第149話 身元引受人
翌日
私は腰にロープをまかれ
他の被告達と結び付けられて
鉄格子付きのバスに乗り
検察庁へと向かった。
途中で他の留置所にも寄り
同じように腰にロープをまかれた人達が乗り込んでくる。
私意外は全員男性だった。
体のバカでかい黒人
刺青の入った腕を露にしている人
パンチパーマの痩せこけたチンピラ
そんな人達と一緒にバスに乗っていると
悪い事をした人達ばかりなんだろうな・・・と
身が縮む思いだった。
検察庁では
長椅子に腰掛けて自分の順番を待つ。
ようやく私の番になり
検事さんに何度も何度も
「反省しています。」
と繰り返し言う。
検事さんが書類に判子を押して
私は元いた警察署に搬送される事になった。
どうやら帰してもらえるらしい。
留置所にはもう戻りたくなかったから
私はほっとして胸を撫で下ろした。
警察署に帰ると
担当の刑事に
「身元引受人はどうする?」
と聞かれた。
「身元引受人? 一人で帰れるので大丈夫です。」
私がそう言うと刑事は首を横に振る。
「いや、身元引受人がいないと帰れない規則だからね。
ご両親に連絡して迎えに来てもらいなさいよ。」
「えー・・・ 親じゃなきゃダメなんですか?
同棲してる彼氏がいるんですけど・・・
彼でもいい?」
親には知られたくないと思い
私は甘えた声を出してお願いをする。
刑事が困った顔をするので
私は上目遣いで刑事の体に触れながら
めいいっぱい、かわいくお願いを重ねる。
「おまわりさん! お願い! 私と彼、もうすぐ結婚するんだよぉ。」
そんな出任せを言うと
一瞬の間があってから刑事はこう言った。
「そ・・・そうか。
じゃ、内縁の夫って事にしてあげるから
彼に電話しなさい。」
意外にも簡単に話しは折り合いがついた。
刑事が男で良かったと思う。
またお母さんが警察署に迎えに来る事にならなくて
本当に良かった・・・。
これが未成年の時との明らかな違いなんだ・・・。
私はもう成人なんだなぁと
こんな時に自覚する事になり
なぜか少し切ない気持ちになった。
内縁の夫に扮したヒカルは
すぐに迎えに来てくれた。
私を見るなり
「ったく・・・何やってんだよ・・・。」
と呆れたようなほっとした様な顔をする。
私もほっとして思わず涙ぐむ。
ヒカルは私の腕にかけられた手錠を見て
顔色を変えた。
「それ・・・冷たいだろ・・・。 重いよな・・・。」
「ん? あぁ、そうだった。 おまわりさん! これ、もうはずしてよ! きゃはは」
ヒカルが来てくれて私は急に元気になり
場に相応しくない笑顔でケラケラと笑う。
手錠をはずしてもらえた。
「おまえ、これやった?」
ヒカルは指を出して指紋を取る仕草をする。
「やったよぉ~! 両手、全部の指の指紋取られたんだよぉ!」
「親指だけ、こうやって押しただろ?」
指紋を取られる時
親指だけは他の4本の指とは逆側から回し押しさせられた。
ヒカルは何かを思い出している様な顔をしている。
「ぶっ ヒカル、 もしかして前科持ちだ? きゃはは」
私がピンときてそう言うと
ヒカルに頭を小突かれた。
ヒカルは否定はしなかった。
一泊で帰れたんですけど、罰金と修理代が高かったですよ。保険とかないからね^^;
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