第269話 赤い糸 | らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】

第269話 赤い糸

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俊君は

勤めていたホストクラブを辞めて

新しくオープンしたお店に

二人の先輩と移ってきたばかりなのだと教えてくれた。


お店は

早い時間は女の子のクラブを営業していて

ナイトになるとホストクラブに切り替わるらしい。


オーナーは別なのだが

家賃や経費を折半にできるから

仙台ではこういったシステムのホストクラブが多いそうだ。


ヘネシーのボトルをキープして

俊君とあらためてグラスを重ねた。


彼のお客さんは

他にも数人来ていたけれど

私の隣からほとんど離れることはなかった。


お酒を飲みながら他愛ない話を重ねる。


私たちは

強く心惹かれて恋に溶けていった。


「私ね一人でラブホテルに泊まってるんだよ。

クリヨンってとこわかる? 今日一緒に寝る?」


いきなり誘うのはどうかと思ったけれど

すぐに東京に戻らなければならないから

駆け引きを楽しんでいる余裕はなかった。


店を出るころには

すっかり恋人気分で

腕を絡ませてホテル街に向った。


「なんでラブホテルなんて泊まってるのわ?」


俊君は不思議そうに尋ねた。


「あのね、USENを聞くのが好きなの。

いつも一人でUSEN聞きながら本を読んでたんだ」


「ふうん。 何聞くの?」


「邦楽の新曲ランキングかな? 最近すごく好きな曲があるんだ。

タイトルわからないんだけどさ。 男の人の曲」


私は鼻歌でメロディを歌ってきかせた。


「わがんねっ」


「あはっ、そっか」


ホテルにつくと

ベッドに置きっぱなしの本を片付けて

すぐにUSENをかけた。


お風呂のお湯がたまるまで

紅茶を飲みながら話をした。


「ねぇ、私のことはまりもってよんで。

好きな人からは呼び捨てにされるのが好きなの。

俊君のこともシュンってよんでもいいでしょ?」


「俊ちゃんって呼んで! 母ちゃんからも俊ちゃんて呼ばれてたんだ」

「えーー? やっぱ変わってるなぁ。 あはは

了解。 俊ちゃん」

彼はとてもうれしそうな顔で

私の体を引き寄せギュっと抱きしめた。


俊ちゃんの胸の中に

私の体はしっくりと馴染んだ。


もともと

そこが私の居場所だったみたいに。

お風呂には二人で入った。


俊ちゃんが後ろから私をダッコするような形で

湯船につかった。


「なんかさぁ

すごく不思議…… どうしてかな?

俊ちゃんのこと好きで好きでたまらないの。

出会ったばかりなのに、なんか変だよ!」


私は自分の気持ちに驚いていた。


どうしてこんなに惹かれているのか

いくら考えても理由がわからない。


「俺もまりもちゃんのこと大好きだぁ」


彼の想いの強さも

ヒシヒシと伝わってくる。


俊ちゃんは

器用に言葉を選べるタイプではないようだ。

けれど

全身で私への気持ちを表現してくれる。


ただ感じていればよかった。


言葉には出来ないし

理屈は必要なかった。


それは

今までのどの恋とも比べようがない

特別な感覚だった。


この気持ちを愛と呼ぶのだと

私は始めて知ったような気がする。

「私達、出逢っちゃったんだね」


自然と口からこぼれた言葉に

俊ちゃんはすぐに「赤い糸が繋がってたんだね」と返してきた。


きっと私たちは

どこまでも限りなく同じ気持ちでいた。


それは目には見えないけれど

すごく確かなことに思えた。


「運命の人って

出逢えばすぐにわかるんだね」


今までのすべてが

俊ちゃんと出逢うまでのプロセスだったのだと思うと

胸がいっぱいになり思わず涙ぐんだ。


「なんか、どうかしちゃってるみたぃ。 

こんなのって本当に初めてで」


私はとても大切な想いを抱いていた。

喜びも悔しさも悲しみの涙も

俊ちゃんと同じ季節に分け合ってゆきたい。


ずっと傍にいたい。

私は引退をはじめて本気で考えた。


お風呂から上がると

二人で少しだけビールを飲んだ。


俊ちゃんが私の手を引いて

ベッドに導く。


「あっ! これ! この歌だよ!」


USENから流れてくるイントロを聞いて

ベットの上にあるパネルのボリュームをあげた。




「もうどれくらい歩いてきたのか

街角に夏を飾る向日葵

面倒な恋を投げ出した過去

想い出すたびに切なさ募る


忙しい毎日に溺れて素直になれぬ中で

忘れてた大切な何かに優しい灯がともる


やがて来る それぞれの交差点を迷いの中 立ち止まるけど

それでも 人はまた歩き出す

巡り合う恋心 どんな時も自分らしく生きてゆくのに

あなたがそばにいてくれたら


AH 夢から覚めた これからもあなたを愛してる」



「これグレイだべ?」


「グレイって言うんだ。 ボーカルの声もいいし歌詞もいいよぉ

もうCD発売してるのかなぁ? ねぇ?」


俊ちゃんは質問にはこたえず

真面目な顔で唇を重ねてきた。


身体が痺れて

甘い夢の中に堕ちていった。


電気を消した。


俊ちゃんに抱かれながら

私たちは本当は一人の人間なのではないかと感じていた。


欠けていた自分の片割れを見つけたような

魂が結びついているたった一人の人に巡り合えたような

裂け目が埋まっていく感覚を覚えて

シーツを掴む手に涙が落ちた。


俊ちゃんの腕の中で

今日という始まりを強く心に刻んだ。


それぞれの道がひとつに重なった瞬間だった。



そー! 私は本当に運命の人と出会ってしまったの。 彼は間違いなく「赤い糸」が結ばれた相手。

メルヘンチックなこと言っちゃってますけど、ついてけねーよ!とか思わないでw

すごく気持ちが盛り上がってるのを表現したかっただけでノロケてるわけではなぃヨ!

そしてGLAYともこの時からのお付き合い。 BELOVEDと俊ちゃんは私の宝物なの。


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