第085話 ホテル暮らし | らぶどろっぷ【元AV嬢の私小説】

第085話 ホテル暮らし

その日から

私のホテル暮らしははじまった。


歌舞伎町のど真ん中に住めるなんて最高の気分だ。


それに

ホテル暮らしは快適極まりない。


フロントに鍵を渡してから出勤して

帰ってくれば部屋は綺麗に掃除されているし
ベットのシーツは折り目正しくいつも清潔だ。


冷蔵庫には何種類ものドリンクが入っていて

ルームサービスの料理はどれもおいしい。


電話一本で煙草も買ってきてくれる。


パパは明け方の4時過ぎに私の部屋を訪れる。


4時までは毎晩の様に
美咲と一緒にディスコで遊び呆けている。


「美咲もキャバクラやめて、泉さんの店に来ればいいのに。」


私はそう言うのだが

美咲は気乗りしないらしい。


泉さんはお店を開店する時
美咲にもちゃんと声をかけていたのに
美咲はクラブは私には敷居が高いので
もう少しキャバクラで修行しておきます。
と、断ってしまったのだ。


「クラブって仕事きつそーじゃん?泉さんは好きだけど
いろいろノルマとか同伴とかの束縛あるのたるぃもん。」


何度誘っても美咲はこの調子だ。


ディスコ帰り
「なんか小腹空いたね。」
という話になり
私の部屋でルームサービスを頼む事にした。


「ここのハンバーグ激ウマだよ!食べてみてよぉ。
付け合わせの人参のグラッセも絶妙な甘さでさぁ
超おいしぃんだよ。」


私のお勧めのハンバーグを
「マジうんめ~!」
と美咲は喜んで食べている。


その後

有料チャンネルのAVを見て
AV女優をからかったりしながら
私達はキャッキャとはしゃいでいた。


「それにしても、まりもやったねぇ~。

いいパパつかまえちゃってさぁ。うらやましいよ。」


「美咲にも誰か紹介してあげてって頼んでおくよ。」


「まじで頼むよ!てか、松浦さんって普段何してるの?」


「ん?ヤクザでしょ?」


「ヤクザなのはわかってるけど、仕事は何なの?」


「ヤクザって何か仕事してるんだ?」


「まりもったら知らないの?そういう事、話したりしないの?」


「うーん、あんまり興味ないしね。なんか内縁の妻?みたいな人がいて
一緒に住んでるとか、ロシア人の彼女がいるとかそんな話は聞いた事あるよ。」


「へぇ~。そっちの女のとこには帰ってるの?」


「最近はずっと私のとこに入り浸りだよ。完全に骨抜きにしてやったわ!きゃはは」


「あはは、うける~。ねね、やっぱ金持ち?」


「すっごいよ。半端じゃないよ!毎日10万も小遣い置いていくの。」


「はぁ?ありえね~~~。きゃははは」


「でしょ?もう笑いがとまんないってかんじ。」


「だね~。やっぱ人生やったもん勝ちだなぁ。」


「自分が納得してれば何でもありだよね。

どれだけやりたい事やって生き抜いていくかって事が重要よね!」


「まりもはついてるよ~。」


「私、女に生まれて良かったなぁ~。女って本当に得だよね♪」


絶好調の私はこれでもかというくらい調子付く。
こういう話を女友達としている時ってとても楽しい。


私達が盛り上がっていると
「ガチャ」と鍵をあける音がして
パパが帰ってきた。


「あ!パパ~~おかえりなさ~ぃ。」
ご機嫌の私はパパに飛びついて抱きつく。


美咲は
「私はそろそろ帰りますね。」
とパパに挨拶をし
パパは美咲にタクシー代の一万円を渡す。


「いつもありがとうございます~。」
と美咲は愛想良く手をふって出ていった。


私はパパのお洋服をクローゼットにかけながら
「ねぇ、パパってお仕事は何してるの?」
と聞いてみた。


hoteru


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