作曲・編曲・音楽監督をつとめさせていただきましたミュージカル「相依為命〜あいよっていのちをなす〜」、お陰様で無事に終演致しました。
全ての関係者様、そしてお客様に心より感謝です。
本当に有難うございました。
1月下旬頃から曲作りを始めて終演まで、
とても濃密な時間を過ごさせて頂きました。
自分の気持ちを表す言葉を探すのに時間がかかる性分なもので、なにを書こうか想いをめぐらせている内に、気づけば日数が経ってしまっておりました。
本当に素晴らしいキャスト・スタッフの皆様とご一緒できた幸せな時間でした。
舞台上には、浩様・溥傑様や溥儀様・婉容様はじめ、確かにあの時代を駆け抜けた人々の心が生きているのを感じ、何度も胸が熱くなりました。
最初に脚本を拝読した時に強く思ったのが、
私の作る音楽が、役や作品に対して一つも嘘をつきたくないなということです。
なぜなら、歴史上に実在した或いはご存命である方の、生きた道のりや死や喪失を描くからには、エンタメとして消費するかたちにはしたくないからです。
勿論結果的にエンタメとして成立させるとしても、それを優先して曲作りするのは、この作品においては違うかなと…
(力技でゴリゴリエンタメ要素必要な演目にとっては大正解でも、この作品でそれをやりたくはなかったので…!)
音楽構成上や聞き映えの都合優先ではなく、まずは役や言葉や物語に丁寧に真摯に寄り添い、感情やシーンに矛盾のない曲作りを目指しました。ですので、心情や場面的に必要の無い転調等はせず、聞き映え優先で曲を伸ばしたり、キャッチーにし過ぎることも避けました。
また、最初に脚本を頂いた段階で、苅谷さんの書かれた歌詞は過不足なく洗練された状態でしたので、作品の大事な芯を、音の都合でブレさせない為にも、これは絶対そのまま音にしたいと思いました。
(苅谷さんの書かれた言葉の語感がとても素敵でそのまま歌にしたかったという理由もありますが…)
そんな方向性で音楽を作り進めたのですが、
素晴らしい演出・ステージングと振付が付き、
キャスト皆様が私の拙い音楽に真摯に向き合って下さったお陰で、
舞台上では、あの時代に音楽も一緒に連れて行って頂いたような感覚でした。
本当に素晴らしい作品・カンパニーの一部とさせて頂けたご縁と、誰一人欠けることなく無事千穐楽を迎えられたこと、連日満席のお客様とともにあの空間にいられたことに、心より感謝申し上げます。
溥傑様が大事にしていた「相依為命」という言葉を胸に、いつかの再会の日まで精進致します
また、今回のオケ作りでは、3名の方に演奏録音のご協力を頂きました。
●二胡演奏<M12・カーテンコール>
演奏:こたにじゅん(アカラ)
https://twitter.com/jun_kotani?s=20
監修:中川えりか(アカラ)
https://twitter.com/akara_JunErika?s=20
●エレキギター演奏<M1及びそのリプライズ>
中山彰太
https://twitter.com/shotanakayamajp?s=20
二胡の中川えりかさんは、以前吉野翼企画さんでご一緒したご縁で、今回アカラのお二人に大変お世話になりました。
中山彰太さんはGotta2でご一緒している信頼のギタリスト。ミュージカル座さんでは「映画の都」でもお世話になりました。
御三方にご快諾頂き、楽曲に命を吹き込んでくださり、心より感謝です