・辻村深月「傲慢と善良」
マッチングアプリによって人を検索して選ぶことへの違和感を、書き切ってくれたような感じがした。(マッチングアプリで素晴らしいひとと出会って結婚した例をいくつか知っているので、それは素晴らしいと思っているし、私も独身ならやってみたかったとは思っている。でも、マッチングアプリの仕組み自体に違和感はある。結局「マッチング」しても、一対一でめちゃくちゃ向き合ったカップルだけが、うまくいくとおもう。アプリ以外の出会い方と同様に。)
・朝吹真理子「TIMELESS」
詩のような小説だった。新しい世界を見せてもらえたと思うし、解説が江國香織だったから買ったんだけども、私はあまり好きとは思わなかった。江國香織のほうがいい(結局〜)。固有名詞がいっぱい出てくる小説は好きになれんのや。読者置いてけぼりで。村上春樹がビートルズばっか出してくるのも嫌だ(村上春樹はまあまあ好きだけど。←えらそう)。
・桐野夏生「燕は戻ってこない」
いま(?)ドラマ化してる。めちゃ面白かった。桐野夏生はエンタメ作家と呼ばれているらしが、めちゃくちゃオモロい純文学だと思う(←えらそう)。代理出産の話。いやーーーー、最高でした。最高!!!ウザい奴、最高な奴、終わってる奴、共感できる奴、いっぱい出てくるー!!!
・桐野夏生「日没」
しんどいーーーー!!!3日で2周読んだ!しんどい!怖い!表現の自由が脅かされる話。脅かされるというか、現にいま脅かされてるよねって話。怖すぎる〜!読んで良かった!!
・金原ひとみ「アンソーシャル ディスタンス」
面白かった!!金原ひとみは文庫化してたら全部読むという作家(たぶんまだ追えてないのもあるけれど)。金原ひとみ、昔は若さゆえのきりきりひりひりした感じだったのが、今は年齢を重ねたからこそ出せる、かつ、だからこそより一層彩り豊かにきりきりひりひりした感じで、めちゃ最高。解説の朝井リョウが、読むと「キマる」と書いてたけれど、そういう言葉に落ち着けないで〜という思い(←えらそう)。
以下、「(←えらそう)」を省略します。
・おおたわ史絵「母を捨てるということ」
これは小説ではなく、女医さんのエッセイ。かなり特殊な家庭環境の著者が、母親との関係について書いたもので、直接参考にできる感じではなかったけれど、読み物として興味深かったし、間接的に参考になるところはあった。
・若林理央「母にはなれないかもしれない 産まない女のシスターフッド」
私はこのタイトルの、「ならない」じゃなくて「なれない」なところに憤りを感じるのだが、でもそんなことは織り込み済みだろうから、その意図を考えたりしている。現代社会ではまだ、「なれない」のほうが自然に捉えるひとが多いということなのかな。
様々な理由で、(自分で選択して)母にならなかったひとや、(なりたかったけど)なれなかったひとの、ごくごく個人的な内容のインタビュー集みたいになっている。