第221話 スピードについての約束
携帯からの目次を作りました
(過去記事、最初から読んでみたぃ人はどうぞ♪)
本文は小説です。
ここに書いてあることは全て私の過去の体験に基づいたもので、現在のことではありません。
ドラッグは法律で禁止されていますし、人生に悲惨な影響を及ぼすものであることを先にお伝えしておきます。
台本を見て
私は胸を撫で下ろした。
その日のギルガメの企画は
ガラス張りのテーブルの上に
私達AV女優が順番に上がり
マッサージを受けるというものだった。
もちろん
ショーツ一枚のトップレス姿でやるのだが
ガラスの板の下にカメラが入り込み
押しつぶされるおっぱいにひたすら寄る。
「きゃぁ~ つめたぁ~ぃ」
などと適当にコメントをしながら
ヘラヘラしていればいいだけの楽な仕事だった。
収録が終わると
私は緊張の糸が途切れて酷い疲労感に襲われた。
アユが「ベルファーレ行かない?」とみんなを誘い
そのまま何人かは六本木に流れたが
私はまっすぐに家に帰ることにした。
コンビニで山のように買い込んだ食糧を
ユウと二人でガツガツとあっというまにたいらげた。
ユウの様子がおかしい。
眉間に深い縦皺を刻み
さっきからずっと黙りこくっている。
「どうしたの?」
私が聞くとユウは
「気分が悪い」とこたえた。
私は食事を取って満腹になり
頭の中は妙にすっきりとしていたし
仕事を無事にやり遂げて帰ってこられたことで
解放感さえ感じていて、ユウの状態がよくわからなかった。
私はむしろ気分が良かった。
「気持ち悪いの?」
「そうじゃないよ・・・ 気分が悪いんだ・・・」
ユウはボソっと言って、また黙り込んでしまう。
「気分が悪いって何? 具合悪いってこと? どうしたの?」
私は心配になって問いただす。
「違うよ。 気分が悪いんだって言ってるだろ?・・・しつこいな!」
ユウは唐突に声を荒げた。
不機嫌なユウの反応に
私は困惑する。
スピードが切れたせいで
苛立っているのだろうか?
ユウは腕を組み
まるで鬱病患者のように
じっと床を見詰めている。
「・・・あのね、今日、アユから聞いたんだけど
スピードって覚醒剤のことなんだって。」
私は会話の糸口を探る。
「そうなの? なんか意外だな。
覚醒剤ってもっと酷い状態になるのかと思ってた」
ユウは顔をあげたけれど
表情は硬いままだ。
「そうだよね、私も知った時、驚いたんだ。
でもね、アユが言うにはね、毎日やんなきゃ問題ないって。
ハマんなきゃ大丈夫だって教えてくれたよ」
私はアユから聞いた話を続ける。
ユウは神妙な面持ちで話を聞いていたが
「ハマるってことはなさそうだけどな・・・
俺、またやりたいな。 スピードって使えるよ! 集中力上がるし。
あれを知っちゃうと正直、チョコとか子供の遊びってかんじだよ」
と感想を述べた。
「うん。 私もそー思う。
でも・・・ユウ、気分悪いんでしょ? 体質に合わないんじゃないの?
私は全然普通なのに、ユウはなんか・・・イライラしてるみたい・・・」
「イライラなんてしてないよ! 大丈夫だって!
思い出してたんだ、 スピードは最高だったって」
私は
ユウの言葉を意外に感じた。
スピードが覚醒剤だと知ったら
ユウは驚いて「二度とやらない」
と言うのではないかと思っていた。
でも確かに
あんな風なめくるめく愛のエクササイズを体験したなら
男だったら誰でもクセになるよな、と私は思い直した。
「ユウ、約束事を作ろうよ。
一人ではやらない、やる時は必ず一緒にやること!
1度やったら一週間は絶対に間隔をあけること!
量も気をつけなきゃね。 これだけは守ろうね?」
体感的にはさほど問題はないように感じていたが
あくまでも「スピードは覚醒剤」なのだから
慎重を期さなければならない、という思いがあった。
「別にいつでも止めれると思うけどな。
でも、約束事はあった方がいいかもね」
「そうだよ!
ハマらないように気をつけながら遊ばなきゃ」
「うんうん」
二人の見解は一致していた。
私達は
スピードをコントロールしながら使用できることに
何の疑いも持っていなかった。
ウィークエンドの良いお楽しみを見つけたかのような
気軽な気持ちだった。
それから私達は
途中で目覚めることもなく
丸一日眠り続けた。
ドラッグにはまっていく過程の序章です。
ドラッグをやりたいという気持ちが無意識に様々な理由付けをはじめるんですね。入り口はマリファナでしたが、私の場合はこのような過程を踏み、覚醒剤に手を染めました。「覚醒剤だけには手を出さない」「Sは一度だけ試してみる」そんなマイルールがあったはずなのにそれらを破った事を忘れて、自分なりに新たなルールを作って安心してしまう。ハードルは少しずつですが着実に低くなっているのに、自分ではそれに気がつけない。 それは意思の弱さではなく、自分が実際に体験したことで「大丈夫だ」という確信を伴ったからなんです。 この時点では何の依存もしていない。 ドラッグを使うか使わないかの自由意志は私の側にまだあったように思います。
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現在ランキング加算されてないようです 週明けには戻ればいいんだけど(ノ_・。)
