第175話 立場と役割
その日から私とユウの主従関係ははじまった。
気まぐれで奔放な「猫タイプ」の私と
主人に忠実で従順な「犬タイプ」のユウは相性が良かった。
ユウは年下だった事も手伝って
犬っころみたいに私によくなつき、学び、従う。
早い段階から私のことを絶対視するようになり
全てにおいて私の言いなりだった。
最高のペットを手に入れたような感覚で
私はユウのことを可愛がり
たくさんの愛情を注いだ。
二人でいると居心地が良くて
私たちはいつでも一緒にいるようになった。
私の役割は
ユウを誰よりもいい男に育てあげること。
ユウの役割はただ一つ
私を幸せにすることだ。
人は
立場と役割が明確な程
安定した気持ちで日々の生活を送ることが出来る。
恋愛とは
互いが存在理由を与え合うことなのだと
私はおぼろげながら感じるようになっていた。
ユウはその役割を信じて疑わず
専門学校を卒業して建築士の資格を取ったら
私と結婚するつもりだと
熱のこもった口調で早々に宣言してくれた。
私もその意見に大賛成で
二人は共通の目標に向って歩き始めている。
ユウはいつも
私から千円もらって学校に出かけていく。
ジーパンにラフなトレーナー
大きなカバンを肩から提げて
どこにでもいる学生といった格好だ。
「もっとお金あげようか?」
私は何度もユウにそう言うのだけど
ユウは頑なにそれを拒む。
「千円あれば充分だよ。いつもヤキソバパンしか食べないし。
無駄遣いしないでお金貯めておいて。」
なんて堅実なことを言うのだ。
それでも
私はユウにいろいろな物を買い与えた。
私に相応しい身なりをしてもらいたくて
バリっとしたスーツを何着かと
それに合わせた靴などを買ってあげた。
時計や装飾品も買ってあげたかったのだが
それもユウは必要ないと言って拒否した。
「このスウォッチが気にいってるからね。」
と薄っぺらいプラスチック製のカラフルでチャチな時計を見せるが
私には何がどういいのかさっぱりわからない。
出来ればロレックスをはめてもらいたいなぁ
と私は誕生日にプレゼントすることを考えていた。
ユウは学校からは真っ直ぐに帰ってくる。
私がいる時は
日に何度もSEXをする。
ほとんどSEXばかりしている。
18歳のユウは
体力も性欲も有り余っているのだ。
私の体はユウの体液でいつもベタベタだった。
私が仕事でいない時は
ユウは私の出した宿題に精を出す。
その宿題とはパラパラを覚えることだった。
私はユウに
ディスコから借りてきた『パラパラビデオ』を渡し
「全部完璧に踊れるようになってね。」
という課題を与えていた。
「俺、早くまりもに追いつきたい。頑張って覚えるからね!」
ユウはそう言って
本当にあっというまにパラパラを習得していった。
いつのまにか
私のことをまりもさんではなく、まりもと呼び捨てにするようになり
自分のことは僕ではなく俺というようになっていた。
「もうすぐ六本木に大箱のディスコがオープンするのよ。
名前はヴェルファーレだったかな。こないだ、インヴィテーションカード届いてたし。
ユウのディスコデビューはその日にしようか?」
私のこの提案がとても気に入ったようで
ユウは目をキラキラ輝かせながら
「うん!」とうれしそうに頷いた。
挨拶文にたくさんの心温まるコメント本当にありがとうございました!まだ全部に返信できてないのですが、必ず全部にレスしますので少しお待ちくださいね。本当に感謝!ありがとー!!
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