第136話 ホストの営業方法
ヒカルは歌舞伎町では名の知れたホストで
もちろん店では不動のNO1だという事を私は知っていた。
どうやってその地位まで登りつめたのか
ホストとして一体どこまでしているのか
私は単刀直入に聞いてみる事にした。
「ヒカル、ホストってさ、実際どこまでするわけ?」
「どこまでってどういう意味で?」
「だからさ、お客さんとの関係よ。寝たりする事もあんの?」
口が上手いのは散々実証済みなので
言葉ではない部分に注意を向ける。
表情や仕草に集中してヒカルを見定めるつもりだ。
「それはホストそれぞれだけど、俺は枕営業はしてないよ。」
「枕営業って言うんだ! おもしろぃね~。
じゃ、キスは? 手は繋ぐよね? 愛してるとかは普通に言うの?
女の子はヒカルと付き合いたくて店に通ったり貢いだりするんでしょ?
ちょっとそのへんのこと教えてよ。 ちゃぁ~んと正直にだよ!」
「ははは、OK。
そうだな・・・。 ホストにはいろんな営業方法があるんだよ。
さっき言った枕営業もそうだけど
客を彼女みたいに扱う色恋営業
友達のノリでわいわい楽しませる友達営業。
偉そうな態度で客を支配するオラオラ営業とかな。
自分のスタイルを持ってるホストもいれば、客によって使い分けてるのもいるよ。
枕ホストになると客単価は高くなるけどホスト生命は短くなる。
1日100万使ってくれる太客が1人いるよりも
10万使ってくれる客が10人いる方が質の高いホストだ。
まぁ、そのへんはまりもちゃんも水商売してたしわかるでしょ?」
「うんうん。 ホステスも同じよね。 売り上げより指名数が大事。
ホステスも売り上げあげたくて客とナニしちゃう子っているもんなぁ~
一流かどうかの線引きは瀬戸際でパンツを脱ぐかどうかだと思うわ。」
「だろ? だから、俺は客とは絶対に寝ないんだよ。 安心した?」
ヒカルは今度は優しい眼差しで微笑みかけてくる。
まるで子供をあやしているような表情だ。
さっきまでの力強い光を放つ瞳とのギャップを感じて
私はドキっとしてしまう。
どうやら
完全にヒカルのペースだ。
「でも、いくらヒカルがそう言っても信じられないだろうなぁ・・・」
ヒカルの仕事中に一人で不安になる自分を想像してそう言った。
「明日さ、うちの店に遊びにおいでよ。」
・・・やっぱりそうきたか。
ガッカリだ・・・・。
結局は営業かぁ・・・。
時間の無駄だったな・・・。
私が話しを終わらせようと口を開くと
ヒカルが意外な事を言った。
「いや、もちろん俺がおごるからさ! 俺の仕事してるとこ見てごらん。
店での俺も見てから決めればいいよ。 な?」
パーフェクトな筋書きですよねぇw はたして裏はあるのでしょ~か?!
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