には似合わないような気がして恥ずかしかったけれど

緊張しながらもどうにか無事に撮影を終える事が出来た。


宣伝材料の写真を撮る日

ジイヤに連れられてスタジオに入ると

有名なAV女優さんのパッケージ撮影をしていた。


とても綺麗で華のある人だ。


次々と淫靡なポーズをとり

妖艶な視線をカメラに向ける彼女に

私はメイクをされている間、ずっと見惚れていた。


彼女の撮影が終了して

私の番がやってきたが

情けない事に

私は立ち位置に真っ直ぐに立っている事も出来ずに

周りの人達からフォローされながらの撮影がはじまった。


カメラマンやコーディネーターに

ポーズを要求されるものの

自分の体が思ったように動かず

チグハグなポーズと引き攣った表情で

撮影にとても時間がかかってしまう。


静まり返ったスタジオの中で

眩しすぎるいくつものストロボに目がくらみ

連続するシャッター音を聞きながら

どんどん自分が空っぽになっていくような気がした。


出来上がったポラを見ると

到底自分とは思えないような美少女が写っている。


梅ちゃんが言っていたとおり

プロのメイクさんとプロのカメラマンが手がけると

ここまで別人に写るのか!と私は驚嘆した。


すかさず梅ちゃんが

「ビデオ出てみようよ! バレないように全力を尽くすしさ! おじさんにまかせて!」

なんて言うから私はその場の空気に呑まれて

きちんと断らずにうやむやな返事をしてしまったのだ。


その後も
私が何も考える事が出来ずにいると

話はどんどん進んでいく。


断ろうと思えばいつでも断れるのに

私はなぜか断らずにいた。


「パブリシティを業界誌だけにしてTVとか週刊誌はNGにしようね。

 本番、SM、3P、オモチャ、全部NGでいいからね!」


「おじさんにまかせて!」


梅ちゃんのお決まりのその台詞は

魔法の言葉みたいに私の頭を鈍化させてしまう。


すっかり梅ちゃんのペースなのは分かっているけれど

私には現実感がなくて

まるで他人事のように感じているのだ。


適当に生返事をしてしまうと

現実は当然そのまま執行されていく。


どうしてこんな事になってしまったのだろう。

私は一体どうしてしまったのだろう?


自分がどこにも存在していないような気がして怖くなった。



自分の意思に反した事をなぜかしてしまう・・・そんな事ってありますか?

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