第088話 ヤクザの挨拶 | らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】

第088話 ヤクザの挨拶

「パパ! 大渋滞してたじゃん! あんなとこに車停めちゃダメだよぉ。」


ベンツがどくのを待っていた多くの人を

気の毒に思いながらそう言うと

「ん? おまえが遅いからだろ? ははは」

とパパは能天気に笑って

私のスカートを捲くり上げ

膝のあたりを撫でまわす。


パパは私にとっては最高の男だけど

社会にとっては迷惑な存在だ。


こういう時に

本当にヤクザなんだなぁ。

と今更ながら実感が沸く。


ベンツは甲州街道を下って初台に向った。


とあるマンションの前でベンツは停まり

若い衆がドアを開けてくれる。


エレベーターに歩いていくと

また別の若い衆が

扉を開いたままで待っている。


部屋のドアも同じだった。


考えてみると

さっきからパパは歩いてるだけだ。


ある意味

幼児の扱いみたいみたいだな。

と思って私はおかしくなる。


「いくらなんでもやりすぎじゃない?」

と笑ってつっこみを入れたいけれど

みんなの手前黙っていた。


パパと一緒に部屋に入ると

中にいた数人の男達が揃って

「ごわさす!!」

と大声で挨拶をする。


「パパ、前から不思議だったんだけどさ。

『ごわさす』ってどういう意味なの?」


そう聞くとパパは笑いながら

「ごくろうさまですって言ってるんだよ。」

と教えてくれた。


なるほどね。と思ったけれど

何度聞いても私には

『ごわさす』としか聞こえなかった。



部屋の中にはモニターがいくつもあり

どの画面にも無修正のアダルトビデオが映っている。


音声は出ていない。


目のやり場に困りながら

若い衆のもってきた座布団に座る。


正面のモニターには

何人もの外人が絡んでいる映像が映っていて

画質も綺麗で本当に丸見えだ。


「パパ! 仕事っていつもみんなでAV見てるの?!」


赤面しながらそう聞くと

パパはまた笑いながら

「これはね、テープをダビングしてるんだよ。」

と教えてくれた。


部屋の真ん中に安っぽいちゃぶ台があり

電話が3台並んでいて

さっきからひっきりなしに電話がかかってきている。


denwa


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